• 柴田哲孝は初読。文体の感じは、しいていえば馳星周に似ているか。全体にハードボイルドなタッチで描かれているが、感性は時としてしめやかである。小説世界のスケールは大きい。日本、北朝鮮、中国、アメリカそれぞ 柴田哲孝は初読。文体の感じは、しいていえば馳星周に似ているか。全体にハードボイルドなタッチで描かれているが、感性は時としてしめやかである。小説世界のスケールは大きい。日本、北朝鮮、中国、アメリカそれぞれの諜報員が跳梁跋扈する謀略戦を描く。主人公の蛟竜と純子はなかなかに魅力的だ。敵役はそれぞれに凄みがあるし、中国政治の重鎮たちもまた別の意味で強い存在感を示す。しかも、主人公たち以外の人物たち（オバマや金正恩、習近平等）はすべて実名で登場する。彼らが画策する世界情勢の動きと、その背後の思惑もまた説得力がある。 …続きを読む
  ヴェネツィア

  2023年04月17日
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• 北朝鮮から流失したある機密情報。持ち出したのはキプム組(喜び組)の脱北者崔純子と工作員蛟竜。二人を追う北の国家安全保衛部と中国の国家安全部。それぞれの思惑で取り巻くＣＩＡ、ＫＣＩＡら各国のインテリジェン 北朝鮮から流失したある機密情報。持ち出したのはキプム組(喜び組)の脱北者崔純子と工作員蛟竜。二人を追う北の国家安全保衛部と中国の国家安全部。それぞれの思惑で取り巻くＣＩＡ、ＫＣＩＡら各国のインテリジェンス組織。国境を目指す果てしない二人の逃避行が続く。２０１０年から２０１２年にかけて実際にあった北と中国を巡る東アジアの動向をベースに描かれている。各国要人が実名で登場し現実に起こった出来事の隙間をフィクションで繋いでる感じがとてもリアル。国際政治の舞台裏で実際に繰り広げらているような感覚に陥りました。 …続きを読む
  p.ntsk

  2018年11月11日
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• 文字通り圧巻の760頁である。脱北した北朝鮮工作員崔純子を日本工作員咬竜が保護し脱出を図るというサスペンスなのだが、柴田哲孝の凄いところは、現在進行形の現代史の中でこれを語るところだ。北朝鮮の金正日・金 文字通り圧巻の760頁である。脱北した北朝鮮工作員崔純子を日本工作員咬竜が保護し脱出を図るというサスペンスなのだが、柴田哲孝の凄いところは、現在進行形の現代史の中でこれを語るところだ。北朝鮮の金正日・金正恩、オバマ、プーチン、胡錦涛に習近平など、世界政治面に毎日のように登場する「時の人」が脇役たちである。紙面の裏側で繰り広げられているだろう「権力闘争」を見事に描くのだ。圧巻である。 …続きを読む
  shiozy

  2016年11月13日
  34人がナイス！しています

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