老神介護

老神介護

  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2022年09月07日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
296
ISBN:
9784041125786

老神介護

  • 著者 劉 慈欣
  • 訳者 大森 望
  • 訳者 古市 雅子
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2022年09月07日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
296
ISBN:
9784041125786

『三体』の劉慈欣、中国で100万部突破のSF短編集!

●突如現れた宇宙船から、次々地球に降り立った神は、みすぼらしい姿でこう言った。「わしらは神じゃ。この世界を創造した労に報いると思って、食べものを少し分けてくれんかの」。神文明は老年期に入り、宇宙船の生態環境は著しく悪化。神は地球で暮らすことを望んでいた。国連事務総長はこの老神たちを扶養するのは人類の責任だと認め、二十億柱の神は、十五億の家庭に受け入れられることに。しかし、ほどなく両者の蜜月は終わりを告げた――。「老神介護」
●神文明が去って3年。地球で、もっとも裕福な13人がプロの殺し屋を雇ってまで殺したいのは、もっとも貧しい3人だった。社会的資産液化委員会から人類文明救済を依頼された殺し屋は、兄文明からやってきた男から、別の地球で起こった驚愕の事態を訊かされる。「扶養人類」
●蟻と恐竜、二つの世界の共存関係は2000年以上続いてきた。恐竜世界の複雑なシステムは、蟻連邦によって支えられていたが、蟻世界は恐竜世界に核兵器廃棄を要求、拒絶されるとすべての蟻はストライキに突入した。「白亜紀往事」
●僕が休暇を取る条件は、眼を連れていくことだと主任は言った。デイスプレイに映る眼の主は、若い女の子。ステーションにいる彼女の眼を連れて、僕は草原に旅行に出かけた。宇宙で働く人は、もうひと組の眼を地球に残し、地球で本物の休暇を過ごす人を通して仮想体験ができるのだ。「彼女の眼を連れて」
●74年の人工冬眠から目覚めた時、地球環境は一変していた。資源の枯渇がもたらす経済的衰退を逃れようと、「南極裏庭化構想」が立案され実行された結果、深刻な事態が起こっていたのだ。「地球大砲」

●突如現れた宇宙船から、次々地球に降り立った神は、みすぼらしい姿でこう言った。「わしらは神じゃ。この世界を創造した労に報いると思って、食べものを少し分けてくれんかの」。神文明は老年期に入り、宇宙船の生態環境は著しく悪化。神は地球で暮らすことを望んでいた。国連事務総長はこの老神たちを扶養するのは人類の責任だと認め、二十億柱の神は、十五億の家庭に受け入れられることに。しかし、ほどなく両者の蜜月は終わりを告げた――。「老神介護」
●神文明が去って3年。地球で、もっとも裕福な13人がプロの殺し屋を雇ってまで殺したいのは、もっとも貧しい3人だった。社会的資産液化委員会から人類文明救済を依頼された殺し屋は、兄文明からやってきた男から、別の地球で起こった驚愕の事態を訊かされる。「扶養人類」
●蟻と恐竜、二つの世界の共存関係は2000年以上続いてきた。恐竜世界の複雑なシステムは、蟻連邦によって支えられていたが、蟻世界は恐竜世界に核兵器廃棄を要求、拒絶されるとすべての蟻はストライキに突入した。「白亜紀往事」
●僕が休暇を取る条件は、眼を連れていくことだと主任は言った。デイスプレイに映る眼の主は、若い女の子。ステーションにいる彼女の眼を連れて、僕は草原に旅行に出かけた。宇宙で働く人は、もうひと組の眼を地球に残し、地球で本物の休暇を過ごす人を通して仮想体験ができるのだ。「彼女の眼を連れて」
●74年の人工冬眠から目覚めた時、地球環境は一変していた。資源の枯渇がもたらす経済的衰退を逃れようと、「南極裏庭化構想」が立案され実行された結果、深刻な事態が起こっていたのだ。「地球大砲」

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

もくじ

老神介護
扶養人類
白亜紀往事
彼女の眼を連れて
地球大砲
訳者あとがき 古市雅子

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「老神介護」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 劉慈欣は信じられないほど多くの引き出しを持っている。ひとりで筒井康隆や小松左京、藤子・F・不二雄やブラウンらの得意な分野を自在に書き分け、しかも読者をうならせる出来栄えなのだから。SFテイストたっぷり 劉慈欣は信じられないほど多くの引き出しを持っている。ひとりで筒井康隆や小松左京、藤子・F・不二雄やブラウンらの得意な分野を自在に書き分け、しかも読者をうならせる出来栄えなのだから。SFテイストたっぷりのトンデモ設定からナンセンスやシリアスな、あるいは「すこしふしぎ」なドラマに発展し、最後は人類の未来を考えさせる文明論的展開に至る。あまりにも壮大な『三体』ではストーリーが錯綜して理解不能になることもあったが、短くスリリングに進む短篇だからこその迫力と魅力あふれる話になる。今後も優れた作品の誕生を予感させる。 …続きを読む
    パトラッシュ
    2022年10月10日
    192人がナイス!しています
  • 5話の短編。いくつか『三体』に通じるアイデアも見られる。各話は他の話とわずかにクロスオーバーしている。表題作が秀逸で、食べ物を恵んでくれと地球に押し寄せる老いた宇宙人の姿が来るべき未来を予感させる。宇 5話の短編。いくつか『三体』に通じるアイデアも見られる。各話は他の話とわずかにクロスオーバーしている。表題作が秀逸で、食べ物を恵んでくれと地球に押し寄せる老いた宇宙人の姿が来るべき未来を予感させる。宇宙人のユーモラスな描写、人間の醜さも良く描けているが温かみも感じさせる。そういえば中国は日本以上に少子高齢化が懸念されている。『扶養人類』は富の配分の難しさを語る面白い作品だが、ちょっと説教臭くなった。蟻と恐竜の奇妙な共生社会を描いた『白亜紀…』も良かった。谷川流のようでもあり筒井康隆のようでもある異才。 …続きを読む
    absinthe
    2022年12月15日
    156人がナイス!しています
  • 「わしらは神じゃ~食べものを少し分けてくれんかのう」始まりから思わず笑ってしまう表題作。遥か昔に成熟、老成した文明が自分達を「介護」させる為に新たに生命、文明を造り出す、とかそんな設定をよく思いつくも 「わしらは神じゃ~食べものを少し分けてくれんかのう」始まりから思わず笑ってしまう表題作。遥か昔に成熟、老成した文明が自分達を「介護」させる為に新たに生命、文明を造り出す、とかそんな設定をよく思いつくものだ。SFと言えば宇宙、のイメージを逆手に取る後半の2つの話もすごい。その想像力と創造力に驚きながら、平易な文章で現在のこの惑星の抱える様々な問題に警鐘を鳴らす。やっぱりすごい作家だ。積んである『三体』第2、3部も早く読まなくては。とりあえず同時刊行の『流浪地球』に進む。 …続きを読む
    みっちゃん
    2022年11月28日
    154人がナイス!しています

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