男色の景色

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2019年03月23日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
320
ISBN:
9784044004606
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男色の景色

  • 著者 丹尾 安典
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2019年03月23日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
320
ISBN:
9784044004606

日本文化史を艶に彩る、男と男のいる風景

かつてこの国にあった美童文化。江戸・明治の錦絵に刻まれた男倡の影。文豪が変名で寄せた同性愛小説。菊、梅、杜若、水仙の華に込められた、若契と衆道のサイン――。幾重にも響きあって呼応する文化の複層にわけいれば、ときに秘され、ときに失われた男色の景色が浮かびあがる。万葉集の相聞歌から、平安貴人の日記、世阿弥、琳派、三島由紀夫、川端康成、中原淳一まで。今はなき東京の盛り場を訪ねた「東都戦後男色地図」を増補。 かつてこの国にあった美童文化。江戸・明治の錦絵に刻まれた男倡の影。文豪が変名で寄せた同性愛小説。菊、梅、杜若、水仙の華に込められた、若契と衆道のサイン――。幾重にも響きあって呼応する文化の複層にわけいれば、ときに秘され、ときに失われた男色の景色が浮かびあがる。万葉集の相聞歌から、平安貴人の日記、世阿弥、琳派、三島由紀夫、川端康成、中原淳一まで。今はなき東京の盛り場を訪ねた「東都戦後男色地図」を増補。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

もくじ

第一章 嘆息
第二章 連れ鳴く雁
第三章 一条の水脈
第四章 華苑
第五章 そへ歌
第六章 礼装
東都戦後男色地図──あとがきにかえて

「男色の景色」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 大杉栄や会津八一、三島由紀夫に川端康成といった近代文学から江戸の衆道文化、万葉集まで日本文化の中を地下水脈の如く流れる男色の流れを追った一冊。といって堅苦しい学術書ではなく、随筆のように伸びやかに次ぎ 大杉栄や会津八一、三島由紀夫に川端康成といった近代文学から江戸の衆道文化、万葉集まで日本文化の中を地下水脈の如く流れる男色の流れを追った一冊。といって堅苦しい学術書ではなく、随筆のように伸びやかに次ぎから次へと話題を出してくれるので読んでいて飽きることがない。その出してくる話題も、この分野では欠かすことの出来ないや岩田準一の評伝もあり、三島由紀夫と「薔薇族」の関連もありで極めて興味深いものばかり。他にも琳派の絵画と男色、『伊豆の踊子』を男色の観点から読むという論もあり、正否は兎も角、観点は実に面白かった。 …続きを読む
    HANA
    2019年11月16日
    64人がナイス!しています
  • 江戸から戦後まで、都市や青少年の生活世界のなかの男色のあり方を文学作品・図像を駆使して論じる。岩田準一を扱ふ「連れ鳴く雁」、『伊豆の踊子』の意外な読み方を示す「礼装」、また、あとがき代はりといふ「東都 江戸から戦後まで、都市や青少年の生活世界のなかの男色のあり方を文学作品・図像を駆使して論じる。岩田準一を扱ふ「連れ鳴く雁」、『伊豆の踊子』の意外な読み方を示す「礼装」、また、あとがき代はりといふ「東都戦後男色地図」など、文化史的な面白さに富む。 …続きを読む
    浅香山三郎
    2023年08月08日
    12人がナイス!しています
  • そういう文脈でも読めるのか……と興味深く読み進めた。「一条の水脈」「華苑」「そへ歌」はあたりは読めてよかった。そのコミュニティー、文化圏、時代にいなくては知り得ない、それこそ「わからないことすら感知でき そういう文脈でも読めるのか……と興味深く読み進めた。「一条の水脈」「華苑」「そへ歌」はあたりは読めてよかった。そのコミュニティー、文化圏、時代にいなくては知り得ない、それこそ「わからないことすら感知できない」文脈は確かに存在しているから、それにアクセスする手掛かりとして本書は大いに助けとなった。見える世界を変えるフックを授ける一冊。本書の内容とは関係ないが、個人的に文学研究の文章を久しぶりに読んだのでとても楽しかった。こういうことが好きだったな、と思い出す。紐解く楽しさ、喜びが胸に甦った。 …続きを読む
    冬見
    2023年02月08日
    12人がナイス!しています

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