文学とは何か

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2014年07月25日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
208
ISBN:
9784044094683
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文学とは何か

  • 著者 加藤 周一
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2014年07月25日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
208
ISBN:
9784044094683

主著『日本文学史序説』の萌芽となる、西欧的視野に立つ日本文化論。

「もしわれわれが自己の内部へ深く降りてゆくことによって、人間的なものを探りあてれば、普遍的な文学をつくることができるはずです」――文学とは何かという問いに、若き著者が果敢に挑んだ日本文化論。該博な知識を駆使し、古代と現代を縦横に行き来する思考法によって、詩と散文のちがい、小説家の意識、日本と西欧における美の本質にまで思索を広げる。後年の大著『日本文学史序説』へ続く初期著作。解説・池澤夏樹 「もしわれわれが自己の内部へ深く降りてゆくことによって、人間的なものを探りあてれば、普遍的な文学をつくることができるはずです」――文学とは何かという問いに、若き著者が果敢に挑んだ日本文化論。該博な知識を駆使し、古代と現代を縦横に行き来する思考法によって、詩と散文のちがい、小説家の意識、日本と西欧における美の本質にまで思索を広げる。後年の大著『日本文学史序説』へ続く初期著作。解説・池澤夏樹

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

もくじ

新版の序

文学とは何であるか
一 客観的な方法
文学と非文学
文芸学の根拠
時代と史家による評価のちがい
二 作家の体験
文学とは作家の体験を語るもの
科学的体験
文学的体験
体験の文学的価値
文学と人生
三 言葉による表現
文学的表現の素材
言葉の意味と響き
詩と散文のちがい
言葉の意味と散文の世界
四 文学の前提
特殊と普遍
世界と人間
美とは何か、人間とは何か

何が美しいかということ
一 美の感じ方のちがい
人と時と場所によるちがい
美の発見者
不易な美
美学と美術史
二 日本的な美しさ
東京と京都
日本の庭
自然の調和
幾何学的構造
時間的な要素
季節の変化
西洋の庭
閉ざされた世界
庭と建物
象徴主義
視線の方向
三 現代風俗
ブギウギについて
自由な精神
何が美しいかということ

何が人間的であるかということ
一 人間的ということ
引揚者について
人情と人間的
人情と友愛
二 文化と文明
文化とは何か
文明とは何か
三 人間の自由
医者と看護婦
「人間として未完成な人たち」
人間の自由について

詩について
一 純粋詩について
辞書にはどう規定しているか
詩と散文とのちがい
純粋詩
象徴主義
詩をめぐるドガとマラルメの問答
二 日本の純粋詩
短詩型文学
藤原定家の自覚
新古今以後
言葉の秩序の獲得
物語の世界
人生の表現
三 中世の詩精神
言葉の抵抗
詩人の態度
時代を越えるもの

散文について
一 西洋文学の文体
散文とは何か
個性と文体
北欧的散文
ラテン的散文の二要素
フロベールの文体
二 日本の散文
明治以前の文体
日本語の構造
西洋の影響
近代作家の文体

小説家の意識について
一 日本文学の限界について
近代社会と文学
人間の孤独
フロベールとリルケ
二 広場の意識と孤独の意識
ロマン派の孤独
近代的自我の解放
日本の場合
日本家屋と家族生活
三 文学における社会的意識
社会的意識
市民社会の危機
小説の技術
四 歴史的後進性と文学
文化伝統と後進性
日本近代文学の社会逃避
漱石と鑑三
近代文学の可能性

文学とは何であったか
一 いかに文学史はあるべきか
文学史の方法
日本文学史の特殊性
近代文学史のありかた
近代文学の基盤
二 西洋の近代文学
ギリシア古典劇──神と英雄
フランス古典劇──人間と人間
近代文学の展開
文学の散文化
文学の告白化
スタンダールとバルザック
市民の文学
近代思想の批判者
三 日本の近代文学
日本近代文学の不幸
私小説の成立
鴎外の限界
漱石と西洋

文学の概念についての仮説

解説   池澤夏樹

「文学とは何か」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • ペダンティックで、西洋の文学に通じていないとおよそ理解できない部分が多い。近代以前・以降という分類をしていること、日本のこれまでの文学が未成熟だと思っていらっしゃることはわかった。 ペダンティックで、西洋の文学に通じていないとおよそ理解できない部分が多い。近代以前・以降という分類をしていること、日本のこれまでの文学が未成熟だと思っていらっしゃることはわかった。
    佐島楓
    2015年06月14日
    36人がナイス!しています
  • 文学とは何かを考えるにあたって加藤周一は、美しさとは何か、自由とは何か、文体について(詩と散文の違い)、文学史を規定するものについて考察を進めていく(この問題意識が後期の大作『日本文学史序説』に引き継 文学とは何かを考えるにあたって加藤周一は、美しさとは何か、自由とは何か、文体について(詩と散文の違い)、文学史を規定するものについて考察を進めていく(この問題意識が後期の大作『日本文学史序説』に引き継がれていったのだろう)。古代ギリシアでは神と人間の距離感で文学が描かれ、それがルソーの時代になって個人が誕生――即ち「貴方」と「私」の距離感での文学―ーし、現代にいたっては個人の「絶対的孤独」に文学の可能性があるのではないかと指摘する。1950年発刊、当時31歳の著者のあまりにも鋭く的確な予言に言葉を失う。 …続きを読む
    とんこつ
    2016年09月22日
    8人がナイス!しています
  • 自分の知識が足らなすぎて理解できないという問題はおいておいて、文章は若書きという印象がある(先入観のせい?)。そこから『日本文学史序説』に至るには何らかの飛躍が必要だと思うのだが、何だろう?海外での教 自分の知識が足らなすぎて理解できないという問題はおいておいて、文章は若書きという印象がある(先入観のせい?)。そこから『日本文学史序説』に至るには何らかの飛躍が必要だと思うのだが、何だろう?海外での教師の経験だろうか?ちなみに、本書であった極端な事象を両端において(たとえば純粋詩と散文)、その間の程度の問題で議論する思考は、(グラフで考えるような)科学の訓練を受けた人の思考法だと思う。 …続きを読む
    K.iz
    2015年07月15日
    7人がナイス!しています

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