幽霊絵師火狂 筆のみが知る

幽霊絵師火狂 筆のみが知る

  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2022年06月30日
判型:
四六判
ページ数:
256
ISBN:
9784041117323

幽霊絵師火狂 筆のみが知る

  • 著者 近藤 史恵
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2022年06月30日
判型:
四六判
ページ数:
256
ISBN:
9784041117323

その男の絵は、怖くて、美しくて、すべてを暴く。

大きな料理屋「しの田」のひとり娘である真阿。十二のときに胸を病んでいると言われ、それからは部屋にこもり、絵草紙や赤本を読む毎日だ。あるとき「しの田」の二階に、有名な絵師の火狂が居候をすることになる。「怖がらせるのが仕事」と言う彼は、怖い絵を描くだけではなく、普通の人には見えないものが見えているようだ。絵の犬に取り憑かれた男、“帰りたい”という女の声に悩む旅人、誰にも言えない本心を絵に込めて死んだ姫君……。幽霊たちとの出会いが、生きる実感のなかった真阿を変えていく。 大きな料理屋「しの田」のひとり娘である真阿。十二のときに胸を病んでいると言われ、それからは部屋にこもり、絵草紙や赤本を読む毎日だ。あるとき「しの田」の二階に、有名な絵師の火狂が居候をすることになる。「怖がらせるのが仕事」と言う彼は、怖い絵を描くだけではなく、普通の人には見えないものが見えているようだ。絵の犬に取り憑かれた男、“帰りたい”という女の声に悩む旅人、誰にも言えない本心を絵に込めて死んだ姫君……。幽霊たちとの出会いが、生きる実感のなかった真阿を変えていく。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

もくじ

序幕
座敷小町
犬の絵
荒波の帰路
彫師の地獄
悲しまない男
若衆刃傷
夜鷹御前
筆のみが知る
終幕

「幽霊絵師火狂 筆のみが知る」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 胸を病み一番奥の小さい部屋で一日のほとんどを寝て過ごす料理屋「しの田」一人娘真阿。時々母の目を盗み庭に出たり、絵草子や赤本を読む日々。ある時、二階の奥の部屋に居候として絵師火狂がやってくる、部屋を訪ね 胸を病み一番奥の小さい部屋で一日のほとんどを寝て過ごす料理屋「しの田」一人娘真阿。時々母の目を盗み庭に出たり、絵草子や赤本を読む日々。ある時、二階の奥の部屋に居候として絵師火狂がやってくる、部屋を訪ねた真阿に「どうした誰を連れてきた」、普通の人には見えないものが見えているようにいう・・黒い犬が水浅葱の裃を着る「死に絵」に憑りつかれた男、吉原花魁「秋香」の錦絵が「帰りたい」という・・旅先で殺された男、弟弟子に版下絵を描いてやってほしいという彫師・・火狂の幽霊絵と訪れるいわくありげな者と夢の謎解。面白く読了。 …続きを読む
    たっくん
    2022年09月04日
    241人がナイス!しています
  • 幽霊絵師・火狂と、居候先の料理屋「しの田」のひとり娘・真阿。思いを残してこの世を去った者の執念と、身勝手な人間の業が引き起こした怪異の謎を二人が解き明かす怪異ミステリ。恐怖ではなく、もの悲しさを感じる 幽霊絵師・火狂と、居候先の料理屋「しの田」のひとり娘・真阿。思いを残してこの世を去った者の執念と、身勝手な人間の業が引き起こした怪異の謎を二人が解き明かす怪異ミステリ。恐怖ではなく、もの悲しさを感じる物語。秋の夜長にちょっと異世界に思いを馳せる読書でした。 …続きを読む
    まちゃ
    2022年11月11日
    209人がナイス!しています
  • 幽霊譚の風味が入ったミステリィだと思って読んだがミステリィの風味が入った幽霊譚だったので初出(「怪と幽」)を見直して納得。近藤史恵はデビュー以来読んでいるが、鮎川賞出身のせいか最初の内は新本格(京大・ 幽霊譚の風味が入ったミステリィだと思って読んだがミステリィの風味が入った幽霊譚だったので初出(「怪と幽」)を見直して納得。近藤史恵はデビュー以来読んでいるが、鮎川賞出身のせいか最初の内は新本格(京大・メフィスト系)とはちょっと色が異なり、ミステリィとしては余剰な何かが多い作品が多く、微妙かなぁと思っていたが、令和の今改めて見るとサバイブしたという意味では屈指。題材の幅と余剰と思っていた心理性が勝因だと思う。と考えると死者の残った思いを絵を通じ垣間見せる本作の様な作品が面白いのは当然か。また主役の二人が良い …続きを読む
    どら
    2022年07月15日
    201人がナイス!しています

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