「自傷的自己愛」の精神分析

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2022年12月09日
判型:
新書判
商品形態:
新書
ページ数:
264
ISBN:
9784040824307
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「自傷的自己愛」の精神分析

  • 著者 斎藤 環
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2022年12月09日
判型:
新書判
商品形態:
新書
ページ数:
264
ISBN:
9784040824307

「自分が嫌い」「自分のことを考えるのに忙しい」人が増えている。

「自分には生きている価値がない」「ブサイクだから異性にモテない」。

極端な言葉で、自分を傷つける人が増えている。
「自分が嫌い」をこじらせてしまった人たちの、自傷行為のように見える言動。

その深層心理にひきこもり専門医である精神科医が迫る。
誰にでも何歳からでも起こり、一度おちいると出られない、徹底的な自己否定。
「ダメな自分」の思い込みを見つめ直し、健全な自己愛を取り戻す方法を探る。
「自分には生きている価値がない」「ブサイクだから異性にモテない」。

極端な言葉で、自分を傷つける人が増えている。
「自分が嫌い」をこじらせてしまった人たちの、自傷行為のように見える言動。

その深層心理にひきこもり専門医である精神科医が迫る。
誰にでも何歳からでも起こり、一度おちいると出られない、徹底的な自己否定。
「ダメな自分」の思い込みを見つめ直し、健全な自己愛を取り戻す方法を探る。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

もくじ

はじめに――インセルたちの犯罪、非モテと憎悪、自己否定と絶望の加速、反社会から非社会へ、「無敵の人」になる、「自己責任」という規範が人を追い詰める、ひきこもりの自意識、人がひきこもるきっかけ、ほめられても自分の価値を感じられない、成功しても自己肯定感が得られない、自傷的自己愛の発見、自己中心的な行動の裏に何があるのか

第一章 「自己愛」は悪いものか――精神医学界で否定されてきた自己愛、トランプ元米大統領は自己愛性パーソナリティ障害か、精神分析における「自己愛」、ラカンのナルシシズム、「小さな違いの自己愛」、「自分が大嫌い」の精神分析、コフートの自己愛理論、「自己」と「対象」の望ましい関係、適度の欲求不満の大切さ、家族が与えられない性愛のスキル、家族以外の対人関係が大事、生きていくうえでかかせない自己愛、プライドは高いが自信はない、自己否定は承認を求めるアピール、誰もがおちいる可能性のある「自己愛の捻れ」、自傷的自己愛者と家族、「自分はダメだ」と考えがちな人たち

第二章 自分探しから「いいね」探しへ――「自分が嫌い」と自己嫌悪は違う、戦後精神史はどう移り変わったか、八十年代後期 境界例の時代、心理学の一大ブーム、九十年代後期 解離の時代、承認の不安の前景化、就労動機は承認のため、「自分に変化なんか起きるわけがない」、自分を承認することが苦手、集合的承認の落し穴、つながり依存、コミュ力が低いとカースト下位に転落する社会、キャラ化とスクールカースト、キャラとしての承認、解離の時代にキャラ化が進む、「コミュニケーションと承認」が幸福の条件、「キャラ化」で救われる七割 割りを食う三割、自分のキャラがわからない、ネガティブなキャラはステレオタイプにまとめられがち、「新型うつ」の誕生、「発達障害」のキャラ化、承認欲求から陰謀論へ

第三章 過去からの呪いを解く――「ひきこもり」は誰にでも起きうる、男性と女性の「自傷的自己愛」の違い、母は娘を身体から支配する、身体性とジェンダーバイアス、「否定」と「愚痴」という支配、「母殺し」の困難、親と子の呪縛を解くために、問題に気付き、相対化する、母娘問題の黒幕は父親

第四章 健全な自己愛を育むために――「自己肯定感」は続かない、自己肯定感がなくても、頑張る人たち、不安を感じない作家は極めて稀、幸福度と自己肯定感の相関関係、カルトの洗脳手法、「優生思想」、「我執」をどうする、「健康的な自己愛」とはどういうものか、私自身の自己愛、自分自身でありたい、自分の尊厳は自分で守る、自傷性のやわらげ方、オープンダイアローグ

「「自傷的自己愛」の精神分析」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 著者の専門である「ひきこもり」の知見を利用して「自傷的自己愛」という社会的現象を論じている。「自己愛とは「自分が好き」という感情ではなく、「自分自身でありたい」という欲望のことである。」これが痛いほど 著者の専門である「ひきこもり」の知見を利用して「自傷的自己愛」という社会的現象を論じている。「自己愛とは「自分が好き」という感情ではなく、「自分自身でありたい」という欲望のことである。」これが痛いほど響く人は本書を読む価値はある。著者が度々使う自己愛の定義「自分が嫌い、というそんな自分が大好き」に「自傷的自己愛」という別名を付しただけで、残念なことに新しい言葉ではなく、「ひきこもり」の心性そのものである。概念的な話が前半にあり、第1章が読み辛い印象がある。後ろの第4章から読んでいく方が読み進めるのに苦労し …続きを読む
    ころこ
    2023年01月04日
    49人がナイス!しています
  • 読みながら、どこかで頻繁に引っかかるものがあり、咀嚼するのに一苦労する。 自己について、ネガティブな形で考え続けるという、逆説的に自己に強い関心があるとの感情を「自傷的自己愛」(p35)と呼び、その自己愛 読みながら、どこかで頻繁に引っかかるものがあり、咀嚼するのに一苦労する。 自己について、ネガティブな形で考え続けるという、逆説的に自己に強い関心があるとの感情を「自傷的自己愛」(p35)と呼び、その自己愛を規定するものと、それらと付き合う作法について、解説する内容となる。 内容の多くは、これまでの心理学ブームがもたらしたもの、旧態依然の暴力的なものを肯定する風潮や、他者への安易な位置づけ等、自傷的なあり方に繋がる諸要素を指摘するものである。これらを読んでいくと、ある意味で自己を規定するものを相対化していく …続きを読む
    Utsuro
    2023年03月11日
    30人がナイス!しています
  • 「自傷的自己愛」の精神分析。 斎藤 環先生の著書。承認欲求が満たされないと自傷的自己愛になりやすい。自分に自信がないと自傷的自己愛になりやすい。誰からも認められなくても気にしない。他人から批判されたり嫌 「自傷的自己愛」の精神分析。 斎藤 環先生の著書。承認欲求が満たされないと自傷的自己愛になりやすい。自分に自信がないと自傷的自己愛になりやすい。誰からも認められなくても気にしない。他人から批判されたり嫌われても気にしない。自分勝手でもかまわない。自分のことを守れるのは自分だけ。自分のことを一番大好きなのは自分。自傷的自己愛ではなくて純粋な自己愛が大切。自分を大好きになること。自分が一番。自分優先主義を貫くこと。 …続きを読む
    香菜子(かなこ・Kanako)
    2023年08月18日
    28人がナイス!しています

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