登山と日本人

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2015年05月23日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
272
ISBN:
9784044092214
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登山と日本人

  • 著者 小泉 武栄
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2015年05月23日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
272
ISBN:
9784044092214

日本人にとって聖地である山。人との関わりの歴史をたどり、その魅力に迫る

日本人はいつから山に登るようになったのか。世代を問わず多くの人が山に魅了されているのはなぜか――。明治のはじめには一握りのエリートたちの遊びであった登山は、経済成長とともに庶民にまで広がった。近代登山以前の日本人と山のあいだには、歴史の影に隠れた意外な真実がある。富士講をはじめとする信仰に基づいた登山から、スポーツ的要素が強くなった近代登山まで、日本の登山史を辿りつつ、そのルーツに迫る。 日本人はいつから山に登るようになったのか。世代を問わず多くの人が山に魅了されているのはなぜか――。明治のはじめには一握りのエリートたちの遊びであった登山は、経済成長とともに庶民にまで広がった。近代登山以前の日本人と山のあいだには、歴史の影に隠れた意外な真実がある。富士講をはじめとする信仰に基づいた登山から、スポーツ的要素が強くなった近代登山まで、日本の登山史を辿りつつ、そのルーツに迫る。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

もくじ

はじめに

第1章 日本における登山と山岳信仰の始まり
1 世界最古の登山
2 自然崇拝と山岳信仰の始まり

第2章 登山と好奇心
1 好奇心の旺盛な日本人
2 古代の科学と登山
3 キリスト教の支配した中世ヨーロッパ
4 近代科学の始まりと好奇心の再生
5 宗教改革とプロテスタンティズム
6 科学革命の世紀
7 アルプスの「発見」とアルプスブーム

第3章 仏教の伝来と修験道の始まり
1 仏教の伝来
2 修験道と山岳仏教

第4章 信仰登山の発展
1 本地垂迹説の登場
2 信仰登山の繁栄

第5章 信仰登山から物見遊山へ
1 物見遊山の始まり
2 好奇心に基づく登山の始まり

第6章 わが国における近代登山の受容
1 近代的登山の始まりと日本山岳会
2 志賀重昂の『日本風景論』
3 ウェストンの『日本アルプスの登山と探検』
4 小島烏水の『日本山水論』と『日本アルプス』
5 自然科学者による登山
6 登山の黄金時代と尖鋭的登山の始まり
7 日本型登山の始まり

第7章 大衆登山の時代
1 登山者大国日本
2 大衆登山の始まり
3 戦後の登山ブーム
4 現代の中高年登山と山の危険
5 登山ブームの背景

第8章 日本人の風景観の変遷と国立公園制度
1 文学や絵画にみる風景観
2 明治時代以降の日本人の自然観の変化

第9章 火山と日本人
1 歴史時代の火山噴火と災害
2 富士山が噴火したら

第10章 富士山と日本人
1 噴火する富士山
2 富士山における登山の始まり
3 世界遺産後の課題

参考文献
おわりに─知的登山の勧め─

「登山と日本人」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 植生と地質という異分野を統合して山歩きの思わぬ楽しみ方(ゆっくりと周りをみながら登ろう!)を教えてくれた小泉さんの最新著(2015)ということで読んでみた。「登山の誕生」(2001)の大幅改稿増補版だという。明記は 植生と地質という異分野を統合して山歩きの思わぬ楽しみ方(ゆっくりと周りをみながら登ろう!)を教えてくれた小泉さんの最新著(2015)ということで読んでみた。「登山の誕生」(2001)の大幅改稿増補版だという。明記はないが登山をめぐるエッセイを集めた感じ。江戸時代の松浦武四郎(蝦夷地探検の!)を日本登山思想の源流とし、西欧近代登山(岩登り)の受容史をこまめに跡づけながら、山を歩いて楽しむ日本型登山(西欧は専門登山家以外は登山電車で楽しむ)の確立を説くあたりは自らの"知性派登山"の裏付けとして楽しい。 …続きを読む
    翔亀
    2015年07月29日
    42人がナイス!しています
  • 日本における登山の位置づけを歴史的に解説した本と理解。八ヶ岳に登っていた縄文人がいた/万葉集の歌に見られる大らかな登山(デート)/原始宗教では遥拝、仏教が入ってきてから登拝、山岳信仰が広まった/明治期 日本における登山の位置づけを歴史的に解説した本と理解。八ヶ岳に登っていた縄文人がいた/万葉集の歌に見られる大らかな登山(デート)/原始宗教では遥拝、仏教が入ってきてから登拝、山岳信仰が広まった/明治期、山岳会に先行した学術・調査目的の登山、などのトピックが興味深い。比較のためか西洋における人文主義、科学的探究と登山の説明のために章が割かれるが、本筋とは違うような気がしてその部分は読むのが重く感じた。とはいえ江戸時代やルネサンス時代の文人の中には登山が趣味の人がいたという話は面白かった。松浦武四郎健脚すぎ。 …続きを読む
    Chiyo K.
    2023年08月19日
    7人がナイス!しています
  • 海外諸国と比較すると、日本人は古くから山に登っていたらしい。狩猟や採集を目的とした山入りと違って、山頂を目指す登山は生活の余裕が好奇心をもたらしてこそ、という説明に頷ける。史料からは、宗教登山にはじま 海外諸国と比較すると、日本人は古くから山に登っていたらしい。狩猟や採集を目的とした山入りと違って、山頂を目指す登山は生活の余裕が好奇心をもたらしてこそ、という説明に頷ける。史料からは、宗教登山にはじまり、江戸時代の奥山回り、講による信仰登山の観光化、明治になっての学術登山、そして近代的なスポーツ登山へと、日本の登山文化の歴史をひもとき、さらに、自然観察を兼ねた登山の楽しみ方を提起する。読めば読むほど、こんなに山に親しんできた民族が、どうしてこれほど山を破壊できるのだろうと悲しくなるな。 (★★★☆☆) …続きを読む
    yamakujira
    2019年11月15日
    7人がナイス!しています

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