鷹の井戸

鷹の井戸

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
1953年12月20日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
112
ISBN:
9784042126010
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鷹の井戸

  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
1953年12月20日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
112
ISBN:
9784042126010

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

「鷹の井戸」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • ノーベル文学賞を受賞したイエーツの三篇の短劇。表題作の「鷹の井戸」は命の水の湧き出す井戸を求めて、空しく年齢を重ねた老人の嘆きが印象に残る。私の好みは「心のゆくところ」。アイルランドの平凡なブルイン家 ノーベル文学賞を受賞したイエーツの三篇の短劇。表題作の「鷹の井戸」は命の水の湧き出す井戸を求めて、空しく年齢を重ねた老人の嘆きが印象に残る。私の好みは「心のゆくところ」。アイルランドの平凡なブルイン家に異形のものが忍び寄ってくる。キリスト教の力によっても、その異形のものを追い払うことはできない。ここで言う異形のものとは妖精のことで、日本の一般的なイメージである可憐なものではなく、人間を暗闇の世界へ引きずり込む恐ろしい存在である。読み終わった後に、胸の中にぽっかりと黒い穴が開くような恐怖に満ちた劇だった。 …続きを読む
    新地学@児童書病発動中
    2015年06月12日
    113人がナイス!しています
  • 昔、イェーツ編集のケルトのフェアリーテイル集を読んだけど、どれもこれも似たような話(子どもが妖精にさらわれる)ばかりで通読できなかった覚えあり。本書は一幕もの戯曲が三編。こちら側(日常、平凡、堅実)の 昔、イェーツ編集のケルトのフェアリーテイル集を読んだけど、どれもこれも似たような話(子どもが妖精にさらわれる)ばかりで通読できなかった覚えあり。本書は一幕もの戯曲が三編。こちら側(日常、平凡、堅実)の人間があちら側(非日常、動乱、幻想)へと誘われゆくドラマは一貫している。表題作は、すでにあちら側へ到達してからの物語。伝説の枯れ井戸から不老不死の水が沁み出すのを待つ間に年老いてゆくのである。能の影響を受けた仮面劇で、ワキ、シテ、囃子の役割分担、もはや幽玄の境地であるけど、いささか睡気が滴る。 …続きを読む
    かんやん
    2022年06月16日
    33人がナイス!しています
  • 松村みね子(片山廣子)訳のイェイツ、初めて読むのだけど素晴らしい。イェイツのすごさなのか、松村みね子の翻訳の幽玄な雰囲気によるものか。 イェイツはケルト文芸復興運動の推進役だったし、彼の作品にはそうい 松村みね子(片山廣子)訳のイェイツ、初めて読むのだけど素晴らしい。イェイツのすごさなのか、松村みね子の翻訳の幽玄な雰囲気によるものか。 イェイツはケルト文芸復興運動の推進役だったし、彼の作品にはそういう民族運動を鼓舞する意味や、キリスト教とケルトの土着信仰との相克の問題も含まれているのだろうけど、そんなこと忘れさせる松村みね子の訳の美しさ…。 …続きを読む
    いやしの本棚
    2014年05月01日
    5人がナイス!しています

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