シミソラ

シミソラ

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2001年03月23日
判型:
文庫判
ページ数:
496
ISBN:
9784042541257
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シミソラ

  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2001年03月23日
判型:
文庫判
ページ数:
496
ISBN:
9784042541257
ひとりの黒人女性が行方不明になった。最後に会っていたのは、失業相談所の女性アドバイザー。だが彼女もすでに殺されていた……。根深い差別問題を背景に緻密なプロットが唸る、文句無しのレンデル傑作ミステリ。 ひとりの黒人女性が行方不明になった。最後に会っていたのは、失業相談所の女性アドバイザー。だが彼女もすでに殺されていた……。根深い差別問題を背景に緻密なプロットが唸る、文句無しのレンデル傑作ミステリ。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

「シミソラ」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • シリーズ16作目。二人の娘に悩みの尽きない主人公警部の生活を折り込みつつ本作も進む。多くを割くのは管内の職安場面。不況でマトモな職のない中、屯する未熟練の求職者が溢れる。或日相談員女性が殺され見つかる シリーズ16作目。二人の娘に悩みの尽きない主人公警部の生活を折り込みつつ本作も進む。多くを割くのは管内の職安場面。不況でマトモな職のない中、屯する未熟練の求職者が溢れる。或日相談員女性が殺され見つかる。彼女の面談者の中に、黒人の医師夫婦の薫陶に疲れ、独立を目指す娘がおり、彼女も同時に失踪した。加えて発見された若い黒人女性の死体。物語は序盤丁寧な記述で、小説世界が次第にクリアになり、浮気男の断罪話の小カタルシスもある中、次第に登場人物が複雑に重なり、人種差別男権主義の重い話題が加わって読書が辛くなってくる。 …続きを読む
    bapaksejahtera
    2025年05月26日
    12人がナイス!しています
  • “差別”が本書の一貫したテーマになっている。事件の本筋のように人種差別は元より、軽い物では女が男を養うことへの抵抗を示した女性蔑視、老人の記憶は当てにならないという先入観、醜い者を見ると苛めたくなる心理 “差別”が本書の一貫したテーマになっている。事件の本筋のように人種差別は元より、軽い物では女が男を養うことへの抵抗を示した女性蔑視、老人の記憶は当てにならないという先入観、醜い者を見ると苛めたくなる心理。差別は心に悪戯をする。それが時には人の死に至るまでの事になる。内容はウェクスフォードの推理が神がかり過ぎるところが多々あるが、明かされる真実が痛々しく、心を打つ。最後の最後で明らかになるタイトルの意味は簡単な物だが、別の意味で一人の人間の尊厳を謳っているように思える。 …続きを読む
    Tetchy
    2009年05月06日
    6人がナイス!しています
  • 元々レンデル作品にはこの傾向が強いが、本作は社会派推理小説と解しうる。あらゆる差別が絡み合って主題を造り上げており、「人種」「性別」など、単一の括りが出来ない。一方、失敗もあったが、斯様に複雑な差別の 元々レンデル作品にはこの傾向が強いが、本作は社会派推理小説と解しうる。あらゆる差別が絡み合って主題を造り上げており、「人種」「性別」など、単一の括りが出来ない。一方、失敗もあったが、斯様に複雑な差別の構造に対して、ウェクスフォードの洞察力は「決まり」過ぎではないか…そんなにすぐに整理がつくのも怖い。なお、恐らくどんな扱いを受けても、題名の由来となった人物から「自分は差別を受ける謂われはない」という意識は消せなかったのだろう。頑張ったよな。故に起こった悲劇であるのが悲しいが。 …続きを読む
    madhatter
    2011年08月01日
    3人がナイス!しています

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