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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2018年10月31日
判型:
四六変形判
商品形態:
単行本
ページ数:
320
ISBN:
9784041072271

  • 著者 辺見 庸
  • 定価: 円(本体円+税)
発売日:
2018年10月31日
判型:
四六変形判
商品形態:
単行本
ページ数:
320
ISBN:
9784041072271

これは〈語られたくない事実〉への小説の挑戦――21世紀文学の新たな刻印

「あなた、ひとですか?」
「ひとのこころ、ありますか?」

ベッド上にひとつの”かたまり”として横たわり続けるきーちゃんと、その思念の涯てなき広がりから、ニッポンに巣くう底知れぬ差別、良識をきどった悪意や”浄化”と排除の衝動を射貫く。
「にんげん」現象の今日的破綻と狂気を正視し、この世に蠢く殺意と愛の相克を活写。実際の障がい者19人殺害事件に想を得た、〈存在と無〉の究極を照らしぬく衝撃の傑作!

もくじ

1 プロローグ 夢/マスカットグリーンの膜/わたしはなぜここに在るのか/絶滅危惧種でもないのに 2 わたしの〈無慾顔貌〉について/わたしはなにか。なにから生まれたか。なんのために。なにをしに生まれてきたか。なぜここにこうして在るのか 3 〈設問〉 ほんとうは正気のにんげんが狂ったふりをするのと、じっさいには狂ったひとが正気のふりをするのと、どちらがむずかしいか? 4 わたしの痛み/脳内のオーロラとスノーノイズ/痛みを消してくれるなら全人類を敵にまわしてもいいとおもうこと 5 赤い服のおんなと小さなひと/〈まさりおとり〉とはなんだろうか/さとくんのただならぬ視線について 6 さとくんの気分/サルスベリのこと/死刑のこと/カフェ「ティシナ」にて/赤いおんなとの奇妙なやりとり 7 赤いおんなの怒り/目のなかの目/その目の奥の夜と靄/どうしようもないビニール紐やイエユウレイグモについて 8 イメージ/ゲンジツ/顔/ことば/殺人/聖性/戯画……について 9 園はひきつづき未然/木造幽霊船にて/在るじゃなくて在られるじゃないのかな/ヘレナモルフォになりたいな 10 さとくんの学習とちょっとした変化/こころざしについて/「ひととして生きている意味」をかんがえること 11 ある暗所にて/円筒形の巨大水槽をかこむ/みんなで〈カタアシヒゲシビレビト〉などをみること/すべて〈のようなもの〉ではないか 12 さとくんの発心〈世の中をよくするために貢献したい〉〈そのためにどうすればいいか……〉 13 あたしの割れと派生/さらされること/弄ふことなど 14 あかぎあかえの登場/モグラ塚/被曝/あらゆる特徴が特徴たりえなくなった時代の道をあるくこと 15 大津波/遁走/カラスの大量死/身ぶり顔つきは、すでにそうされたことの無意識の再演であること/あかぎあかえが赤いおんなと番うまでの話 16 陰ひなたのないさとくんの〈自己犠牲心〉について/紙芝居でがんばる/「食わず女房」に入れこむこと 17 あかぎあかえのとりとめのない回想/さまざまな焼身自殺のこと/ベトナム・大津波・皇居前/みなれたものが「真実」なのであり、みなれぬものは「奇」なのだ 18 無ー所(nowhere)をゆくきーちゃんの意外にすっきりした心象/ムカシトンボ・ミズカマキリ・アサギマダラなどをみること 19 続・きーちゃんのとめどない心象/正気もヘチマもありゃしない/脱走者/森/深海 …・・・・(つづく)


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「月」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 図書館の新刊コーナーで見つけて読みました。久々の辺見 庸、著者は、こんな作品も書くんだというのが第一印象です。相模原市障害者施設19人殺害事件とクロスオーバーしてカオスのような小説でした。 https 図書館の新刊コーナーで見つけて読みました。久々の辺見 庸、著者は、こんな作品も書くんだというのが第一印象です。相模原市障害者施設19人殺害事件とクロスオーバーしてカオスのような小説でした。 https://book.asahi.com/article/11964940 ドッテテドッテテ、ドッテテド。ドッテテドッテテ、ドッテテド。ドッテテドッテテ、ドッテテド。ドッテテドッテテ、ドッテテド。ドッテテドッテテ、ドッテテド。ドッテテドッテテ、ドッテテド。ドッテテドッテテ、ドッテテド。ドッテテドッテテ、ドッテテド。 …続きを読む
    starbro
    2019年01月09日
    171人がナイス!しています
  • ベッドの上の「にくのかたまり」であるきーちゃんの心の声が騙る物語だ。きーちゃんは嗅覚と聴覚で世界を捉え、他者との意思疎通はできない。詩的で哲学的な内面世界を辿っていく作業は、ひらがなの多用が読みにくさ ベッドの上の「にくのかたまり」であるきーちゃんの心の声が騙る物語だ。きーちゃんは嗅覚と聴覚で世界を捉え、他者との意思疎通はできない。詩的で哲学的な内面世界を辿っていく作業は、ひらがなの多用が読みにくさを増しているが、たどたどしい独特のリズムが幻想的な現実世界を描き出す。モチーフの使われ方がダイレクトで、やまゆり園事件が齎した強い衝撃と重い心境が甦った。物語には不可解な事象にカタチを与え腑に落とす力があると思うが、この小説はむしろ「わかったつもりになるな、考え続けよ」とストレートに言っているのだと思う。↓ …続きを読む
    らぱん
    2019年08月17日
    45人がナイス!しています
  • 次々と色を塗り重ねていくような文体、マスカットグリーンの闇にかげろうが何度もよぎる景色、体も表情も動かせないきーちゃんの内的世界が豊かに広がる・・・と油断していた。後半やまゆり苑を想起させる描写に、そ 次々と色を塗り重ねていくような文体、マスカットグリーンの闇にかげろうが何度もよぎる景色、体も表情も動かせないきーちゃんの内的世界が豊かに広がる・・・と油断していた。後半やまゆり苑を想起させる描写に、そっか、だから「さとくん」なのかと思い当たる。見逃したり、流したり、忘れたりしながら、善人らしく日々を過ごしている者へのイタイ問題提起の本だった。マスコミ報道によれば、極悪非道な「さとくん」だが、善人らしく装って暮らしている私たちの隠してきた本音の代弁者だと思い込んでいたとは・・・。 …続きを読む
    yumiha
    2019年06月08日
    40人がナイス!しています

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著者紹介

辺見 庸(へんみ よう)

1944年、宮城県石巻市生まれ。共同通信記者を経て作家に。
『自動起床装置』『もの食う人びと』『赤い橋の下のぬるい水』『ゆで卵』『1★9★3★7』ほか著書多数。

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