辛酸 田中正造と足尾鉱毒事件

辛酸 田中正造と足尾鉱毒事件

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
1979年05月23日
判型:
文庫判
ページ数:
224
ISBN:
9784041310137
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辛酸 田中正造と足尾鉱毒事件

  • 著者 城山 三郎
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
1979年05月23日
判型:
文庫判
ページ数:
224
ISBN:
9784041310137
足尾銅山の資本家の言うまま、渡良瀬川流域谷中村を鉱毒の遊水池にする国の計画が強行された! 日本最初の公害問題に激しく抵抗した田中正造の泥まみれの生きざまを描く。 足尾銅山の資本家の言うまま、渡良瀬川流域谷中村を鉱毒の遊水池にする国の計画が強行された! 日本最初の公害問題に激しく抵抗した田中正造の泥まみれの生きざまを描く。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

「辛酸 田中正造と足尾鉱毒事件」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 華々しく活躍した田中正造氏ではなく、闘争後、世間から忘れられて「野垂れ死」した姿を描く第一部、田中氏亡き後に勝算のない闘いを続ける村民の無情を描く第二部。救いのない暗さが重くのしかかる。世間・政府・官 華々しく活躍した田中正造氏ではなく、闘争後、世間から忘れられて「野垂れ死」した姿を描く第一部、田中氏亡き後に勝算のない闘いを続ける村民の無情を描く第二部。救いのない暗さが重くのしかかる。世間・政府・官憲とは、これほどまでに容赦なく非道なものなのだと。若い頃に読んだ時には気付かなかったが、今回、田中氏の妻・かつ子さんの存在がとても気になった。妻や家庭を全く顧みない夫とともに歩んだ五十年。「そうか、もう君はいないのか」で亡き妻への思いを綴った稀代の愛妻家・城山三郎先生は、この夫婦をどう思っておられたのだろう。 …続きを読む
    trazom
    2025年05月18日
    101人がナイス!しています
  • 素晴らしい。この作品によって、田中正造の名は広く世に知らしめられたという。日本初の公害事件と、当時の時流が重なったときでもあったろう。しかし遅い。遅すぎるといってもいいくらいだ。鉱毒事件で苦しまれた方 素晴らしい。この作品によって、田中正造の名は広く世に知らしめられたという。日本初の公害事件と、当時の時流が重なったときでもあったろう。しかし遅い。遅すぎるといってもいいくらいだ。鉱毒事件で苦しまれた方々は、その頃には、大半がもうこの世にいらっしゃらなかっただろうから。それでもこの小説は、正義のために生き、死することの意味を問いかける。果たしてどう生きるのが正しいのだろう? …続きを読む
    佐島楓
    2015年12月28日
    69人がナイス!しています
  • 足尾銅山復習2冊目。足尾銅山鉱毒事件に生涯をかけた田中正造の物語だが、本書では鉱毒問題は終わっている。渡良瀬川の治水対策として谷中村が遊水地として水没させられることが決定。正造の必死の闘争が続くが村民 足尾銅山復習2冊目。足尾銅山鉱毒事件に生涯をかけた田中正造の物語だが、本書では鉱毒問題は終わっている。渡良瀬川の治水対策として谷中村が遊水地として水没させられることが決定。正造の必死の闘争が続くが村民からはありがた迷惑という様子。中盤で正造が志半ばに亡くなってからは村民の覚悟は固まる。と言うより長い訴訟の間に訴訟への興味を失い、ただ生きるために生活を送る村民が見える。明治大正時代に一応まともな裁判をしていたことにも驚く。住民側に有利な判決を出した判事が左遷させられる程度。今の途上国より全然ちゃんとしてる。 …続きを読む
    Akihiro Nishio
    2018年08月02日
    25人がナイス!しています

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