猪・鹿・狸

猪・鹿・狸

試し読みをする

※電子書籍ストアBOOK☆WALKERへ移動します。

試し読みをする

※電子書籍ストアBOOK☆WALKERへ移動します。

  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2017年11月25日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
256
ISBN:
9784044002787
label

猪・鹿・狸

  • 著者 早川 孝太郎
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2017年11月25日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
256
ISBN:
9784044002787

芥川龍之介・島崎藤村も絶賛した独自の伝承世界

僕は実際近頃にこのくらい愉快に読んだ本はなかった――芥川龍之介(東京日日新聞)

九十貫を超える巨猪を撃った狩人の話。仕留めた親鹿をかつぐ後から子鹿がついてきた話。村で起きる怪しい出来事はいつも狸の仕業とされた話……。奥三河・横山で見聞、古老から聴き溜めた猪・鹿・狸の逸話が縦横に語られる。芥川龍之介・島崎藤村も絶賛した文学性の高い文章は、伝説や昔話も織り交ぜて独自の伝承世界を形づくっている。暮らしの表情を鮮やかにすくい取る感性と直観力から生まれた、民俗学の古典的名著。

僕は実際近頃にこのくらい愉快に読んだ本はなかった――芥川龍之介(東京日日新聞)

九十貫を超える巨猪を撃った狩人の話。仕留めた親鹿をかつぐ後から子鹿がついてきた話。村で起きる怪しい出来事はいつも狸の仕業とされた話……。奥三河・横山で見聞、古老から聴き溜めた猪・鹿・狸の逸話が縦横に語られる。芥川龍之介・島崎藤村も絶賛した文学性の高い文章は、伝説や昔話も織り交ぜて独自の伝承世界を形づくっている。暮らしの表情を鮮やかにすくい取る感性と直観力から生まれた、民俗学の古典的名著。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

もくじ


一 狩人を尋ねて
二 子猪を負うた狩人
三 猪の禍
四 猪垣の事
五 猪の案山子
六 猪と文化
七 猪除けのお守り
八 空想の猪
九 猪の跡
一〇 猪に遇った話
一一 猪狩りの笑話
一二 昔の狩人
一三 山の神と狩人
一四 猪買いと狩人
一五 猪の胆
一六 手負い猪に追われて
一七 代々の猪撃ち
一八 不思議な狩人
一九 巨猪の話

鹿
一 淵に逃げこんだ鹿
二 鹿の跡を尋ねて
三 引鹿の群
四 鹿の角の話
五 鹿皮の裁付
六 鹿の毛祀り
七 山の不思議
八 鹿に見えた砥石
九 鹿撃つ狩人
一〇 十二歳の初狩り
一一 一つの家の末路
一二 鹿の玉
一三 浄瑠璃姫と鹿
一四 親鹿の瞳
一五 鹿の胎児
一六 鹿捕る罠
一七 大蛇と鹿
一八 木地屋と鹿の頭
一九 鹿の大群


一 狸の怪
二 狸の死真似
三 狸の穴
四 虎挟みと狸
五 狸を拾った話
六 砂を振りかける
七 狸と物識り
八 狸の火
九 呼ばる狸
一〇 真っ黒い提灯
一一 鍬に化けた狸
一二 狸か川獺か
一三 娘に化けた狸
一四 狸の怪と若者
一五 塔婆に生首
一六 緋の衣を纏った狸
一七 狸依せの話
一八 狸の印籠
一九 古茶釜の話
二〇 旧い家と昔話
二一 狸の最後

終りに
鳥の話 附録

 猪・鹿・狸     芥川龍之介

「猪・鹿・狸」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 山の動物たちと人間との記録。狩りの話、村々に生きる人々の話、山の話が混然一体となって、読んでいるうちに囲炉裏端で古老が語っている昔話、神代の物語を聞いている心地になってくる。猪狩りの話や、鹿が姿を消す 山の動物たちと人間との記録。狩りの話、村々に生きる人々の話、山の話が混然一体となって、読んでいるうちに囲炉裏端で古老が語っている昔話、神代の物語を聞いている心地になってくる。猪狩りの話や、鹿が姿を消す話、狸に化かされる話など思わず読むのに引き込まれてしまうし。凄いのは本書に含まれている話が三河横山という村のみで語られていた事。昔はかくも山と動物、人は身近なものであったのだな。面白く読んだものの「鳥の話」に代表されるような少年時代の郷愁や今は失われた人と動物の交感を感じさせられ、酷く哀しい気分にも襲われた。 …続きを読む
    HANA
    2018年09月01日
    70人がナイス!しています
  • 民俗学者の作者が見聞きした猪、鹿、狸の逸話の数々、少年時代の鳥のエピソードをまとめたもの。少し前の日本の農山村なのに遠い異国の話かのように新鮮で面白い。医者の薬よりも猪の肝干しの方が有難がられた時代の 民俗学者の作者が見聞きした猪、鹿、狸の逸話の数々、少年時代の鳥のエピソードをまとめたもの。少し前の日本の農山村なのに遠い異国の話かのように新鮮で面白い。医者の薬よりも猪の肝干しの方が有難がられた時代の話、光明皇后は鹿から生まれたという伝説、狸寝入りならぬ狸の死んだ真似や、様々な化け狸の話等々他では聞けない逸話の宝庫。神秘と紙一重の山村の話を読んでいると、だだっ広い関東平野に住んでいると忘れがちになるが、やはり日本は山に囲まれた土地が多いのだなと実感する。当時掲載された芥川龍之介のブックレビューも興味深い。 …続きを読む
    seacalf
    2021年08月11日
    60人がナイス!しています
  • 「花祭」の研究で有名な民族学者の早川孝太郎が、故郷の三河鳳来寺山周辺で採取した猪・鹿・狸に纏わる物語を集めた本。狩りの話から猪の胆の効験譚、「金銀財宝が自ずから集ま」るという鹿の玉の逸話、狸が娘に化け 「花祭」の研究で有名な民族学者の早川孝太郎が、故郷の三河鳳来寺山周辺で採取した猪・鹿・狸に纏わる物語を集めた本。狩りの話から猪の胆の効験譚、「金銀財宝が自ずから集ま」るという鹿の玉の逸話、狸が娘に化けたりという話までが、様々な人と獣の交わりが当時の村の生活と絡めてまっすぐで端正な筆致で描かれていて、その魅力を味わうように小話を辿ってゆきました。それは大正から明治にかけて、人と獣の世界との交渉の最後を飾る物語たちでもあって、懐かしく遠くなってしまった世界の妖しさと美しさに、本を閉じた後は少し胸が痛みました。 …続きを読む
    syaori
    2021年07月14日
    54人がナイス!しています

powered by 読書メーター

最近チェックした商品