• 既読の忍法帖の中で、もっとも刺さった。原典を揶揄したような、里見家のその後の様子だけでも面白いのに、後継となる息子たちの白けっぷりが、さらに笑える。それをいかにして死闘のただ中に飛び込ませるのか、興味 既読の忍法帖の中で、もっとも刺さった。原典を揶揄したような、里見家のその後の様子だけでも面白いのに、後継となる息子たちの白けっぷりが、さらに笑える。それをいかにして死闘のただ中に飛び込ませるのか、興味津々で読んでいたら、なんと可憐な姫様のため、だけで押し通す力業。この力業が潔い。どら息子たちなので、当然、忍術を極めているはずもなく、奇抜な忍法合戦の趣は薄いが、軽薄な男たちが、姫様のための一念で、躊躇いなく命を捨てる姿は、やはりぐっとくる。多分に戯画的な都合の良さや、軽さも含めて、上手くまとまっている。 …続きを読む
  W-G

  2022年08月17日
  286人がナイス！しています
• 抜群のエンターテイメント性ですね。八犬士VS伊賀くの一8人の対立が読み応えあります。安房里見家に伝わる珠が偽珠に掏り替えられます。里見家取り潰しを目論む策謀に対し、珠奪還に奔走する村雨姫のため、八犬士た 抜群のエンターテイメント性ですね。八犬士VS伊賀くの一8人の対立が読み応えあります。安房里見家に伝わる珠が偽珠に掏り替えられます。里見家取り潰しを目論む策謀に対し、珠奪還に奔走する村雨姫のため、八犬士たちが立ち上がり、巻き起こる闘いに手に汗握らずにはいられません。禍々しさや猥雑さも、最後の美しさが全てを消してしまうのが山田風太郎ならではですね。凄艶絢爛で反道徳的ながら面白い忍法帖でした。 …続きを読む
  優希

  2014年12月07日
  55人がナイス！しています
• 再読。慶長18年、徳川幕府老中の本多佐渡守は安房・里見家の取り潰しを画策。伊賀忍者服部半蔵に命じて、里見家に代々伝わる伏し姫の珠八つを盗ませる。里見家は甲賀で忍術修行中のはずの八犬士に珠の奪還を命じるが 再読。慶長18年、徳川幕府老中の本多佐渡守は安房・里見家の取り潰しを画策。伊賀忍者服部半蔵に命じて、里見家に代々伝わる伏し姫の珠八つを盗ませる。里見家は甲賀で忍術修行中のはずの八犬士に珠の奪還を命じるが、意外や八犬士たちのやる気は薄い。伊賀くノ一VS八犬士という忍法帖シリーズ王道のバトル・ゲームの構成で、突如地面が垂直に、地面に垂直の壁が水平になる、まるで映画『インセプション』の一場面のような忍法「地屏風」など、相変わらず山風先生の発想が楽しい。エロとグロにユーモアが加わった読後感は意外に爽やかでした。 …続きを読む
  タツ　フカガワ

  2024年02月27日
  52人がナイス！しています

powered by