ロブスター

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2024年09月28日
判型:
四六判
ページ数:
216
ISBN:
9784041153291

ロブスター

  • 著者 篠田 節子
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2024年09月28日
判型:
四六判
ページ数:
216
ISBN:
9784041153291

私は人生の終着点を見つけてしまった 生と死の尊厳に迫る優しく美しい一冊

おちこぼれの女性ジャーナリストが異国の砂漠の地で掴んだ、
自分しかできない仕事、そして、人間のほんとうの幸せとは

フリージャーナリストとしての活躍の道が拓けずくすぶっていた寿美佳(すみか)は、摂氏六十度を軽く超える砂漠の地で、鉱石を運ぶトラックに乗っていた。
ここはオーストラリアでも「デッドエンド」と呼ばれる地帯。この先の鉱山で、元引きこもりの日本人労働者や、海外の政治犯が強制労働に従事させられているという疑惑を聞きつけて、記事を書いて一山当てようと潜入取材に乗り込んだのだ。金がない寿美佳のスポンサーとなったのは、夫の研究者・クセナキス博士がここに閉じ込められていると訴える博士の夫人だった。
博士を救い出すという任務も帯びながら、命からがら苛酷な砂漠を越え現地にたどり着いた寿美佳だったが、そこで出会った博士をはじめとする3人の労働者が語ったのは、寿美佳が全く思いもよらない背景だった……。

ここは見捨てられた場所、そして、途方もなく自由な土地――
「他の場所では生きられなくても」、今、自分の身体が、能力が、拡張していく。

人生の本質や、生と死の尊厳を、外から判断できるのか。
ほんとうの幸せとは何かに迫る著者の真骨頂。
おちこぼれの女性ジャーナリストが異国の砂漠の地で掴んだ、
自分しかできない仕事、そして、人間のほんとうの幸せとは

フリージャーナリストとしての活躍の道が拓けずくすぶっていた寿美佳(すみか)は、摂氏六十度を軽く超える砂漠の地で、鉱石を運ぶトラックに乗っていた。
ここはオーストラリアでも「デッドエンド」と呼ばれる地帯。この先の鉱山で、元引きこもりの日本人労働者や、海外の政治犯が強制労働に従事させられているという疑惑を聞きつけて、記事を書いて一山当てようと潜入取材に乗り込んだのだ。金がない寿美佳のスポンサーとなったのは、夫の研究者・クセナキス博士がここに閉じ込められていると訴える博士の夫人だった。
博士を救い出すという任務も帯びながら、命からがら苛酷な砂漠を越え現地にたどり着いた寿美佳だったが、そこで出会った博士をはじめとする3人の労働者が語ったのは、寿美佳が全く思いもよらない背景だった……。

ここは見捨てられた場所、そして、途方もなく自由な土地――
「他の場所では生きられなくても」、今、自分の身体が、能力が、拡張していく。

人生の本質や、生と死の尊厳を、外から判断できるのか。
ほんとうの幸せとは何かに迫る著者の真骨頂。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

「ロブスター」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 近未来の荒廃したオーストラリアが舞台と聞くと『マッドマックス』を思い出すが、こちらは暴力も破壊も殺戮もない。隔絶された砂漠の鉱山で強制労働させられる人がいるとの情報で潜入した女性ジャーナリストが、温暖 近未来の荒廃したオーストラリアが舞台と聞くと『マッドマックス』を思い出すが、こちらは暴力も破壊も殺戮もない。隔絶された砂漠の鉱山で強制労働させられる人がいるとの情報で潜入した女性ジャーナリストが、温暖化が進み経済が破綻した地球において問題の鉱山は楽園だったと知り愕然とする。既存の家族や社会に絶望した人びとにとって、厳しい環境でも他者との関わりを絶てるのは幸福だったのだ。地球がディストピアと化したからこそ、篠田さんは「大切なものは目に見えない」という『星の王子さま』の言葉を小説化したいと願ったのではないか。 …続きを読む
    パトラッシュ
    2025年02月16日
    191人がナイス!しています
  • 篠田 節子は、新作中心に読んでいる作家です。タイトルと表紙絵からほのぼのとした小説かと思いきや、やはり著者らしい近未来濠太剌利ディストピア小説でした🦂🦂🦂 最期は、木乃伊取りが木乃伊になりました。 https:// 篠田 節子は、新作中心に読んでいる作家です。タイトルと表紙絵からほのぼのとした小説かと思いきや、やはり著者らしい近未来濠太剌利ディストピア小説でした🦂🦂🦂 最期は、木乃伊取りが木乃伊になりました。 https://www.kadokawa.co.jp/product/322405000188/ …続きを読む
    starbro
    2024年10月23日
    191人がナイス!しています
  • ディストピアSFのような雰囲気だけど、読み終えてみればある種のユートピアだと思えた。近未来の日本と思しき場所なのだが、昼間は気温が60度を超える鉱山に囚われた人を探すという出だしなのだけど、囚われたわけで ディストピアSFのような雰囲気だけど、読み終えてみればある種のユートピアだと思えた。近未来の日本と思しき場所なのだが、昼間は気温が60度を超える鉱山に囚われた人を探すという出だしなのだけど、囚われたわけではなく自らその土地にいるという話を聞き、触れて、やがて自身も囚われていくといった物語。表層的にはそんなお話なのだが、描かれる情景や、人間模様と背景が、現代のそこかしこにある煩わしさとなんら変わらず、過酷な環境下でも一種の自由があると思える描写が素晴らしかった。 …続きを読む
    R
    2025年12月11日
    99人がナイス!しています

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