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道尾秀介×中野信子、同い年ふたりのスペシャル対談!新作『スケルトン・キー』に脳科学者が切り込む!

「読者と勝負したい」満を持して選んだテーマは・・・



株式会社KADOKAWAは、新作『スケルトン・キー』の発売を記念し、著者・道尾秀介氏と脳科学者・中野信子氏による対談を書籍PR誌「本の旅人」2018年8月号(7月27日発行)および文芸情報サイト「カドブン」https://kadobun.jp/talks/74/5af8582a(7月30日より配信)にて発表しました。

1975年に生まれた直木賞作家と脳科学者が、奇しくも同じ「サイコパス」というテーマを選び執筆。今回、道尾氏が中野氏の著書『サイコパス』(文春新書)を以前より愛読しており、新作の参考資料として挙げたことから対談が実現しました。そんな同い年のおふたりによる対談の冒頭を少しだけお届けします。



心理的なブレーキを外す
道尾 今回、『スケルトン・キー』を書くにあたって、参考資料の一冊として中野さんの『サイコパス』(文春新書)を挙げさせていただきました。これ、もともと好きで読んでいたんです。小説の主人公にしようとは思っていませんでしたけど。

中野 好きで読んでいただいていたなんて光栄です。道尾さんの文章はすごいとずっと思っていたので、テレビ番組で初めてご一緒したときに、「本物がいる!」と(笑)。

道尾 僕も中野さんの文章、読みやすくて好きですね。すごくわかりやすい。ちょっと話が難しくなったときに、絶妙なタイミングで箇条書きにしてまとめてくれたり。でも、小説ではそれができないんですよね。主人公の心理描写をわかりやすくしようと、カットバック的に過去のことをもう一度書くこともできるんですけど、道に迷っていない読者にとっては冗長になるから。

中野 そういう場合、どうされているんだろうとずっと思っていました。道尾さんくらいの手練れだと、リテラシーの高い読者さんがついてらっしゃるんでしょうけど、その人たち向けに書くと、初めての読者にはちょっとジャンプがあるなというところもあるでしょうし。その兼ね合いにご苦労されているんじゃないかなと思っていました。今回の『スケルトン・キー』でも、ジャンプ感を楽しめるところと、わかりやすく丁寧に書かれているところと両方ありましたね。
主人公がサイコパスだという設定について言えば、生まれつきの犯罪者だと思われないように、良い部分を説明することでクッションにされている。それを物語の中でこう表現するのか、と唸りました。読者の不快感をやわらげたり、逆にざらつかせたりすることで、主人公を魅力的に見せるのもさすがでしたね。

道尾 書くときに気づいたんですが、サイコパスの一人称って実は珍しいんですよね。

中野 ああ、そうか。そうですよね。

道尾 もともとレクター博士シリーズとか、映画で言うと「SAW」シリーズとかがすごく好きなんです。でもサイコパスの内面を描いていないというちょっとした不満があって。『羊たちの沈黙』でもクラリスという主人公がいて、サイコパスのレクター博士は登場人物の一人。たしかにそのほうが圧倒的に書きやすいんですが。

中野 第三者の視点でサイコパスを描くほうが書きやすいんですね。

この続きは、「本の旅人」や「カドブン」でお楽しみください!
対談 取材・文 /タカザワケンジ 撮影/ホンゴユウジ

■プロフィール
道尾秀介(みちお・しゅうすけ)
1975年生まれ。2004年『背の眼』で第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞し、05年同作にてデビュー。同年に上梓された『向日葵の咲かない夏』が08年に文庫化され、100万部を超えるベストセラーに。07年『シャドウ』で第7回本格ミステリ大賞、09年『カラスの親指』で第62回日本推理作家協会賞、10年『龍神の雨』で第12回大藪春彦賞、『光媒の花』で第23回山本周五郎賞を受賞。11年、史上初となる5回連続候補を経て『月と蟹』で第144回直木賞を受賞。他に『鬼の跫音』『球体の蛇』『満月の泥枕』『風神の手』など著作多数。日本では数少ないボーンズ(アイルランドの打楽器)奏者として、また、歌手の谷本賢一郎氏と音楽ユニット「DEN」を組みライブ活動を行なうなど多彩な才能を持つ。18年6月30日公開の映画『名前』(道尾氏原案)に主題歌として「DEN」の楽曲『光』を提供している。

中野信子(なかの・のぶこ)
1975年東京都生まれ。東京大学工学部を卒業後、同大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程を修了し、現在まで脳科学者として精力的な活動を続ける。2008年から10年まで、フランス国立研究所にて博士研究員として勤務。現在、東日本国際大学教授。著書に『サイコパス』『シャーデンフロイデ -他人を引きずり下ろす快感-』などがある。

『スケルトン・キー』について



■あらすじ 「僕に近づいてはいけない。あなたを殺してしまうから」
週刊誌記者のスクープ獲得の手伝いをしている僕、坂木錠也(さかきじょうや)。この仕事を選んだのは、スリルのある環境に身を置いて心拍数を高めることで、自分の狂気を抑え込むことができるからだ。
僕のような人間をサイコパスと言うらしい。だから、気をつけて生きてきた。
もう一人の僕が、なるべく顔を出さないように。
最近は、まともな状態を保てている。でもある日、児童養護施設でともに育った仲間から電話がかかってきて、日常が変わりはじめた。これまで必死に守ってきた平穏が、壊れてしまう――
僕に近づいてはいけない。殺してしまうから。あなたは死んでしまうから。
※情報サイト https://www.kadokawa.co.jp/product/321801000184/

■書誌情報
発売日:2018年7月27日 ★電子書籍配信中
定価:本体1500円+税
体裁:四六判上製
頁数:280頁
装丁:高柳雅人
装画:長谷亮平
発行:株式会社KADOKAWA
初出:「小説 野性時代」2018年3月号~2018年6月号

「本の旅人」について
株式会社KADOKAWAが発行する書籍PR誌です。2018年8月号は、全国の書店およびKADOKAWAオフィシャルサイト(https://www.kadokawa.co.jp/product/321702001273/)で購入いただけます。
定価(税込):100円

「カドブン」について
作家と読者の橋渡し役を担う文芸の編集者自らが、読者の皆様へ出来る限り近い距離で「物語」の面白さを伝え、読書の楽しみを伝えたいとの願いから生まれたメディアです。「物語」を愛するすべての人へ向けた、作家インタビューや書評、特集企画等のコンテンツを毎日(月曜~金曜)配信します。【公式サイト】https://kadobun.jp/