心ヲナクセ体ヲ残セ

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2008年09月25日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
352
ISBN:
9784043851027
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心ヲナクセ体ヲ残セ

  • 著者 加藤 幸子
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2008年09月25日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
352
ISBN:
9784043851027

梨木香歩さん、絶賛! 信じられない、こんな文章が可能だなんて。

殻を破って出なさいとの声に導かれて羽ばたいた私。その日から渡り鳥として遺伝子ジーンと共に南へ南へと飛行した。鳥の生態の専門家でもある著者が、人間どもを含む生き物の有りようを活写したユニークな名作集。 殻を破って出なさいとの声に導かれて羽ばたいた私。その日から渡り鳥として遺伝子ジーンと共に南へ南へと飛行した。鳥の生態の専門家でもある著者が、人間どもを含む生き物の有りようを活写したユニークな名作集。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

「心ヲナクセ体ヲ残セ」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • タイトルからは想像がつかないのだが、表紙にヒントがあるように、これは「鳥語り」の短篇集。そう。文字通りに鳥が語るという珍しいスタイルだ。冒頭の「火の恋」は私には鳥種が同定できず。解説の梨木香歩さんによ タイトルからは想像がつかないのだが、表紙にヒントがあるように、これは「鳥語り」の短篇集。そう。文字通りに鳥が語るという珍しいスタイルだ。冒頭の「火の恋」は私には鳥種が同定できず。解説の梨木香歩さんによればアカショウビンらしい。「アズマヤの情事」のニワシドリはわかったが、「ジーンとともに」は、全く見当もつかなかった。いずれの作品も、鳥の内質からの声を聞かせてくれる。渡りの感覚などの捉え方はまさに真に迫る。これまでに芥川賞作の「夢の壁」しか読んだことがなかったが、本書のスタイルこそがこの作家の本領かと思う。 …続きを読む
    ヴェネツィア
    2017年01月22日
    303人がナイス!しています
  • 鳥テーマの短編集だが、これが尋常ではない。鳥が登場するだけでなく、また鳥に仮託して人間を描く(擬人化)わけでもなく、鳥の立場で鳥の世界が描かれ る。幻の鳥ニジトリの雌が卵の殻を破ってから「渡り」をして 鳥テーマの短編集だが、これが尋常ではない。鳥が登場するだけでなく、また鳥に仮託して人間を描く(擬人化)わけでもなく、鳥の立場で鳥の世界が描かれ る。幻の鳥ニジトリの雌が卵の殻を破ってから「渡り」をして繁殖地で雄と交尾をして卵を産み落とすまでの一生「ジーンとともに」や、一生終える間際の老雀の回想「雀遺文」が、鳥の生態や生理や本能(遺伝子=ジーン)に即して鳥視点で徹底して描かれる。自分が鳥になったみたいになる。そして、鳥の目から見た人間社会がいかに卑小なこと!人間が、生き物の一部に過ぎない事を知らしめるのだ。 …続きを読む
    翔亀
    2015年03月02日
    54人がナイス!しています
  • 鳥がその視野にみる世界には名前など存在しない。そんな非言語の情景を、"二本足"のいきものが言語化しようと試みた。その作業は困難だったろう。なにせ、名前という意識のパッケージを逐次解体し、名前が指すそのも 鳥がその視野にみる世界には名前など存在しない。そんな非言語の情景を、"二本足"のいきものが言語化しようと試みた。その作業は困難だったろう。なにせ、名前という意識のパッケージを逐次解体し、名前が指すそのもののすがたを濾過して、ふたたび言語との釣り合いをとりながら再構築しないといけない。なんにせよ結果この"二本足"が作り上げたのは、華美な比喩で飾り立てられた幻想でも、見たままを画素の連なりに押し込めただけの写真でもなく、奥行きを持ったひとつの世界だと思う。そこには単に論理整合をとったのとは別種の現実感がある。 …続きを読む
    田氏
    2017年12月19日
    8人がナイス!しています

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