哀しい予感

哀しい予感

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
1991年09月25日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
192
ISBN:
9784041800010
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哀しい予感

  • 著者 吉本 ばなな
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
1991年09月25日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
192
ISBN:
9784041800010
いくつもの啓示を受けるようにして古い一軒家に来た弥生。そこでひっそりと暮らすおば、音楽教師ゆきの。彼女の弾くピアノを聴いたとき、弥生19歳、初夏の物語は始まった。 いくつもの啓示を受けるようにして古い一軒家に来た弥生。そこでひっそりと暮らすおば、音楽教師ゆきの。彼女の弾くピアノを聴いたとき、弥生19歳、初夏の物語は始まった。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

「哀しい予感」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 著者24才の作、作家様の恐るべき才能に最大の賛辞と敬意を抱きながら私は本を読む。人より少し勘がよく、幼き頃の思い出や記憶を持たない主人公弥生。普通の家庭の幸せに囲まれながらもふとランドセルを背負ったまま 著者24才の作、作家様の恐るべき才能に最大の賛辞と敬意を抱きながら私は本を読む。人より少し勘がよく、幼き頃の思い出や記憶を持たない主人公弥生。普通の家庭の幸せに囲まれながらもふとランドセルを背負ったまま訪れた先はおばで音楽教師のゆきのの家。やがて19才となり、いささか哀しい予感を抱えおばの家に転がり込む弥生の夏物語。甘くもの悲しく揺れる気持ちや、優しさゆえの決意などが、美しきばなな文字で織る情景描写で漂う。やがて真実にたどり着く弥生。名作❗あとがきで語られる生みの苦労と読者への思い、本を閉じて合掌した🙇 …続きを読む
    三代目 びあだいまおう
    2019年01月13日
    247人がナイス!しています
  • 著者自身は「あとがき」で、この作品を「ある方向性の卵」といい、「未熟すぎる」と述べている。ただ、そのことは逆に言えば、これまでにはなかった小説の新たな可能性と、そして新鮮な瑞々しい息吹とを感じさせると 著者自身は「あとがき」で、この作品を「ある方向性の卵」といい、「未熟すぎる」と述べている。ただ、そのことは逆に言えば、これまでにはなかった小説の新たな可能性と、そして新鮮な瑞々しい息吹とを感じさせるということでもある。小説全体のトーンはあくまでも静謐で、時には暗い。とうとう辿り着くことができなかった、幻の幸福な家族。未来もまたどうなるかわからない。それでも弥生には「家族」がある。最後までゆきのを「おば」と呼び続けることは、弥生にとっての家族の確かさを示している。しかし、やはりどこか淋しさの漂う小説だ。 …続きを読む
    ヴェネツィア
    2012年08月25日
    191人がナイス!しています
  • 先日の名作『キッチン』に続いてのばななさんです。今思うと、高一の男子(自分)が手にとって読んでいたと思うとなんだかとても不思議です。『キッチン』ほどテンポの波はありませんが、ゆったりとした時間の流れを 先日の名作『キッチン』に続いてのばななさんです。今思うと、高一の男子(自分)が手にとって読んでいたと思うとなんだかとても不思議です。『キッチン』ほどテンポの波はありませんが、ゆったりとした時間の流れをココロゆくままに感じることができ、この世界観、やはりクセになっています。幼い頃の記憶が曖昧な主人公「弥生」とミステリアスな伯母「ゆきの」、爽やかでしっかり者の弟「哲生」、「ゆきの」の恋人「正彦」と限られた人物が繰り広げる会話や、何気ない生活の一コマ、列車の中の風景でさえも「美」を感じる素晴らしい作品でした。 …続きを読む
    おしゃべりメガネ
    2015年06月13日
    165人がナイス!しています

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