音のない記憶 ろうあの写真家 井上孝治

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2009年05月23日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
320
ISBN:
9784044094027
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音のない記憶 ろうあの写真家 井上孝治

  • 著者 黒岩 比佐子
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2009年05月23日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
320
ISBN:
9784044094027

世界が認めたアマチュアカメラマンの知られざる生涯を描く!

生きることに希望と誇りをもち続けた日本一のアマチュア写真家、井上孝治。父から聾学校の卒業祝いにカメラを贈られると、一気に才能を開花させ、人、街、生活のスナップショットを撮り続けた。百貨店の広告に起用された写真は、誰もがもつ「あの頃」の記憶を蘇らせ、大反響を呼ぶ。その反響は海を越え、世界で最も伝統のあるアルル国際写真フェスティバルに招待される――。異色のろうあ写真家の生涯を追う!解説・大竹昭子 生きることに希望と誇りをもち続けた日本一のアマチュア写真家、井上孝治。父から聾学校の卒業祝いにカメラを贈られると、一気に才能を開花させ、人、街、生活のスナップショットを撮り続けた。百貨店の広告に起用された写真は、誰もがもつ「あの頃」の記憶を蘇らせ、大反響を呼ぶ。その反響は海を越え、世界で最も伝統のあるアルル国際写真フェスティバルに招待される――。異色のろうあ写真家の生涯を追う!解説・大竹昭子

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

もくじ

序 章 蘇った写真
信じられない幸運
ちぐはぐな会話

第一章 四冊の古いアルバム
誕生、そして事故
盲唖学校入学
ヘレン・ケラーとの邂逅

第二章 写真との出会い
父から贈られた卒業祝いの二眼レフ
コンテスト初入選
戦時下の結婚生活と撮影奉仕
玉音放送の聴こえない終戦

第三章 井上カメラ店開業
「キャンプ博多」PX写真部勤務
妻任せのカメラ店経営
父親失格

第四章 「決定的瞬間」を撮る
“心の師”木村伊兵衛と田中雅夫
コンテスト荒らし
リアリズム写真への取り組み
多弁な表現者

第五章 米軍基地の友人
アメリカ人と撮影会へ
三十年後の再会
もう一人のアメリカの友人

第六章 返還前の沖縄への旅
「パスポート」を携え沖縄へ
「イチャリバ・チョーデー」の精神
沖縄のろうあ者との精力的な交流
周縁に置かれた者の共感

第七章 ろうあ運動のリーダーとして
二つの組織の会長を兼任
五十三歳、運転免許取得!
健聴者との「壁」を乗り越えて

第八章 全国のろうあ写真家を一つに
全日本ろうあ写真連盟創立
プロが見た「ろうあ写真コンテスト」
リーダーシップを失って……
障害者初の全日写連委員に就任

第九章 『想い出の街』
井上カメラ店閉店
岩田屋のキャンペーン
「あの巡査は私です」

第十章 三十二年目の沖縄再訪
「ヤマトンチュが見た三十年前の沖縄」
二冊目の写真集『あの頃』

第十一章 アルル国際写真フェスティバル
「パリ写真月間」に出品
主を失ったアルルからの招待状
アルル名誉市民に
「私を見てください、私もあなたを見ます」

あとがき
文庫版あとがき

「過去」が「未来」を連れて来る   大竹昭子
取材協力者・団体/参考文献

「音のない記憶 ろうあの写真家 井上孝治」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 田口ランディさんの本から。たまたま沖縄に住む友人が来ていたのでポツポツ話しつつ。何かを持たないからこそ、何かがより発達している人が生み出す、不思議な視点。そして、簡潔化された思考。生み出すことに優れて 田口ランディさんの本から。たまたま沖縄に住む友人が来ていたのでポツポツ話しつつ。何かを持たないからこそ、何かがより発達している人が生み出す、不思議な視点。そして、簡潔化された思考。生み出すことに優れていても、それを説明することができなければ、価値は半減ーそれ以下になってしまうこともある。かといって政治家のように雄弁なら良いというわけでもない。もどかしい創造の世界と、ある一人の写真家を等身大で語る努力をした著者の努力に思いを馳せつつ読んだ。 …続きを読む
    たまきら
    2017年10月02日
    20人がナイス!しています
  • 完璧な人間はいない。誰かが誰かの何かが足りていない、とか指摘するのはナンセンス。ただ当事者が不便や不都合を感じるか。ことの大小は当人しかわからない。障がいを特別視することはないのだと思っていても人間は 完璧な人間はいない。誰かが誰かの何かが足りていない、とか指摘するのはナンセンス。ただ当事者が不便や不都合を感じるか。ことの大小は当人しかわからない。障がいを特別視することはないのだと思っていても人間は自身でより高みに臨もうとする。それは苦しみを感じて生きてきた人はなおいっそうであろう。ただただこの人の写真が好きだ!しっかり聞いて・見て・話して・味わって・・でないと生きた意味がないじゃん! …続きを読む
    気が向いたらかじかじ
    2011年01月05日
    7人がナイス!しています
  • ★5 人を撮るモノクロの天才!キャパ 木村名人を目指す。1919生福岡のボンボン。3歳のとき自宅の階段から落ちて、聴覚と言葉を失いながら、ハンディキャップを乗り越え、プロを超えたアマチュア写真家となった、井 ★5 人を撮るモノクロの天才!キャパ 木村名人を目指す。1919生福岡のボンボン。3歳のとき自宅の階段から落ちて、聴覚と言葉を失いながら、ハンディキャップを乗り越え、プロを超えたアマチュア写真家となった、井上孝治。生きることに誇りと希望を持ち続けた障害者の一生を克明に浮かび上がらせる。当時の旧法では障害者は厳しい差別にさらされていた。例…民法11条では「心神耗弱者、聾者、唖者、盲者及び浪費者は準禁治産者として之に保佐人を附することを得」となり聴覚障害者という理由だけで銀行から融資は×親の財産も相続×だった …続きを読む
    メルセ・ひすい
    2014年04月26日
    5人がナイス!しています

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