洋食や たいめいけん よもやま噺

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2014年02月25日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
224
ISBN:
9784044094577
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洋食や たいめいけん よもやま噺

  • 著者 茂出木 心護
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2014年02月25日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
224
ISBN:
9784044094577

ドラマ「ごちそうさん」でも話題となった、昭和の洋食料理店の舞台裏

昭和6年、東京下町に開業した洋食や「たいめいけん」。初代店主が、修業時代に親方から教わったこと、著名人たちとの交友、一風変わったお客さんの思い出、小皿料理やオムレツほか、お店で出した人気メニューの工夫などを、気取らない言葉で綴る。戦争を経て変貌していく街の中、変わらぬ味で人を迎え続けた老舗洋食やの定点観測で、下町の人情を照らし出す――。三代目店主・茂出木浩司氏の特別寄稿を加えた待望の新版! 昭和6年、東京下町に開業した洋食や「たいめいけん」。初代店主が、修業時代に親方から教わったこと、著名人たちとの交友、一風変わったお客さんの思い出、小皿料理やオムレツほか、お店で出した人気メニューの工夫などを、気取らない言葉で綴る。戦争を経て変貌していく街の中、変わらぬ味で人を迎え続けた老舗洋食やの定点観測で、下町の人情を照らし出す――。三代目店主・茂出木浩司氏の特別寄稿を加えた待望の新版!

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

もくじ

「三代目 よもやま噺」 茂出木浩司

   一

たいめいけんのルーツは「西支御料理処」泰明軒
「おい、しん公、なべを八百屋で買ってこい!」
昔のコックの食事は、そりゃあひどいもんでした
女給さんとコックの仲はあまりいいもんじゃなかった
「かわいそうだは惚れたこと」なんてよく言いますが……
芸者衆のご機嫌をとるのはなかなか大変なことでした
秘密兵器V1号っていったい何だと思います?
「今日は百匁あったから二万五千円売れたよ」
昔の新川は酒問屋の街で情緒のあるいいとこでした
あたしの母親は江戸っ子で気っぷのいい女でした

   二

昔の出前にはサービス精神がこもっていたもんです
海老フライの旦那と大盛りの旦那
甘いものといっしょじゃ、料理の味はわかりゃしません
昔は皿一枚洗うにも大変な労力がいりました
出前さげってのがまたむずかしいもんで……
立ってて役にたつのは電信柱とポストばかり
料理を覚えるにはまず数をかぞえろ
「コックの前掛けは手ぬぐいじゃないんだぞ」
商売のコツってのは、ほんのちょっとしたとこにあるんで
塩加減ほど料理人が苦労するものはありません
ハンバーグの目玉焼きにはナイフをぐっと入れて
切っても切れないフライパンとコックの仲
昔は、海老フライといえば豪勢な料理だったんです
オムレツに始まりオムレツに終わる、コックの修業
若い衆によく言うんです「同じところを三度掃け」って

   三

皿に残った料理を見るのは料理人にはつらいもんです
ステーキのソースでご飯を食べるのがまた格別
タンシチューを食べても二枚舌にはなりゃしません
「フリーのお客さま? そんな言葉は日本橋じゃ通じない」
「おかみさんのレジも大したもんですね」
ウェートレスのいい呼び方をどなたか考えてくれませんか
料理の前にコーヒーなんてなんだかへん
ほか

   四

ホット・ビールを飲むとほんとにホッとします
あたしは料理人、なにがなんでも食べなくちゃ
ボクシングチャンピオンとの永いおつき合い
祭りのしまいはお祭り騒ぎで、これが江戸っ子の心意気
粋な姐さんにたばこをもらう、これも祭りならではのこと
「ワッショイ」と「させ」と「もめ」これがほんとの御輿の掛け声
祭りに欠かせない風物詩、聯合わせの楽しさ
お恥ずかしい、凧は東京だけのものと思い込んでました
ほか

単行本あとがき

「お料理一一〇番 よもやま噺」 茂出木雅章
文庫本刊行によせて 茂出木雅章

「洋食や たいめいけん よもやま噺」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 洋食屋「たいめいけん」の初代店主が語る、お店のてんやわんやや下町の風景、戦中戦後の食糧難をいかに切り抜けてきたか、お客のニーズにどうこたえてゆくか・・・。日々試行錯誤していらっしゃった様子がよく伝わっ 洋食屋「たいめいけん」の初代店主が語る、お店のてんやわんやや下町の風景、戦中戦後の食糧難をいかに切り抜けてきたか、お客のニーズにどうこたえてゆくか・・・。日々試行錯誤していらっしゃった様子がよく伝わってくる。面白いと思ったのは「お料理一一〇番」。電話で料理に関する質問を受け付けるといった趣向で、これは大変だっただろう。頭が下がる。私もお店で出されたものはできるだけ残さないように心掛けているけれど、もっと作ってくださった側の気持ちに立ちたいと思った。 …続きを読む
    佐島楓
    2014年09月20日
    35人がナイス!しています
  • 本書は昭和7年開店の洋食屋、たいめいけん初代店主のエッセイに、二代目と三代目の短文を併せたもの。街場の料理人らしい正直さと、すっきりした文章が心地良い。今では野蛮と言われる様な、暮らしや商売の様子が興 本書は昭和7年開店の洋食屋、たいめいけん初代店主のエッセイに、二代目と三代目の短文を併せたもの。街場の料理人らしい正直さと、すっきりした文章が心地良い。今では野蛮と言われる様な、暮らしや商売の様子が興味深い。祭の日の賑やかな情景と、まだ小さかったお店の混雑ぶり。そして随所に出てくる料理がとても美味しそう。カツレツにハンバーグにステーキ等が、昔の人にとってもご馳走だったと分かる。文化や風俗は変わる。今の物差しで裁けば良いとするのは、人間の哀しさから目を背ける事である。自分も段々むかし話が好きになってきた。 …続きを読む
    ホークス
    2017年09月28日
    30人がナイス!しています
  • オフィスから徒歩15分。昼の散歩の途中に、行列を見かけるお店のひとつ。(お向かいの、京都ますたにラーメンも、長い列!)池波正太郎にも書かれた、一皿50えんのボルシチとコールスローは健在で、周りが高層ビルに オフィスから徒歩15分。昼の散歩の途中に、行列を見かけるお店のひとつ。(お向かいの、京都ますたにラーメンも、長い列!)池波正太郎にも書かれた、一皿50えんのボルシチとコールスローは健在で、周りが高層ビルに建て替えられていく中、相変わらずの佇まい。洋食屋さんなのに、横手には麺の文字。名物のオムレツも数種類。そんな名店のオヤジさんの四方山話。性格の現れる書き方でした。この本、近くの丸善に平積み。 …続きを読む
    ジュール リブレ
    2015年03月22日
    29人がナイス!しています

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