魔女とほうきと黒い猫

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2014年02月25日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
224
ISBN:
9784044094546
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魔女とほうきと黒い猫

  • 著者 菊地 章太
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2014年02月25日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
224
ISBN:
9784044094546

映画「魔女の宅急便」がもっと深く楽しめる!

黒猫をお供に、ほうきにまたがって空を飛ぶ――わたしたちが共通して持つ魔女のイメージはいつできあがったのか。そもそも人々が思い描いていた魔女とはどんな姿だったのか。ヨーロッパにおける古代の女神崇拝やグリム、メルヘンなどの伝承からその実像を掘り起こし、中世のキリスト教文化の中で弾圧の対象となってしまった過程をたどる。人々の暮らしや心情を映し、変容し続けてきた「身近な存在」を読み解く、新しい魔女論! 黒猫をお供に、ほうきにまたがって空を飛ぶ――わたしたちが共通して持つ魔女のイメージはいつできあがったのか。そもそも人々が思い描いていた魔女とはどんな姿だったのか。ヨーロッパにおける古代の女神崇拝やグリム、メルヘンなどの伝承からその実像を掘り起こし、中世のキリスト教文化の中で弾圧の対象となってしまった過程をたどる。人々の暮らしや心情を映し、変容し続けてきた「身近な存在」を読み解く、新しい魔女論!

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

もくじ

プロローグ──十三歳でひとり立ち

第1章 魔女はメルヘンから
 (1)よい魔女か、悪い魔女か
まずはよい話から
心配しないで
水浴びをする乙女
朝ねぼうの娘がいたら
亡霊どもの行列に
女神もいつしか魔女
二極分化する童話の世界
ひどく年とったおばあさん
こわい魔女きわめつけ
恋人をもどらせる薬
魔女よりもっと残酷な
 (2)ヨーロッパ中魔女だらけ
ロシアの魔女は狂暴だった
ほうきであとを消しながら
やっぱり家事が得意
バーバのおかげで
死神のなれのはて
日々の仕事につながっている
生活を象徴するほうき
魔女もすっかり西欧風
牛乳どろぼうの正体は?

第2章 妖精から魔女へ
 (1)森にひそむ妖精たち
ヨーロッパをおおう森
木々のあいだにひそむもの
「私たちは影なのです」
アカデミー詩人の童話集
オオカミに食べられたまま
眠れる森の物語から
バリエーションがひろがる
すぐにキレる妖精たち
小犬もかまどの火も
さらなるロマンス
妖精はやはり魔女か
おしまいにお説教
 (2)おばあさんが魔法使いに
ウェヌスの住む山へ
詩人のルサンチマン
夜の墓場で踊る娘たち
悲恋のゆくえ
死後も楽しませて
夢の世界の妖精とともに
魔女のイメージどおり
孫娘まで魔女のよう
川のほとりに住む老婆
鬼火がついてくる
この火は熱くない
まじないの治療か
魔法でなんでもできる

第3章 ほうきと黒猫の受難
 (1)魔女狩りの時代
「彼女の家」へむかう人々
時代に逆行する魔女像
夜中に空をひとっ飛び
異端にほかならない
それは迫害の理由づけか
理性の時代のできごとだった
魔女裁判マニュアル
暖炉の悪魔がささやく
へりくだる心はどこへ
なんという甘美な復讐
誰もがあの女だった
人知れず裁かれていく社会
 (2)ほうきの民俗学、黒猫の神話学
ヴァルプルギスの夜に
ほうきを跳びこえる
穂先も欠くべからず
エクスタシーのはてに
フクロウにも猫にも変身
牡山羊はなにより色好み
ときどき猫に、ときどき女に
夜の魔女がやすらう
アダムは女性の敵だ
悪魔の方がフェミニスト
「罪は女からはじまった」
フェミニズムのシンボルへ
猫がひく車に乗って
女神も魔女とともに
猫の大量虐殺事件
拷問も火あぶりもそっくり
黒猫まじないのききめ

エピローグ──魔女はふつうの女の子?

あとがき──あちら側の世界から

引用文献

「魔女とほうきと黒い猫」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 魔女のイメージの歴史。挿絵や写真も多い、敷居が低い啓蒙書である。ほうきは男根を模した物で、元々は逆に房の方を前にして跨がり、柄には媚薬を塗ってエクスタシーを感じていたそうだ。魔女も自慰をするのか。後書 魔女のイメージの歴史。挿絵や写真も多い、敷居が低い啓蒙書である。ほうきは男根を模した物で、元々は逆に房の方を前にして跨がり、柄には媚薬を塗ってエクスタシーを感じていたそうだ。魔女も自慰をするのか。後書きに『魔女の宅急便』の実写版の話があるが、それの便乗本だったのか、やたらに『宅急便』の話題が多い(本書は文庫オリジナルで、角野栄子の原作小説は前年角川文庫に入っている)。故に魔女が出る民話や伝説、バレエや小説の粗筋紹介や図版が多く、水増し感がハンパない本ではあるが、それが普通に面白いのは否めない。 …続きを読む
    厩戸皇子そっくりおじさん・寺
    2015年10月03日
    50人がナイス!しています
  • 角野栄子の「魔女の宅急便」を取っ掛かりに、ヨーロッパの魔女の歴史、魔女が人々にとってどんな存在だったかをわかりやすい口調で教えてくれる。悪いイメージも良いイメージも一緒くたの古い魔女は、人に恵みをもた 角野栄子の「魔女の宅急便」を取っ掛かりに、ヨーロッパの魔女の歴史、魔女が人々にとってどんな存在だったかをわかりやすい口調で教えてくれる。悪いイメージも良いイメージも一緒くたの古い魔女は、人に恵みをもたらす一方命を脅かす古代の神様に似ているという。どんな現象にも理論づけして正体を見ることのできる今と違う、昔の知恵を体現したのが魔女ならば、こんなに魅力的なのも納得いく。魔女狩りは中世より近世に多く、妬みや八つ当たりが原因だったりして想像以上に酷い話だった。手軽に読めて面白い。 …続きを読む
    めがねまる
    2016年11月07日
    40人がナイス!しています
  • タイトルそのまま。魔女(とされてしまった人)についての迫害の歴史や、魔女スタイルの小道具である、ほうきや黒猫についての歴史をざっと通観する。最終的に「奥さまは魔女」や「魔女の宅急便」に至って、ようやく タイトルそのまま。魔女(とされてしまった人)についての迫害の歴史や、魔女スタイルの小道具である、ほうきや黒猫についての歴史をざっと通観する。最終的に「奥さまは魔女」や「魔女の宅急便」に至って、ようやく「魔女」にも平穏な日々が訪れる。それは男性優位社会での、女性の立場を取り戻す闘いでもあったことが明らかにされる。身につまされる結論です。 …続きを読む
    へくとぱすかる
    2014年05月31日
    36人がナイス!しています

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