甘夏とオリオン

甘夏とオリオン

  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2019年12月12日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
360
ISBN:
9784041089125

甘夏とオリオン

  • 著者 増山 実
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2019年12月12日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
360
ISBN:
9784041089125

人はいつだって、誰かを待っているんやね。

大阪の下町、玉出の銭湯に居候する駆け出しの落語家・甘夏。彼女の師匠はある日、一切の連絡を絶って失踪した。師匠不在の中、一門を守り、師匠を待つことを決めた甘夏と二人の兄弟子。一門のゴシップを楽しむ野次馬、女性落語家への偏見――。苦境を打開するため、甘夏は自身が住んでいる銭湯で、深夜に「師匠、死んじゃったかもしれない寄席」を行うことを思いつく。寄席にはそれぞれに事情を抱える人々が集まってきて――。
大阪の下町、玉出の銭湯に居候する駆け出しの落語家・甘夏。彼女の師匠はある日、一切の連絡を絶って失踪した。師匠不在の中、一門を守り、師匠を待つことを決めた甘夏と二人の兄弟子。一門のゴシップを楽しむ野次馬、女性落語家への偏見――。苦境を打開するため、甘夏は自身が住んでいる銭湯で、深夜に「師匠、死んじゃったかもしれない寄席」を行うことを思いつく。寄席にはそれぞれに事情を抱える人々が集まってきて――。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

「甘夏とオリオン」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 師匠が失踪した・・桂夏之助はこの道三十年以上のベテラン落語家。「来たらすぐに袖に声をかけるんやで」寄席小屋、南條亭の席亭高岡は色を失った顔で桂甘夏に声をかけた。今高座に上がっているのは桂竹傳、万事器用 師匠が失踪した・・桂夏之助はこの道三十年以上のベテラン落語家。「来たらすぐに袖に声をかけるんやで」寄席小屋、南條亭の席亭高岡は色を失った顔で桂甘夏に声をかけた。今高座に上がっているのは桂竹傳、万事器用で評判の落語家の機転で何とかでしのいだが・・甘夏は、夏之助の門をたたいて三年、大阪、玉出の銭湯の二階に間借りする駆け出しの女性落語家。師匠不在の一門を守るべく甘夏は小夏、若夏、二人の兄弟子と甘夏の住む銭湯で深夜、「師匠、死んじゃったかもしれない寄席」を開くことを思いつく・・。桂枝雀を彷彿とさせる、面白い。 …続きを読む
    たっくん
    2020年03月02日
    138人がナイス!しています
  • 登場する落語ネタの多さに上方落語ファンとして私はまだまだだと思ってしまう。そりゃ、全部のサゲまで言えたらこの私今頃は落語家の端くれになってるかもです。物語の冒頭から師匠が失踪した!と始まるわけで、失踪 登場する落語ネタの多さに上方落語ファンとして私はまだまだだと思ってしまう。そりゃ、全部のサゲまで言えたらこの私今頃は落語家の端くれになってるかもです。物語の冒頭から師匠が失踪した!と始まるわけで、失踪の理由とかを笑いにもっていくのかなと思いきや、そこは「波の上のキネマ」の増山さんです。残された3人の弟子のうち一人が女性落語家の甘夏、彼女を中心に物語は展開する。駆け出しの甘夏が女性落語家であることの難しさ、兄弟子たちとの交流を通じて師匠の帰りを待つという切なさや愛おしさがいっぱい詰まった作品。いいな、落語。 …続きを読む
    タイ子
    2020年02月09日
    114人がナイス!しています
  • とにかく軽妙な大阪弁の掛け合いが心地いい人情味溢れる上方落語物語。舞台は現代の大阪、今でもまだ珍しい女性の噺家として歩み出した甘夏の泣き笑い人生修行ぶりを楽しめた。ネタ噺も満載なのがいい。話は冒頭から とにかく軽妙な大阪弁の掛け合いが心地いい人情味溢れる上方落語物語。舞台は現代の大阪、今でもまだ珍しい女性の噺家として歩み出した甘夏の泣き笑い人生修行ぶりを楽しめた。ネタ噺も満載なのがいい。話は冒頭から大変な事態。そこは落語家たち、ひねりの効いた事を始めるが…。女の落語家では笑えない、今でもそんなことをと思ったが、ネタの変遷から来る背景を知り女性の噺家の大変さを理解した。師匠たちのいい落語とはの一家言はどれも納得。いい落語は聴いた人の心のすき間を埋めてくれる。落語ってやっぱいい、読み終えて改めてそう思った。 …続きを読む
    buchipanda3
    2019年12月21日
    107人がナイス!しています

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