数えずの井戸

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2014年08月23日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
738
ISBN:
9784041015964
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数えずの井戸

  • 著者 京極 夏彦
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2014年08月23日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
738
ISBN:
9784041015964

足らぬから。欠けているから。永遠に満たされぬから――。

数えるから、足りなくなる――。暗く冷たい井戸の端で、「菊」は何を見たのか。それは、はなかくも美しい、もうひとつの「皿屋敷」。怪談となった江戸の「事件」を独自の解釈で語り直す、傑作怪談! 数えるから、足りなくなる――。暗く冷たい井戸の端で、「菊」は何を見たのか。それは、はなかくも美しい、もうひとつの「皿屋敷」。怪談となった江戸の「事件」を独自の解釈で語り直す、傑作怪談!

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

「数えずの井戸」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 番屋皿屋敷といえば皿数えで有名な怪談ですが、それを大胆な解釈で新たな物語として息吹を与えていました。冷たく暗い井戸の淵で見たものが菊の亡霊を呼び出し、夜な夜な皿を数えている姿が儚くも美しかったです。足 番屋皿屋敷といえば皿数えで有名な怪談ですが、それを大胆な解釈で新たな物語として息吹を与えていました。冷たく暗い井戸の淵で見たものが菊の亡霊を呼び出し、夜な夜な皿を数えている姿が儚くも美しかったです。足りないから、欠けているから永遠に満たされない想い。無間地獄に囚われた菊の静かな哀しみがひたひたと足音と共に迫って来るようでした。怖く、凄惨なはずなのに綺麗な調べが印象的です。講談のような語り口調が独特でした。 …続きを読む
    優希
    2016年04月23日
    94人がナイス!しています
  • 文庫での再読。気はいいが少し足りないところのあるお菊に、ほっとする人も、その愚かさにも拘わらず人を惹き付けるところに激しく嫉妬する者もいる。それが悪意や悲劇をうむのだが、数える、数えないでおこる不可解 文庫での再読。気はいいが少し足りないところのあるお菊に、ほっとする人も、その愚かさにも拘わらず人を惹き付けるところに激しく嫉妬する者もいる。それが悪意や悲劇をうむのだが、数える、数えないでおこる不可解さは、この長いストーリーを支えるには少し弱くはないだろうか。解説を書いた道尾さんは、苦労したと思う。数ある京極作品の読み取りの深さと、『物語という器』という解説の題の付け方に脱帽。この本はわかりにくいが、京極さんは他の本でこんなにすごい事を言ってるんですと読者に伝えたかったのか…。 …続きを読む
    ケイ
    2014年11月22日
    92人がナイス!しています
  • 何かが足りない。誰もがどこか欠けている。そんな空気が堪らず発露されたとき、透徹した悪寒に襲われる。世にいう番町皿屋敷、夜な夜なお菊が井戸で皿を数えるというあの有名な怪談が、凄惨で陰湿な人間の正体と儚く 何かが足りない。誰もがどこか欠けている。そんな空気が堪らず発露されたとき、透徹した悪寒に襲われる。世にいう番町皿屋敷、夜な夜なお菊が井戸で皿を数えるというあの有名な怪談が、凄惨で陰湿な人間の正体と儚く悲しい欠落の物語として再び甦る。足りない部分を埋める為にそれぞれが求めたものは何だったのか、その為に何が起きたのか…あの亡霊の真実は思いもよらない事件の裏にあり。理由ある死と言い訳のできる生。どちらも圧倒的に欠けていると感じたのは私だけではないはず。愛情、憎悪、憐憫、嫉妬…恐ろしいほどの情動が一瞬を支配する。 …続きを読む
    えみ
    2022年04月24日
    65人がナイス!しています

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著者紹介

京極 夏彦(きょうごく・なつひこ)

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家、全日本妖怪推進委員会肝煎。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞を受賞。著書多数。

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