私労働小説 負債の重力にあらがって

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2025年10月23日
判型:
四六判
ページ数:
272
ISBN:
9784041141427

私労働小説 負債の重力にあらがって

  • 著者 ブレイディ みかこ
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2025年10月23日
判型:
四六判
ページ数:
272
ISBN:
9784041141427

Don‘t Blame Yourself!ジョブには戦いがつきまとう

Don‘t Blame Yourself!
セクハラ、パワハラ、カスハラ、人種差別に事なかれ主義やポジティブ教の上司まで。
ジョブには最低なものとの戦い(ワーク)がつきまとう。
ホールスタッフ、激安量販店の店員、屋敷の掃除人にローンの督促人etc.
「底辺託児所」の保育士となるまでに経た数々のシット・ジョブを軸に描く、自伝的小説にして魂の階級闘争。

「あたしたちは負債の重力に引きずられて生きている。」
だが、負債を返済するために生き続けたら人間は正気を失ってしまう。シット・ジョブ(くそみたいに報われない仕事)。
店員やケアワーカーなどの「当事者」が自分たちの仕事を自虐的に指す言葉だ。
他者のケアを担う者ほど低く扱われ、「自己肯定感を持とう」と責任転嫁までされる社会。自らを罰する必要などないのに。
働き、相手に触れ、繋がる。その掌から知恵は芽吹き、人は生まれ直し、灰色の世界は色づく。
数多のシット・ジョブを経た著者が自分を発見し、取り戻していった「私労働」の日々を時に熱く、時に切なく綴る連作短編集。

みんな誰かに負債を返すために生きている。それこそが、闇だ
■面倒を避け続ける職場では、いいことは悪いことになり、悪いことがいいことになる。
■上から目線の人々は、あまりに視線の位置が高すぎて、その位置から下の人間の姿が見えてない。だけど、なんとなく下のほうに人がいる気配がするので、とりあえず声はかけておくが、相手の姿は見えないし声も聞こえないのだ。
■嫌と言えない理由があるから貸すのであり、返さなくてもいいという暗黙の了解もあるのだ。こういう特殊な取り決めが成り立つ関係を、家族と呼ぶのだろうか。
Don‘t Blame Yourself!
セクハラ、パワハラ、カスハラ、人種差別に事なかれ主義やポジティブ教の上司まで。
ジョブには最低なものとの戦い(ワーク)がつきまとう。
ホールスタッフ、激安量販店の店員、屋敷の掃除人にローンの督促人etc.
「底辺託児所」の保育士となるまでに経た数々のシット・ジョブを軸に描く、自伝的小説にして魂の階級闘争。

「あたしたちは負債の重力に引きずられて生きている。」
だが、負債を返済するために生き続けたら人間は正気を失ってしまう。シット・ジョブ(くそみたいに報われない仕事)。
店員やケアワーカーなどの「当事者」が自分たちの仕事を自虐的に指す言葉だ。
他者のケアを担う者ほど低く扱われ、「自己肯定感を持とう」と責任転嫁までされる社会。自らを罰する必要などないのに。
働き、相手に触れ、繋がる。その掌から知恵は芽吹き、人は生まれ直し、灰色の世界は色づく。
数多のシット・ジョブを経た著者が自分を発見し、取り戻していった「私労働」の日々を時に熱く、時に切なく綴る連作短編集。

みんな誰かに負債を返すために生きている。それこそが、闇だ
■面倒を避け続ける職場では、いいことは悪いことになり、悪いことがいいことになる。
■上から目線の人々は、あまりに視線の位置が高すぎて、その位置から下の人間の姿が見えてない。だけど、なんとなく下のほうに人がいる気配がするので、とりあえず声はかけておくが、相手の姿は見えないし声も聞こえないのだ。
■嫌と言えない理由があるから貸すのであり、返さなくてもいいという暗黙の了解もあるのだ。こういう特殊な取り決めが成り立つ関係を、家族と呼ぶのだろうか。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

もくじ

第一話 ママの呪縛
第二話 失われたセキュリティを求めて 
第三話 アジアン・レストランの舞台裏
第四話 ある見習い掃除人の手引書
第五話 店長はサクセスお化け
第六話 ある督促ガールの手記
あとがき

「私労働小説 負債の重力にあらがって」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • みかこさんが携わってきた仕事についての物語第2弾。第1話「みんなのお母さんになりたい」というスナックのママ。「血はつながってないけど、みんなファミリー」という考え方が凝縮されると、葉真中さんの「家族」の みかこさんが携わってきた仕事についての物語第2弾。第1話「みんなのお母さんになりたい」というスナックのママ。「血はつながってないけど、みんなファミリー」という考え方が凝縮されると、葉真中さんの「家族」の怖ろしさにつながっていきそうで怖い。第2話でスーパーの店長が考えるセキュリティーは、従業員を支配する方向にのみ働く。本来のセキュリティーが機能しなくなった店で、ともに闘う従業員のタッグがすばらしい。他にもレストラン、個人宅の清掃人、衣料量販店、信販会社督促課…身近な仕事の6篇すべてが今をくっきり映している。 …続きを読む
    ででんでん
    2025年12月09日
    57人がナイス!しています
  • 六話の葛藤と静かな闘争の自伝的小説だった。水商売、スーパー、レストラン、掃除人等が登場するが誰もが何かの重荷を背負っている。労働と負債返済道徳という支配に囚われながら生活している。金銭との見返りで自分 六話の葛藤と静かな闘争の自伝的小説だった。水商売、スーパー、レストラン、掃除人等が登場するが誰もが何かの重荷を背負っている。労働と負債返済道徳という支配に囚われながら生活している。金銭との見返りで自分自身をがんじがらめにして苦しんでいるようにも思える。権利と主張はするが諦めも混ざっている。あの時代の英国、アイルランドで搾取されていた従業員のため息や嘲りが鮮やかに伝わってきた。「店長はサクセスお化け」が印象に残った。嫌な客に対して見事な機転でやり返した福店長に拍手喝采。 …続きを読む
    シャコタンブルー
    2025年11月19日
    46人がナイス!しています
  • 勤め先のスナックのママにストーカーされる。万引きを捕まえて叱られる。皿洗いで雇われたのに、チャイナドレスを着て受付に立たされる。邸宅の清掃バイトをして、”見るな”とメモされていたものを目にする。量販店で 勤め先のスナックのママにストーカーされる。万引きを捕まえて叱られる。皿洗いで雇われたのに、チャイナドレスを着て受付に立たされる。邸宅の清掃バイトをして、”見るな”とメモされていたものを目にする。量販店で列に割り込んできた男をのらりくらりと時間をかけてあしらう。借金取り立ての電話をして、盾にされた子供を相手に、自らの幼少時代を回想する。…末端に追いやられ、給仕するだけの側に回り、観察し、呆れながら、自らの身の上を受け入れる。稼ぐのは、富を築くためではなく、負債の重さにあらがうため。人々は今日も暮らしている。 …続きを読む
    読特
    2025年11月09日
    46人がナイス!しています

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