角川ソフィア文庫

鉄条網の世界史

潜在能力を秘めたローテク兵器が、人間社会に苛烈な運命をもたらしている

  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2019年01月24日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
304
ISBN:
9784044004545
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角川ソフィア文庫

鉄条網の世界史

潜在能力を秘めたローテク兵器が、人間社会に苛烈な運命をもたらしている

  • 著者 石 弘之
  • 著者 石 紀美子
  • 定価: 円(本体円+税)
発売日:
2019年01月24日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
304
ISBN:
9784044004545

潜在能力を秘めたローテク兵器が、人間社会に苛烈な運命をもたらしている

【目次】(主なもの)

第一章 西部開拓の主役
カンザス州の「鉄条網博物館」/切実な柵の不足/万能フェンスの登場/入植者が必要とした柵/ウシの大軍がやってきた/牧場主と入植者の戦い/職を失うカウボーイ

第二章 土壌破壊と黄塵
加速する西部開拓/鉄条網が変えた生態系/開拓進む大平原/土壌破壊の米国史/大型農業機械の導入/大砂塵の襲来/放牧規制がはじまる

第三章 塹壕戦の主役
戦場に出現した鉄条網/日本軍が手を焼いた鉄条網/塹壕戦のはじまり/西部戦線異常なし/戦場のクリスマス/日本への導入/鉄条網と現代戦

第四章 「人種の罪」と憎悪のフェンス
強制収容所の歴史/南アフリカの植民地化/ダイヤ・ラッシュ/各収容所の劣悪な環境/スペイン内戦の悲劇/アウシュヴィッツの殺人工場/元収容者が苦しむ後遺症/人間の資源化/旧ソ連の強制収容所/逆境でも花を愛でた日系

第五章 民族対立が生んだ強制収容所
南アのアパルトヘイト政策/活動家の迫害/集団墓地になった五輪会場/「民族浄化」と集団強姦/サラエボの花/世界を「欺いた」映像/戦争と情報戦/最後の逃亡戦犯を拘束

第六章 国境を分断する鉄条網
ベルリンの分断/ヨルダン川西岸の壁/壁を超えた臓器提供/米メキシコ国境/世界最大の麻薬密輸ルート/中国・北朝鮮の壁/新たな万里の長城/タイ・マレーシア国境

第七章 追いつめられる先住民
大平原を分断した鉄条網/チェロキー族の悲劇/ラストサムライ/遅きに失した先住民保護/グアラニー族の悲劇/死に急ぐ若者たち/ケニア独立運動時の裁判開始/ウサギ防除フェンス

第八章 よみがえった自然
鉄条網は自然を呼び戻す/朝鮮半島の軍事境界線/チェルノブイリ原発三〇キロ圏/再導入された希少動物/科学者の反目

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「鉄条網の世界史」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 鉄条網を「威圧的」だったり「ダーク」と感じるのは私だけではないはずだ。鉄条網(有刺鉄線)は1874年にアメリカで生産が開始された。当初は西部開拓時代であり、広大な土地で農作物を家畜から守る為に考えられ 鉄条網を「威圧的」だったり「ダーク」と感じるのは私だけではないはずだ。鉄条網(有刺鉄線)は1874年にアメリカで生産が開始された。当初は西部開拓時代であり、広大な土地で農作物を家畜から守る為に考えられた。木材の不足や金属線だけではバッファローに突破されたりなどの事情があった。この発明が、先住民族の隔離という「人と人の隔離」へ使われ、戦場では防衛線となった。本著の後半のテーマになる国境分断や強制収容所の歴史は、国連勤務経験のある著者の視点と知識が盛り込まれるが、鉄条網本来の歴史からは逸れていく。 …続きを読む
    4fdo4
    2019年04月29日
    14人がナイス!しています
  • 妻の花壇が家畜に荒らされるのを防ぐために、ひとりの農民の善意で開発された「トゲ付き鉄線」。鉄線にトゲとなる短い鉄線を巻きつけただけの、この単純なローテク製品が、その後150年の人類の歴史に絡みつく―― 妻の花壇が家畜に荒らされるのを防ぐために、ひとりの農民の善意で開発された「トゲ付き鉄線」。鉄線にトゲとなる短い鉄線を巻きつけただけの、この単純なローテク製品が、その後150年の人類の歴史に絡みつく――。家畜を囲うために発明された道具が、やがて効率よく人間を囲い込むものへと変化していく。それは必然だったのだろうか?それとも、鉄条網のない世界は、今よりもっと豊かになっただろうか?鉄条網に囲われて、人も家畜も立ち入ることのなくなった場所に自然がよみがえることの意味を考える。鉄条網ごしに見る世界は、灰色だった。 …続きを読む
    inarix
    2019年01月14日
    8人がナイス!しています

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著者紹介

石 弘之(いし ひろゆき)

1940年生まれ。東京大学卒業後、朝日新聞入社。96年より東京大学大学院教授、ザンビア特命全権大使などを歴任。
主な著書に『地球環境報告』『感染症の世界史』ほか多数。

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