池辺の棲家

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2007年09月22日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
208
ISBN:
9784043851010
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池辺の棲家

  • 著者 加藤 幸子
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2007年09月22日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
208
ISBN:
9784043851010

腐葉土に埋もれて死んでみたい。池辺に暮らす女の幸せ。

渡り鳥が飛び交う池辺に一人暮らす千亜子はヒューマンで偽善的な夫や娘や友よりもカラスと心が通じている。自然の中で生き抜こうとする黄昏の日々の美しい残酷さをラジカルに静かに描いた傑作小説。 渡り鳥が飛び交う池辺に一人暮らす千亜子はヒューマンで偽善的な夫や娘や友よりもカラスと心が通じている。自然の中で生き抜こうとする黄昏の日々の美しい残酷さをラジカルに静かに描いた傑作小説。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

「池辺の棲家」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 芥川賞作家加藤幸子さんの2003年の作品。あまり話題にならなかったようだけどこれは傑作だと思う。池のほとりに住む初老の女性の翻訳家が主人公。自然と同化してゆったりと生きる主人公の生き方が魅力的。自分の枠の 芥川賞作家加藤幸子さんの2003年の作品。あまり話題にならなかったようだけどこれは傑作だと思う。池のほとりに住む初老の女性の翻訳家が主人公。自然と同化してゆったりと生きる主人公の生き方が魅力的。自分の枠の外に出て猫やカラスと彼女が会話する場面はユーモラス。とは言っても非現実的な物語ではなく、夫の母の介護の問題などもしっかり書き込まれている。最後の場面で描かれる癒しは感動的。ここで描かれているように自然には人のこころの傷を癒す力があると思う。人も動物も草木もみんな同じ地平に立っているのだから。 …続きを読む
    新地学@児童書病発動中
    2013年11月03日
    76人がナイス!しています
  • これは驚き。芥川賞作家だが1983年受賞と古く、寡作の為か知らなかったが、鳥つながりで巡り合った幸運に感謝したい。私の目下の関心事である鳥が31種類も出てきて大満足なのだが、文学として鳥抜きで感動的なのだ。 これは驚き。芥川賞作家だが1983年受賞と古く、寡作の為か知らなかったが、鳥つながりで巡り合った幸運に感謝したい。私の目下の関心事である鳥が31種類も出てきて大満足なのだが、文学として鳥抜きで感動的なのだ。本作は2003年、作家67歳の作で、主人公は作家の分身と思しい。都心の池の辺の古い家での老後(といっても精神は若々しい)の生活。夫が実母の介護で家を空け、独居の静謐な生活の四季が描かれる。自然に囲まれた晴耕雨読の生活みたいだが、自然の描かれ方が決定的に違っていて、文字通り世界を見る眼が一変する。 …続きを読む
    翔亀
    2015年02月27日
    45人がナイス!しています
  • 加藤幸子、恐るべし。夫が母の介護をするため別居をすることになった女性の日常が描かれる作品なのだが、世界の見え方、描き方が尋常じゃない。クロウと呼ばれる鴉との交流(会話もする)が挟まれることも独特だが、 加藤幸子、恐るべし。夫が母の介護をするため別居をすることになった女性の日常が描かれる作品なのだが、世界の見え方、描き方が尋常じゃない。クロウと呼ばれる鴉との交流(会話もする)が挟まれることも独特だが、作品全体の時間の感覚や、人の生と死に関する感覚が、なんというか違うのだ。小説作品なのだけれどストーリーではなく詩的言語を味わうような、最終章である「月下走馬灯」では語り手の脳内の時間旅行を追体験させられるような、そんな読書経験でした。凄い! と思うのだがその凄さが言語化できないので気になったら読んでください。 …続きを読む
    ハチアカデミー
    2015年08月12日
    13人がナイス!しています

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