• 詩人、長田弘の愛猫記。回想エッセイ風だが、しいて分類すればやはり小説だろうか。猫嫌いではないまでも、まるで猫には無関心だった詩人が、恋した人が猫好きだったために、いつの間にか自分も、といった物語。彼ら 詩人、長田弘の愛猫記。回想エッセイ風だが、しいて分類すればやはり小説だろうか。猫嫌いではないまでも、まるで猫には無関心だった詩人が、恋した人が猫好きだったために、いつの間にか自分も、といった物語。彼ら夫婦のあまり豊かではなかった新婚時代のチイに始まり、その後も２代目チイ、クマ、ジジと４匹の猫との暮らし、そして喪失が語られる。猫を飼うということは「ねこがいなくなる覚悟を」と、なにやら悲壮な決意だが、彼らくらい次々に飼い猫を失えば『ねこに未来はない』のも無理はない。詩人らしい細やかな愛情に溢れた物語だった。 …続きを読む
  ヴェネツィア

  2013年09月15日
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• 猫が苦手な若い詩人は恋に落ちて、若葉の匂いに満ちた4月のある日結婚した。小さなアパートで始まった結婚最初の朝、詩人は新妻に贈る言葉を用意していた。けれど、それは彼女の言葉に遮られた。「何よりもまず、ね 猫が苦手な若い詩人は恋に落ちて、若葉の匂いに満ちた4月のある日結婚した。小さなアパートで始まった結婚最初の朝、詩人は新妻に贈る言葉を用意していた。けれど、それは彼女の言葉に遮られた。「何よりもまず、ねこを飼いましょう！」。長田弘さんと奥さまの若き日の結婚生活を綴った物語。新しい家族になった仔猫たち。出ていって戻らなかったり、突然の悲しい別れに見舞われたりする描写には古傷を抉られる気持ちになった。なお、ドキッとするタイトルは「猫の未来が閉ざされている」という意味ではない。作者がほくそ笑む表情が想像できる。 …続きを読む
  Hideto-S@仮想書店 月舟書房

  2016年03月08日
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• 読むのをためらってしまうタイトルですが、長田氏の作品だからきっと大丈夫、と手に取ってみました。１ページ目から猫への愛にあふれていました。物語のようだけど、多分「ぼく」は長田氏。猫は自由に生きているよう 読むのをためらってしまうタイトルですが、長田氏の作品だからきっと大丈夫、と手に取ってみました。１ページ目から猫への愛にあふれていました。物語のようだけど、多分「ぼく」は長田氏。猫は自由に生きているように見えるけど、自由に生きるのはなかなか大変で、厳しいこともたくさん。猫への思いも美しいけど、猫のすべてがわかるわけでもなく哀しいこともたくさん。猫好きとしては共感しすぎて胸が痛くなってしまいました。表題作のほかにいくつかの物語もあって、そちらはユーモアと猫の知恵がつまった童話のようで楽しく読めました。 …続きを読む
  ふう

  2019年06月30日
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