きのうの影踏み

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2018年08月24日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
256
ISBN:
9784041069929
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きのうの影踏み

  • 著者 辻村 深月
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2018年08月24日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
256
ISBN:
9784041069929

作品の幅を広げ進化し続ける作家。大切な人との絆を感じる傑作短篇

あるホラー作家のもとに送られてきた手紙には、存在しない架空の歌手とラジオ番組のことが延々と綴られていたという。編集者たちの集まりによると、チェーンメールのように、何人かの作家にも届いているという。かくいう私にもその手紙は届いていた。その手紙のことを調べるうちに、文面の後ろのほう、文字が乱れて読み取れなくなっていた部分が、徐々に鮮明になってきている……。ある日、友人作家が手紙のことで相談があると言ってきた。なんと、その手紙、サイン会で手渡しされたという。誰がその人物だったかはわからない。けれど、確実に近づいてきているーー。(「手紙の主」)。その交差点はよく交通事故が起こる。かつてそこで亡くなった娘の霊が、巻き添えにしていると、事故死した娘の母親は言っているという。その娘が好きだったという「M」の字の入ったカップがいつもお供えされていた。ある雨の日、そのおばさんがふらふらと横断歩道にさしかかり……。死が母娘を分かつとも、つながろうとする見えない深い縁を繊細な筆致で描く「七つのカップ」。闇の世界の扉を一度開けてしまったらもう、戻れない。辻村深月が描く、あなたの隣にもそっとそこにある、後戻りできない恐くて、優しい世界。
【解説:朝霧カフカ】

あるホラー作家のもとに送られてきた手紙には、存在しない架空の歌手とラジオ番組のことが延々と綴られていたという。編集者たちの集まりによると、チェーンメールのように、何人かの作家にも届いているという。かくいう私にもその手紙は届いていた。その手紙のことを調べるうちに、文面の後ろのほう、文字が乱れて読み取れなくなっていた部分が、徐々に鮮明になってきている……。ある日、友人作家が手紙のことで相談があると言ってきた。なんと、その手紙、サイン会で手渡しされたという。誰がその人物だったかはわからない。けれど、確実に近づいてきているーー。(「手紙の主」)。その交差点はよく交通事故が起こる。かつてそこで亡くなった娘の霊が、巻き添えにしていると、事故死した娘の母親は言っているという。その娘が好きだったという「M」の字の入ったカップがいつもお供えされていた。ある雨の日、そのおばさんがふらふらと横断歩道にさしかかり……。死が母娘を分かつとも、つながろうとする見えない深い縁を繊細な筆致で描く「七つのカップ」。闇の世界の扉を一度開けてしまったらもう、戻れない。辻村深月が描く、あなたの隣にもそっとそこにある、後戻りできない恐くて、優しい世界。
【解説:朝霧カフカ】

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

もくじ

十円参り
手紙の主
丘の上
殺したもの
スイッチ
私の町の占い師
やみあかご
だまだまマーク
マルとバツ
ナマハゲと私
タイムリミット
噂地図
七つのカップ

 

おすすめコメント

「怖い」という気持ちは誰もが持っている。そして「怖いものみたさ」という気持ちも、誰もが持っている。「怖いものみたさ」の分かる人は、今すぐこの短編集を開いてみるべきだ。
――朝霧カフカ(作家・漫画原作者)

怪談迷宮。
辻村深月さんの新刊『きのうの影踏み』は、そんな言葉がぴったりの短篇集だ。開けても開けても現れる恐怖の扉は、怖いけれどとても魅惑的で、あなたを虜にするだろう。
――門賀美央子(文筆家・書評家)

遠くに影踏みする子供たちを見ながら、どこか見知らぬ薄暮の町をさまよって、なんだか読んでいる自分も子供に還ったような、こわいけれどもなつかしい不思議な浮遊感がここにはある。静かな夜に、ひとりふわふわと13の短編を読み進めれば、恐怖の果ての至福が待っている。
――土方正志(編集者)

背筋が凍るとはこのことだ。読んでいながら何度もゾッとした。見てはならない、目には見えない何かがこの作品には満ちている。しかし、そうした不可視の存在の中に、この世の真実があるのかもしれない。
――内田剛(ブックジャーナリスト)

「きのうの影踏み」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 瞬間的に身の毛のよだつというよりは、考え込むと怖くなるといった13のホラー短編集。活字を読んでいるだけなのに強烈な視覚的インパクトの<だまだまマーク>。辻村さんのエッセイといった趣の<私の町の占い師>。そし 瞬間的に身の毛のよだつというよりは、考え込むと怖くなるといった13のホラー短編集。活字を読んでいるだけなのに強烈な視覚的インパクトの<だまだまマーク>。辻村さんのエッセイといった趣の<私の町の占い師>。そして、暗闇のどん底に救いの光が差すかのような辻村さんらしさを感じる最後の<七つのカップ>など、色々な趣向が詰まったこの作品。全体としては、結末の二歩手前で放り出されるというような展開が多く、怖いというよりイライラ感が募ることの多かったこの作品。最後の<七つのカップ>に辻村さんらしい救いを見た作品でした。 …続きを読む
    さてさて
    2021年04月09日
    365人がナイス!しています
  • ホラー短編小説。ところどころゾッとするお話もあり、実話なのか⁉と思う話もあります。超短い短編もあり、読みやすかったです。『殺したもの』『噂地図』なんかは世にも奇妙な物語的なドラマ化が出来そう。『ナマハ ホラー短編小説。ところどころゾッとするお話もあり、実話なのか⁉と思う話もあります。超短い短編もあり、読みやすかったです。『殺したもの』『噂地図』なんかは世にも奇妙な物語的なドラマ化が出来そう。『ナマハゲと私』『やみあかご』はホラーでした。 …続きを読む
    2021年12月01日
    290人がナイス!しています
  • 辻村さんのホラーと聞いて、興味津々で手に取った…13編の短編集で長くても30ページ程なので、サクッと読めた…実話系、都市伝説系、日常の恐怖系など微妙にテイストが変わって面白いから一気読みできたのだろう。中で 辻村さんのホラーと聞いて、興味津々で手に取った…13編の短編集で長くても30ページ程なので、サクッと読めた…実話系、都市伝説系、日常の恐怖系など微妙にテイストが変わって面白いから一気読みできたのだろう。中でも『手紙の主』は似たような経験があるのでゾッとしたし、『だまだまマーク』は言葉の使い方の上手さに感心し、『ナマハゲと私』はイヤミス的な恐怖にニヤリ、『七つのカップ』で切なさ+優しさに唸らされた。突っ込みどころが多い作品もあり、ホラー好きには物足りないだろうが「流石の売れっ子作家だなぁ」と思わされた一冊。 …続きを読む
    しんたろー
    2019年09月09日
    221人がナイス!しています

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著者紹介

辻村 深月

1980年2月29日生まれ。千葉大学教育学部卒業。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞してデビュー。著作に『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『名前探しの放課後』『太陽の坐る場所』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『ツナグ』など。

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