マガイの子

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2018年11月22日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
336
ISBN:
9784041074398
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マガイの子

  • 著者 名梁 和泉
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2018年11月22日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
336
ISBN:
9784041074398

僕の姉は「取り替えられた」魔物なのか? 「マガイ」のおぞましい真実とは

「ナバリ・イズミ神話大系」とも呼ぶべき独自の、魅力的な宇宙観。その新たな切り口から噴出する、新たな謎〈ミステリー〉と恐怖〈ホラー〉に戦慄せよ。
   ――綾辻行人


僕の姉は「取り替えられた」魔物なのか? 「マガイ」のおぞましい真実とは

 「山に棲む『紛(まがい)』という魔性の獣が里の子供を攫って喰らい、己の子とすりかえる」「『紛』の子は見かけは人間だが、長ずるに従って徐々に獣の本性を表し、里に災いをもたらす」
 現代社会では迷信扱いされる民話だが、鞍臥の人たちは今でも、心のどこかで信じている。なぜなら、あたしがその「マガイの子」だからだ――。

 いまは東京で美大生をしている坂見風哩は、8年前に「お山」で従兄が惨殺された現場に立ち会っていた。従兄の死体は獣に食われたようだったが、風哩には事件時の記憶がない。腫物のように扱われる田舎を出たものの、不穏な出来事が周りで続いている。セクハラ教授とのトラブルで訪れた風変わりなスクールカウンセラーとの話で、夢に見る「マガイ」のことをついしゃべってしまい……。
 一方、まだ鞍臥に住んでいる高校生の弟・怜治は、8年前に姉を助けてくれた円藤老人が、砂原という謎の研究者と最近共にいるのが気になっている。砂原ら「聖泉協会」の人間は「お山」の「磨崖仏」を調べているというのだが……。


文庫版カバーイラスト=松浦だるま (『累 -かさね-』)

解説=朝宮運河
「ナバリ・イズミ神話大系」とも呼ぶべき独自の、魅力的な宇宙観。その新たな切り口から噴出する、新たな謎〈ミステリー〉と恐怖〈ホラー〉に戦慄せよ。
   ――綾辻行人


僕の姉は「取り替えられた」魔物なのか? 「マガイ」のおぞましい真実とは

 「山に棲む『紛(まがい)』という魔性の獣が里の子供を攫って喰らい、己の子とすりかえる」「『紛』の子は見かけは人間だが、長ずるに従って徐々に獣の本性を表し、里に災いをもたらす」
 現代社会では迷信扱いされる民話だが、鞍臥の人たちは今でも、心のどこかで信じている。なぜなら、あたしがその「マガイの子」だからだ――。

 いまは東京で美大生をしている坂見風哩は、8年前に「お山」で従兄が惨殺された現場に立ち会っていた。従兄の死体は獣に食われたようだったが、風哩には事件時の記憶がない。腫物のように扱われる田舎を出たものの、不穏な出来事が周りで続いている。セクハラ教授とのトラブルで訪れた風変わりなスクールカウンセラーとの話で、夢に見る「マガイ」のことをついしゃべってしまい……。
 一方、まだ鞍臥に住んでいる高校生の弟・怜治は、8年前に姉を助けてくれた円藤老人が、砂原という謎の研究者と最近共にいるのが気になっている。砂原ら「聖泉協会」の人間は「お山」の「磨崖仏」を調べているというのだが……。


文庫版カバーイラスト=松浦だるま (『累 -かさね-』)

解説=朝宮運河

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

「マガイの子」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 古くはマッケン『パンの大神』から映画の『ゼイリブ』近くは恩田陸の某作まで、異界からの来訪者やチェンジリングを扱った作品は数多いが本作もそれに連なる一冊。こうも小説のモチーフにされているのは、異界に通じ 古くはマッケン『パンの大神』から映画の『ゼイリブ』近くは恩田陸の某作まで、異界からの来訪者やチェンジリングを扱った作品は数多いが本作もそれに連なる一冊。こうも小説のモチーフにされているのは、異界に通じるものは恐ろしくも蠱惑的という事だろうかなあ。それにしてもこの題材、古くは異界から訪れるだけの単純な形が多いけど、本作も恩田陸もこういう形になっているという事はやっぱり近代のアイデンティティ等が影響を与えているのかなあ。ラストはちょっと駆け足のような気がしたが、久々にこの魅力的な題材を楽しむことが出来ました。 …続きを読む
    HANA
    2019年01月08日
    65人がナイス!しています
  • 山で神隠しにあった子供は魔性のケモノに喰われ、その子供に瓜二つなケモノを産み落とす。何食わぬ顔で生還した子供は「マガイの子」と呼ばれじきに本性をあらわす。うん、なんて魅力的な設定なんだ! マガイの子の 山で神隠しにあった子供は魔性のケモノに喰われ、その子供に瓜二つなケモノを産み落とす。何食わぬ顔で生還した子供は「マガイの子」と呼ばれじきに本性をあらわす。うん、なんて魅力的な設定なんだ! マガイの子の周りで不審な死が相次ぎ、ミステリーのようなダークファンタジーのような世界が広がってゆく。ほんとうに忌むべきなのはケモノか人間か。うん、面白かった~!! …続きを読む
    らすかる
    2020年06月03日
    39人がナイス!しています
  • 序盤、文体が合わずちょっと苦戦したが、スルスルと読了。セクハラ芸術家が退場した辺りから読み易くなったかな(笑)主人公の強気/弱気の変転が掴み難く、でもまぁそれがリアリズムなのかも。異界から来たバケモノな 序盤、文体が合わずちょっと苦戦したが、スルスルと読了。セクハラ芸術家が退場した辺りから読み易くなったかな(笑)主人公の強気/弱気の変転が掴み難く、でもまぁそれがリアリズムなのかも。異界から来たバケモノな訳がないと信じている主人公が、事態を受け入れていく過程が、苛烈な周囲の目により加速されていく様が悲しいね。そしてマガイの子たちがたくさんやって来る時代になってしまった哀しさ。 …続きを読む
    眠る山猫屋
    2019年04月09日
    39人がナイス!しています

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