複眼人

複眼人

  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2021年04月05日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
368
ISBN:
9784041063262

複眼人

  • 著者 呉 明益
  • 訳者 小栗山 智
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2021年04月05日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
368
ISBN:
9784041063262

「こんな小説は読んだことがない。かつて一度も」ル=グィン(ゲド戦記)

〈台湾民俗的神話×ディストピア×自然科学×ファンタジー〉
時に美しく、時に残酷な、いくつもの生と死が交差する、感動長編。

次男が生きられぬ神話の島から追放された少年。自殺寸前の大学教師の女性と、山に消えた夫と息子。母を、あるいは妻を失った先住民の女と男。事故で山の“心”に触れた技術者と、環境保護を訴える海洋生態学者。傷を負い愛を求める人間たちの運命が、巨大な「ゴミの島」を前に重なり合い、驚嘆と感動の結末へと向かう――。
人間と生物、自然と超自然的存在が交錯する世界を、圧倒的スケールと多元的視点で描く未曾有の物語。


〈台湾民俗的神話×ディストピア×自然科学×ファンタジー〉
時に美しく、時に残酷な、いくつもの生と死が交差する、感動長編。

次男が生きられぬ神話の島から追放された少年。自殺寸前の大学教師の女性と、山に消えた夫と息子。母を、あるいは妻を失った先住民の女と男。事故で山の“心”に触れた技術者と、環境保護を訴える海洋生態学者。傷を負い愛を求める人間たちの運命が、巨大な「ゴミの島」を前に重なり合い、驚嘆と感動の結末へと向かう――。
人間と生物、自然と超自然的存在が交錯する世界を、圧倒的スケールと多元的視点で描く未曾有の物語。


※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

「複眼人」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 台湾の東海岸にゴミの渦が押し寄せる近未来が舞台。環境問題に深い関心を持つ著者ならではの作品で、先住民の風俗や信仰、神話などをふんだんに盛り込んだ寓話的な世界観が特色。一時的に片付けても別のゴミが押しや 台湾の東海岸にゴミの渦が押し寄せる近未来が舞台。環境問題に深い関心を持つ著者ならではの作品で、先住民の風俗や信仰、神話などをふんだんに盛り込んだ寓話的な世界観が特色。一時的に片付けても別のゴミが押しやられる様は現代人の問題意識を揶揄するよう。作家、海洋生態学者、地質学者など多岐に渡る視点は、現状を複眼的に捉えてグローバルな水準で取り組む必要性を訴えているのだろう。トンネル工事やアザラシ猟のようなわかりやすい例ですらジレンマは存在する。「激しい雨は今にもやって来る」—人類と自然の共存を静かに問いかける一冊。 …続きを読む
    のっち♬
    2021年09月26日
    135人がナイス!しています
  • 色濃く、そして何度も現れる死のイメージ。生命を生み出し、そして呑み込む大いなる海。神の恵みと罰。でも結局何が何だか…自分の読解力の無さが嘆かわしい。 色濃く、そして何度も現れる死のイメージ。生命を生み出し、そして呑み込む大いなる海。神の恵みと罰。でも結局何が何だか…自分の読解力の無さが嘆かわしい。
    みっちゃん
    2021年07月26日
    134人がナイス!しています
  • ★★★★☆ あの少年が乗ってきた、いや住んでいた島には、私の持ち物もあったのではないか。ただで貰ったお店のナイロン袋、持ち帰りアイスコーヒーのストロー。あの日風に吹かれた物、ゴミ箱に捨てた後どうかして海に ★★★★☆ あの少年が乗ってきた、いや住んでいた島には、私の持ち物もあったのではないか。ただで貰ったお店のナイロン袋、持ち帰りアイスコーヒーのストロー。あの日風に吹かれた物、ゴミ箱に捨てた後どうかして海に落ちた物。意志無く捨てた物たちの行方を振り返ってももう追えない。海に落ちたそれらは朽ちること無く島となり戻ってくる。知らぬ島からゴミの島に乗ってくる少年の話はファンタジーだがゴミの話はブラックだ。少年と関わる女性アリスが台湾の語り部だ。彼女の息子への思いは切ない。現れた複眼人は何を警鐘しているのだろうか。 …続きを読む
    ゆりあす62
    2021年08月20日
    100人がナイス!しています

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