刺繍する少女

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
1999年08月24日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
240
ISBN:
9784043410040
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刺繍する少女

  • 著者 小川 洋子
  • 解説 飯島 耕一
  • カバーデザイン 谷口 広樹
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
1999年08月24日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
240
ISBN:
9784043410040
寄生虫図鑑を前に、捨てたドレスの中に、ホスピスの一室に、もう一人の私が立っている――。記憶の奥深くにささった小さな棘から始まる、震えるほどに美しい愛の物語。 寄生虫図鑑を前に、捨てたドレスの中に、ホスピスの一室に、もう一人の私が立っている――。記憶の奥深くにささった小さな棘から始まる、震えるほどに美しい愛の物語。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

「刺繍する少女」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 『大皿の上にはハム、燻製チーズ、ゆで卵、ロールパン…』と、”モノ”にこだわる小川さんならではの表現など、”小川洋子ワールド”をそこかしこに感じさせるこの作品。そこには、怖いもの見たさの不気味な表現などもあ 『大皿の上にはハム、燻製チーズ、ゆで卵、ロールパン…』と、”モノ”にこだわる小川さんならではの表現など、”小川洋子ワールド”をそこかしこに感じさせるこの作品。そこには、怖いもの見たさの不気味な表現などもあり物語世界を堪能させていただきました。『寄生虫』や『キリンの解剖』など、読者が思わず引いてしまうような表現を敢えて魅惑的に描き出すこの作品。10の短編がそれぞれの世界観を小気味良く作り上げていく様を見るこの作品。一つひとつの作品世界に極めて強い個性を生み出していく小川さんの魅力に改めて感じ入る作品でした。 …続きを読む
    さてさて
    2023年01月11日
    202人がナイス!しています
  • 全部で10の小品からなる短編集。現実の中に収まりつつも、そこに幽かな異和を生じさせるものと、幻想の中に入り込んでいくものとが混在するが、どちらかといえば、前者が多いか。「森の奥で燃えるもの」などは後者の 全部で10の小品からなる短編集。現実の中に収まりつつも、そこに幽かな異和を生じさせるものと、幻想の中に入り込んでいくものとが混在するが、どちらかといえば、前者が多いか。「森の奥で燃えるもの」などは後者の代表格だが、耳の中から取り出す「ぜんまい腺」などは奇妙なリアリティを感じさせる。また「図鑑」における「目」の不気味さも捨てがたい。島尾敏雄のシュール系列の作品を思わせる。ただ全体としては、個々の作品が短いために、本来の小川洋子ワールドの濃密さにはやや欠けるようで、幾分か物足りない感は否めないか。 …続きを読む
    ヴェネツィア
    2012年10月06日
    182人がナイス!しています
  • 残酷でグロテスクで哀しいものを、美しく儚い言葉で磨き上げてしまう小川洋子。物語の登場人物の行動から透けて見える狂気、言葉の端々に見え隠れする毒、そしてそのずっと奥の奥底に沈められた哀しみ。人はきれいな 残酷でグロテスクで哀しいものを、美しく儚い言葉で磨き上げてしまう小川洋子。物語の登場人物の行動から透けて見える狂気、言葉の端々に見え隠れする毒、そしてそのずっと奥の奥底に沈められた哀しみ。人はきれいなだけでは生きられない。誰しも何かしらの闇を包み隠して生きている。一篇の物語の中に切り取られた命の瞬間。その瞬間々々を先へ先へと伸ばしながら、物語の続きを人は生きるのだ。これは初期の小川洋子の作風になるのだろうか。まだ幻想性は前面に出ていないが、現実に足が着いているぶん、随所に仕掛けられた毒がじわじわとまわる。 …続きを読む
    風眠
    2020年01月06日
    127人がナイス!しています

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