越年 岡本かの子恋愛小説集

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2019年08月23日
判型:
文庫判
ページ数:
192
ISBN:
9784041085615
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越年 岡本かの子恋愛小説集

  • 著者 岡本 かの子
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2019年08月23日
判型:
文庫判
ページ数:
192
ISBN:
9784041085615

岡本かの子の優れた短編の中から、恋愛にまつわる傑作を選りすぐって収録!

12月のある日、加奈江は同僚の男から突然平手打ちをされる。しかも男はそのまま退職してしまった。加奈江は悔しさのあまりその男を探して銀座を歩き回るが…(「越年」)。恋愛にまつわる傑作短編を収録! 12月のある日、加奈江は同僚の男から突然平手打ちをされる。しかも男はそのまま退職してしまった。加奈江は悔しさのあまりその男を探して銀座を歩き回るが…(「越年」)。恋愛にまつわる傑作短編を収録!

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

  • ニコニコカドカワ祭り2025

「越年 岡本かの子恋愛小説集」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 表題作【越年】は昨年、谷崎・太宰・芥川・有吉佐和子ら懐かしい作家のアンソロジー、女体をめぐる『晩菊』に収載されていた。本作は、その『越年』を含む八つの短篇集。馴染みのない岡本かの子の小説だが、女と男の 表題作【越年】は昨年、谷崎・太宰・芥川・有吉佐和子ら懐かしい作家のアンソロジー、女体をめぐる『晩菊』に収載されていた。本作は、その『越年』を含む八つの短篇集。馴染みのない岡本かの子の小説だが、女と男の心の綾が、面白く描かれています。短歌をやられているので、情景描写が繊細で綺麗です。再読の【越年】だけに主人公二人の胸中が、より鮮明に読み取れた。終末に、女のもとに男からの詫び状(恋文)が届く。二人の本当の恋が始まる気がする。時には、こういうプラトニックな恋愛小説もいいものだ。 …続きを読む
    じいじ
    2020年05月10日
    91人がナイス!しています
  • 羊水の中を思いの儘に揺蕩っていると、鳥が飛び立つように眼が覚めた。僕はぼんやりした頭で女の名を呟く。喉の渇きがその声を掠らせ、不明瞭な響きだけが喉の奥に残った。「あたし何だか、ぽちぽち冷たい小粒のもの 羊水の中を思いの儘に揺蕩っていると、鳥が飛び立つように眼が覚めた。僕はぼんやりした頭で女の名を呟く。喉の渇きがその声を掠らせ、不明瞭な響きだけが喉の奥に残った。「あたし何だか、ぽちぽち冷たい小粒のものが顔に当たるので雨かしらと思いましたらね、花が零れるのですわ」今では女の顔も容も覚えていない。覚えているのは、女から漂う夏の匂い。かつて僕は女を強く憎んでいた。だがいつしか愛の透徹を誓っていた。女の記憶が薄れていくぶん、女への気持ちが濃くなっていく。思いを伝えられぬまま、積もって、募って、胸がきちきちと鳴る。 …続きを読む
    ちぇけら
    2019年10月07日
    23人がナイス!しています
  • 五感に訴えてくる芳醇な文体。言葉が色づいて拡がっていく。行間からたなびく情念に酔いそうになる『金魚繚乱』。顎の裏のとれない花びら。男性の心裡、言い訳としての矜持、どこかでぽきりと折れてしまうのを待ちわ 五感に訴えてくる芳醇な文体。言葉が色づいて拡がっていく。行間からたなびく情念に酔いそうになる『金魚繚乱』。顎の裏のとれない花びら。男性の心裡、言い訳としての矜持、どこかでぽきりと折れてしまうのを待ちわびているようなもどかしさが見事に描かれる。女たちが現実への柔軟さを隠さないぶん、男たちは愚かでありながらもいじらしい生き物でいられる。『夏の夜の夢』なんと眩い儚さ。永遠がその胸に透き通って積もっていくよう。『過去生』美しき兄弟の閉じた空間に絡めとられそうになる。物語から抜け出すのが惜しい一冊だった。 …続きを読む
    2025年10月04日
    20人がナイス!しています

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