墨東綺譚

墨東綺譚

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2009年03月25日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
192
ISBN:
9784041022108
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墨東綺譚

  • 著者 永井 荷風
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2009年03月25日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
192
ISBN:
9784041022108

恋愛はかくももろく、美しい。江戸をこよなく愛した荷風の最高傑作。

かすかに残る江戸情緒の中、私娼窟が並ぶ向島・玉の井を訪れた小説家の大江はお雪と出会い、逢瀬を重ねる。美しくもはかない愛のかたち。「作後贅言」を併載、詳しい解説と年譜、注釈、挿絵付きの新装改版。 かすかに残る江戸情緒の中、私娼窟が並ぶ向島・玉の井を訪れた小説家の大江はお雪と出会い、逢瀬を重ねる。美しくもはかない愛のかたち。「作後贅言」を併載、詳しい解説と年譜、注釈、挿絵付きの新装改版。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

「墨東綺譚」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 私娼窟で小説家大江(作者の分身)がお雪に会い別れるわずか4ヶ月ほどの物語。挿絵の木村荘八とともに愛情あふれる世界をさらりと描いている。 私娼窟で小説家大江(作者の分身)がお雪に会い別れるわずか4ヶ月ほどの物語。挿絵の木村荘八とともに愛情あふれる世界をさらりと描いている。
    コットン
    2013年01月20日
    47人がナイス!しています
  • 濹東とは隅田川の東側の意。文字どおり、浅草から隅田川を越えて、玉の井(現在の墨田区東向島)に住む娼婦お雪と逢瀬を重ねる物語。舞台が自宅の近所なので興味深く読んだ。主人公の大江がお雪を求めて通った3キロほ 濹東とは隅田川の東側の意。文字どおり、浅草から隅田川を越えて、玉の井(現在の墨田区東向島)に住む娼婦お雪と逢瀬を重ねる物語。舞台が自宅の近所なので興味深く読んだ。主人公の大江がお雪を求めて通った3キロほどの道のり─言問橋、白髭橋を通って隅田川を渡り、水戸街道を北上─は、現在は東京スカイツリーのベストビューポイントである。頭の中で時を80年ばかり遡り、荷風の耽美な筆致で描かれた東京の町並みに思いを馳せた。江戸文化趣味、好色趣味の荷風文学の極北とも言われるだけあって、短いながらも味わい深い一冊。 …続きを読む
    touch.0324
    2014年10月06日
    44人がナイス!しています
  • 荷風の目線はあくまでも市井の人に寄り添い、花柳界の情味と古い懐かしい町並みを郷愁を持って書き連ねる。枯れようとする齢と知己を得た友人を亡くした淋しさ故か、ふとしたきっかけが生まれ、毎夜のようにお雪の元 荷風の目線はあくまでも市井の人に寄り添い、花柳界の情味と古い懐かしい町並みを郷愁を持って書き連ねる。枯れようとする齢と知己を得た友人を亡くした淋しさ故か、ふとしたきっかけが生まれ、毎夜のようにお雪の元に足を運ぶ。繰り返し描かれる溝の臭気と、二人につきまとう蚊の羽音が鼻と耳に残る。自分を愛してくれたお雪への想いは尽きないが、お雪を受け入れる選択肢はない。生まれ育った家柄への反発、隠しきれない育ちの良さと闘う荷風の私小説と感じたところだ。その後の描きかた講習めいた末文は面白いが、私には不要と思えた。 …続きを読む
    mt
    2015年09月06日
    32人がナイス!しています

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