人もいない春

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2012年01月25日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
192
ISBN:
9784041001264
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人もいない春

  • 著者 西村 賢太
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2012年01月25日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
192
ISBN:
9784041001264

芥川賞作家の渾身作

親類を捨て、友人もなく、孤独を抱える北町貫多17歳。製本所でバイトを始めた貫多は、持ち前の短気と喧嘩っぱやさでまたしても独りに……『苦役列車』へと連なる破滅型私小説集。 親類を捨て、友人もなく、孤独を抱える北町貫多17歳。製本所でバイトを始めた貫多は、持ち前の短気と喧嘩っぱやさでまたしても独りに……『苦役列車』へと連なる破滅型私小説集。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

「人もいない春」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 彼の著書を手に取るのはこれで三冊目。ここまで来るともう怖いもの見たさである。友達の友達に当たる無頼漢の武勇伝を、酒の肴に聞くような感覚に近い。秋恵とのやり取りに大いに人間味を感じるのは、やはり貫多のそ 彼の著書を手に取るのはこれで三冊目。ここまで来るともう怖いもの見たさである。友達の友達に当たる無頼漢の武勇伝を、酒の肴に聞くような感覚に近い。秋恵とのやり取りに大いに人間味を感じるのは、やはり貫多のその多情多感な矛盾した言動故だろう。こうも両極端ではなくとも、人間とは自己の中にある程の不一致を抱えているものだと私は思っていて、そこに憎めなさを感じるのだ。まあ、一緒に暮らすどころか交際も御免蒙りたい相手であることは間違いないけれど。中ごろにある鼠の挿話は彼の創作スタイルにおいてかなり異色で、なかなか新鮮だ。 …続きを読む
    ナマアタタカイカタタタキキ
    2021年07月16日
    70人がナイス!しています
  • 6本の短篇集。どれもすごく良い。表題作みたいな辛い夜は私にもあった。今もある。貫多は私だと思った。『二十三夜』は失恋話。笑える。『悪夢』のみ私小説じゃない。『乞食の糧途』〜『昼寝る』迄の三篇は秋恵ちゃ 6本の短篇集。どれもすごく良い。表題作みたいな辛い夜は私にもあった。今もある。貫多は私だと思った。『二十三夜』は失恋話。笑える。『悪夢』のみ私小説じゃない。『乞食の糧途』〜『昼寝る』迄の三篇は秋恵ちゃんシリーズ。いつもの秋恵ものと違い、同棲開始当初だからか、ちょっと幸せな雰囲気がある話。『昼寝る』のラストなんて本当にいい。もう一度読み返したい短篇集。解説が南沢奈央だが、南沢奈央を知らない人もまだまだ多いだろう。文末に(女優)とでも解説してあげて欲しい。 …続きを読む
    にぼしいわしそっくりおじさん・寺
    2012年02月02日
    51人がナイス!しています
  • ☆☆☆☆☆ 追悼西村賢太。あっけなく亡くなってしまった。もう彼の新作を読めないと思うと寂しい。本作も相変わらずの貫多の駄目っぷりと秋恵の良い女ぶりを堪能。何でこんなに面白いのだろう。発熱をして秋恵の献身ぶ ☆☆☆☆☆ 追悼西村賢太。あっけなく亡くなってしまった。もう彼の新作を読めないと思うと寂しい。本作も相変わらずの貫多の駄目っぷりと秋恵の良い女ぶりを堪能。何でこんなに面白いのだろう。発熱をして秋恵の献身ぶりを思い知る「昼寝る」、麻婆豆腐がトラウマになる「赤い脳漿」、スナックの女との罵りあいが壮絶な「二十三夜」、アルバイト先で孤立し悲哀感が漂う表題作、危ういトラックの運転が腹立たしさを募る「乞食の糧途」、鼠たちの悲劇「悪夢ー或いは閉鎖されたレストランの謎」。 …続きを読む
    メタボン
    2022年02月14日
    42人がナイス!しています

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