無心ということ

無心ということ

試し読みをする

※電子書籍ストアBOOK☆WALKERへ移動します。

試し読みをする

※電子書籍ストアBOOK☆WALKERへ移動します。

  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2007年09月22日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
240
ISBN:
9784044076016
label

無心ということ

  • 著者 鈴木 大拙
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2007年09月22日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
240
ISBN:
9784044076016

通俗な宗教論に斬り込み、宗教の本質を解明する、大拙、円熟期の名著

「無心」とはどのような意味か。無心を東洋精神文化の軸と捉える大拙が、仏教生活の体験を通して、禅、浄土教、日本や中国の思想へと考察の輪を広げながら、その宗教的意味を明らかにする。浄土教、親鸞の研究にも優れた業績をあげる大拙は、本書で禅と浄土教を結び付けた独創的な禅浄一致の思想を巧みに展開させながら、誰もが知っておきたい、宗教的考え方の本質を爽やかに解き明かしている。解説・末木文美士 「無心」とはどのような意味か。無心を東洋精神文化の軸と捉える大拙が、仏教生活の体験を通して、禅、浄土教、日本や中国の思想へと考察の輪を広げながら、その宗教的意味を明らかにする。浄土教、親鸞の研究にも優れた業績をあげる大拙は、本書で禅と浄土教を結び付けた独創的な禅浄一致の思想を巧みに展開させながら、誰もが知っておきたい、宗教的考え方の本質を爽やかに解き明かしている。解説・末木文美士

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

もくじ



第一講 無心とは何か
無心の意味
無心の表現
宗教生活としての受動性
宗教の極致
分別を越える
浄土のありか
浄土の内容
不可思議の妙味
無限の開展と永遠の願い
十万億土
解脱と自由
無心の境地
最後心の見方
飛躍横超
大安楽境

第二講 無心の探求
三種の無心(心理学的・倫理学的・宗教的)
無我と無責任
最高の体験
身心脱落
「心無心」「心非心」
無住無所得
現代と無住思想
達摩の「無心論」
心木石の如し
支那の無心思想
夢幻か実在か
無心にして生きる世界
極楽へ往生すること
不死

第三講 無心の活動
趙州和尚の話
灌渓の話
無心の活動
無分別の作用
浄土と無心
弥陀の本願
往生の決定
「菩薩子喫飯来」
機根の問題
宗教的体験の根本義

第四講 無心の完成
極楽の実在性
極楽と娑婆
往生の意義
往生の因
自然法爾と無心の世界
「自然法爾」の端的
仏智不思議の世界
無心完成の世界
生死は仏のおん命
浄ララのところ
光明の顕現
剣法と無心
禅の活用と日支印の特色
非論理の徹底
矛盾矛盾に非ず
無分別の境を通して
無心と往生と悟徹
梅巌の心学と無心
堵庵の思案なしと無心
心学と禅
洒脱自在

第五講 無心の生活
無心と本能
幼児と無心
無心と生活の矛盾
無心の活用
人間的無心と天地の心
意識と価値世界の出現
矛盾のままの無心

第六講 無心の体験
無心の掴み方
無心と心意識との関係
無心の無自覚性
般若の知恵
阿頼耶識と光明
光明・無心・絶対
無分別の分別
体験の世界
神秘的直観、直覚に非ず
呵呵大笑
東洋的心理

結語
無心と道……色即是空

解説(旧版) 古田 紹欽
解説  末木文美士

「無心ということ」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • (再読)3年前の自分の感想が恥ずかしくなるくらい、今回はきちんと解釈できたと思える。瞑想の実践と思索の積み重ねの結果なのだろう。畢竟、突き詰めれば「無心」は「倫理」という行為を生みだす源泉なのだろう。空 (再読)3年前の自分の感想が恥ずかしくなるくらい、今回はきちんと解釈できたと思える。瞑想の実践と思索の積み重ねの結果なのだろう。畢竟、突き詰めれば「無心」は「倫理」という行為を生みだす源泉なのだろう。空腹を感じた男が持参した弁当を食べようとする。このとき男は無心の状態だとする。腹が減ったから、なんか食うかといった本能が働いたとする。しかし、ふと気づくと傍らに明らかに飢餓状態の子どもがいるのに気づく。男はほぼ無意識に子どもに言う。「一緒に食べよっか」と。そして男は子どもと一緒に弁当を食う。男がはじめに …続きを読む
    イプシロン
    2021年12月30日
    27人がナイス!しています
  • 何かに囚われたり判断をくだしたりしない、全てをそのまま受けるということ。例えば、私は未だその言葉の本当のところを掴めていないのだけど「『空(くう)』に囚われると、空は空でなくなってしまう」と書かれてい 何かに囚われたり判断をくだしたりしない、全てをそのまま受けるということ。例えば、私は未だその言葉の本当のところを掴めていないのだけど「『空(くう)』に囚われると、空は空でなくなってしまう」と書かれているのがまさにその通りで、無心であろうと思った時点で無心では無くなってしまう。木石のように受動的に、禅的に生きるのは至難の業だ。禅の根本には、生きている・死んでいるという区別の無い世界があるのであって、往生や極楽は死んでからの物語ではなく、生きているうちに。私たちは生まれたり死んだりする。ただそれだけのこと。 …続きを読む
    ykshzk(虎猫図案房)
    2024年12月01日
    23人がナイス!しています
  • 鈴木大拙による講演の筆記を文字に起こしたもの。禅的なモノを文字を読むだけで理解出来る筈がない。正しく『不立文字』の四文字が示すように、体験しなければ到達することはない。それでも敢えてこうしてとてつもな 鈴木大拙による講演の筆記を文字に起こしたもの。禅的なモノを文字を読むだけで理解出来る筈がない。正しく『不立文字』の四文字が示すように、体験しなければ到達することはない。それでも敢えてこうしてとてつもなく難解な言語として形にされ残されたことにはどんな意味があるのか。禅坊主などではない自分がこれを読むことにどんな意味があるのかなどと考えながら読了。無心、無心。意識と無意識の狭間で無様に無駄に思考を重ねつつ生きる日々を重ねながら、空に至れるのはいつの日か。 …続きを読む
    テツ
    2019年08月02日
    22人がナイス!しています

powered by 読書メーター

この著者の商品

最近チェックした商品