• 水面にまるく、月が浮かぶ。紅く長く尾を引いて、金魚が揺れる。たまゆら近づいた二つを二つとも手に入れたくて、そっと手を差し入れる。掌で掬った月と魚は果して同じ世界に生きてると言えるのだろうか。手を差し入 水面にまるく、月が浮かぶ。紅く長く尾を引いて、金魚が揺れる。たまゆら近づいた二つを二つとも手に入れたくて、そっと手を差し入れる。掌で掬った月と魚は果して同じ世界に生きてると言えるのだろうか。手を差し入れて水面を乱した事でたまさかの邂逅は幻と消えてしまうのではないだろうか。置いておく、そっとしておく事で保たれる美しさがある。鏡に映った花へと手を伸ばしても、硬い鉱物に手が触れるだけ。だけど貴方が彼を望むのなら。そっと手を揺り動かして。手元に一輪、花が咲いている事に気づくだろう。共に生きている、世界があるのだと …続きを読む
  ひめありす＠灯れ松明の火

  2013年12月29日
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• 読破。読メで読まれている方が多い作品だったので…。最初のウチは、なんとなく、かつての文豪を彷彿とさせる、斜陽的耽美的「腐女子」的小説なのかと、恐れおののきつつ頁をめくっていましたが──実に、斜陽的耽美的 読破。読メで読まれている方が多い作品だったので…。最初のウチは、なんとなく、かつての文豪を彷彿とさせる、斜陽的耽美的「腐女子」的小説なのかと、恐れおののきつつ頁をめくっていましたが──実に、斜陽的耽美的でありながら──、古書に魅入られた親子、そしてその二人を、天性の審美眼故に引き裂いてしまったがために、それぞれが心に負った深い傷──それと、それぞれが折り合いをつけながら生き行く、そんな姿を著した、BL風味な作品です＾＾腐女子的場面は、ないんですが…、しかしこれは、やはりBL風味なんだろうな…。 …続きを読む
  七色一味

  2012年01月13日
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• 静謐な雰囲気の作品でした。古本屋の店主の青年と、その友人との目線で物語が進んでいきました。古本を扱っているせいか、何処かか和な空気が漂っていました。 静謐な雰囲気の作品でした。古本屋の店主の青年と、その友人との目線で物語が進んでいきました。古本を扱っているせいか、何処かか和な空気が漂っていました。
  そのぼん

  2012年10月19日
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