掲載開始日 2022年02月03日
KADOKAWA 2022年3月期 第3四半期決算発表
北米を中心とした海外事業の高成長が続き、増収に貢献 電子書籍も引き続き伸長
株式会社KADOKAWA(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:夏野剛、東証一部:9468)は、2022年2月3日(木)、2022年3月期 第3四半期決算を公表いたしました。
■2022年3月期 第3四半期決算のハイライト
・2022年3月期 第3四半期連結累計売上高は、出版セグメントにおいて海外事業や電子書籍が大きく伸長し、前年同期比+3.2%の増収を牽引。
株式会社KADOKAWA(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:夏野剛、東証一部:9468)は、2022年2月3日(木)、2022年3月期 第3四半期決算を公表いたしました。
■2022年3月期 第3四半期決算のハイライト
・2022年3月期 第3四半期連結累計売上高は、出版セグメントにおいて海外事業や電子書籍が大きく伸長し、前年同期比+3.2%の増収を牽引。
・コミックス、ライトノベルへの評価の高まりを背景に、出版事業のグローバルビジネス化が大きく加速。出版セグメントの海外売上高は第3四半期累計前年同期比で+85%、連結売上高に占める海外売上高比率は12.5 %に上昇。
■2022年3月期 第3四半期決算 各セグメントの業績
<出版セグメント>
当セグメントの第3四半期累計売上高は(前年同期比3.7%増)、セグメント利益(営業利益)は131億27百万円(前年同期比39.2%増)となりました。
当社を取り巻く環境として、現在、北米を中心とした海外で日本アニメへの人気が高まっており、原作であるコミックス、ライトノベルに対する需要が急上昇しています。
北米を中心とした海外事業が高成長を継続していることに加え、権利許諾収入の伸長、前年に引き続き返品率が良化していることが収益貢献しました。国内では、第165回直木三十五賞受賞の『テスカトリポカ』、第166回直木三十五賞受賞の『黒牢城』(いずれも文芸単行本)をはじめ、『聖域』(ノンフィクション)、『パンどろぼう』(児童書)、『ファイブスター物語(16)』(コミックス)などの販売が好調に推移しました。
電子書籍は、市場全体の成長が継続していることに加え、当社が得意とする異世界ジャンルコミックスなどが好調に推移していることや自社ストアであるBOOK☆WALKERにおけるユーザー数の増加、海外向け売上の順調な伸長により好調に推移しました。
雑誌は、前期より強化している休刊・デジタルシフトの取り組みが功を奏し、収益性が改善しております。
<映像セグメント>
当セグメントの第3四半期累計売上高は247億38百万円(前年同期比10.2%増)、セグメント利益(営業利益)は13億98百万円(前年同期比39.6%減)となりました。
実写映像では、映画『ヤクザと家族 The Family』、『ファーストラヴ』の配信が収益に貢献しました。また、デジタル映画鑑賞券「ムビチケ」やスタジオ事業などでは、一部で新型コロナウイルス感染症拡大による映画館席数制限、時短営業の影響が見られたものの、前年の水準からは回復しております。
アニメにおいては、中国規制影響による一部アニメ作品の放映スケジュール変更や、製作費の増加などにより減益となるも、国内では『世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する』、『聖女の魔力は万能です』などの配信による収入に加え、『Re:ゼロから始める異世界生活』や『この素晴らしい世界に祝福を!』をはじめとした当社アニメIPの他社ゲームへの活用による権利許諾が引き続き業績に貢献しました。海外でも上記タイトルを中心としてアニメ配信、権利許諾収入が成長しており、増収に寄与しております。
<ゲームセグメント>
当セグメントの第3四半期累計売上高は76億42百万円(前年同期比38.2%減)、セグメント利益(営業利益)は4億6百万円(前年同期比86.2%減)となりました。
『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』など、旧作のリピート販売が減少したことに加え、共同・受託開発事業では、大型作品を発売した前年からの反動と開発スケジュールの見直しにより減収となりました。なお、(株)フロム・ソフトウェアから期待の新作『ELDEN RING(エルデンリング)』が2022年2月25日(金)に発売予定です。
<Webサービスセグメント>
当セグメントの第3四半期累計売上高は163億37百万円(前年同期比0.5%減)、セグメント利益(営業利益)は20億14百万円(前年同期比3.4%減)となりました。
動画コミュニティサービスでは、動画配信サービス「ニコニコ」の月額有料会員(プレミアム会員)が12月末には143万人となり、前年12月末からは減少となっております。しかしながら、ニコニコチャンネル、有料生放送、生放送番組・動画にアイテムを贈る「ギフト」、広告など収益源の多様化への取り組みにより業績が従来よりも安定的に推移しております。各種イベントの企画・運営では、「Animelo Summer Live 2021」や「The VOCALOID Collection ~2021 Autumn~」を開催し、売上に貢献しました。
<その他セグメント>
当セグメントの第3四半期累計売上高は168億58百万円(前年同期比32.4%増)、セグメント損失(営業損失)は20億92百万円(前年同期 営業損失29億94百万円)となりました。
教育事業においては、インターネットによる通信制高校であるN高等学校・S高等学校で生徒数が順調に増加しており、同校などに教育コンテンツの提供を行う(株)ドワンゴの収益貢献により、引き続き好調に推移しました。また、クリエイティブ分野の人材育成スクールを運営する(株)バンタンでも新たに名古屋校を開校するなどの積極的な投資の中で、売上、利益ともに引き続き成長しております。
コトビジネスにおいては、角川武蔵野ミュージアム、EJアニメホテル、イベントホール、飲食店などの商業施設を展開するところざわサクラタウンが前期に新規開業し、売上に寄与しました。
■2022年3月期 通期連結業績および今後の見通し
2022年3月期の通期連結業績見通しに、変更はありません。
第4四半期には期待の大型ゲーム作品『ELDEN RING(エルデンリング)』の発売を予定しております。さらに来期に向けて、出版・アニメにおいても、人気シリーズの新作を含む充実したメディアミックス作品のラインナップを準備しております。これまで、海外からの評価が高い日本のコンテンツはゲーム、アニメが中心でしたが、出版事業もグローバルビジネスへと変貌を遂げつつあります。日本アニメへの人気が起点となり、原作であるコミックスやライトノベルに対する需要が急上昇、市場に大きな変化が訪れています。翻訳機能などを強化し、出版点数の増加と刊行のスピードアップを図ってまいります。
今後は中長期についてもグローバル化が顕著な出版事業・アニメ事業における海外事業や教育事業などを中心に継続的な成長を見込んでおります。
※当期決算の詳細については、当社グループ ポータルサイト「IR情報」ページ上の2022年3月期 第3四半期決算短信、決算説明資料、ファクトシートをご覧ください。(https://group.kadokawa.co.jp/ir/)