焼き芋とドーナツ 日米シスターフッド交流秘史

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2023年09月28日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
368
ISBN:
9784041126493

焼き芋とドーナツ 日米シスターフッド交流秘史

  • 著者 湯澤 規子
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2023年09月28日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
368
ISBN:
9784041126493

その甘みは、女性労働者のソウルフードだった。おやつから紐解く人間交流史

知られざる壮大な連鎖が浮かびあがる。
津田梅子が二度目の留学で学んだウッズホール海洋生物学研究所。その前身施設を設立したエレン・リチャーズは女性で初めてマサチューセッツ工科大学に入り、家政学を確立した人物で、彼女が大学を志すきっかけとなった雑誌の寄稿者の一人が『小公女』らで知られるバーネット。
その雑誌や『若草物語』のオールコットらによる労働文学の読者に、マサチューセッツ州のローウェルの女工たちもいた。彼女たちは女性だけの共同組織を作り、雑誌の発行も行っており、それらを含めたアメリカの女性教育を見聞して日本での教育拡充も訴えたのが森有礼だった。

■集会と焼き芋は喜びとささやかな抵抗
■日本でもアメリカの女性運動を同時代的に参照し、実践していた
■ローウェルの工場の窓には新聞の切り抜きが貼られ、それは窓の宝石と呼ばれていた
■ドーナツは主食のように見なされていた
女性労働者は一方的な弱者でなく、実は「わたし」の人生を強かに拡張していた。
ではなぜ、「わたし」という主語で語る術を私たちは失ってきたのだろうか?

【目次】
プロローグ――「わたし」を探す
第一部 日本の女性たち
第一章 糸と饅頭――ある紡績女工のライフヒストリー
第二章 焼き芋と胃袋――女工たちの身体と人格
第三章 米と潮騒――100年前の米騒動と女性の自治
第四章 月とクリームパン――近代の夜明けと新しき女たち
第二部 アメリカの女性たち
第五章 野ぶどうとペン――女性作家の誕生
第六章 パンと綿布――ローウェルの女工たち
第七章 キルトと蜂蜜――針と糸で発言する女性たち
第八章 ドーナツと胃袋――台所と学びとシスターフッド
エピローグ――「わたしたち」を生きる
あとがき――「わたし」の中に灯る火
主要参考文献
知られざる壮大な連鎖が浮かびあがる。
津田梅子が二度目の留学で学んだウッズホール海洋生物学研究所。その前身施設を設立したエレン・リチャーズは女性で初めてマサチューセッツ工科大学に入り、家政学を確立した人物で、彼女が大学を志すきっかけとなった雑誌の寄稿者の一人が『小公女』らで知られるバーネット。
その雑誌や『若草物語』のオールコットらによる労働文学の読者に、マサチューセッツ州のローウェルの女工たちもいた。彼女たちは女性だけの共同組織を作り、雑誌の発行も行っており、それらを含めたアメリカの女性教育を見聞して日本での教育拡充も訴えたのが森有礼だった。

■集会と焼き芋は喜びとささやかな抵抗
■日本でもアメリカの女性運動を同時代的に参照し、実践していた
■ローウェルの工場の窓には新聞の切り抜きが貼られ、それは窓の宝石と呼ばれていた
■ドーナツは主食のように見なされていた
女性労働者は一方的な弱者でなく、実は「わたし」の人生を強かに拡張していた。
ではなぜ、「わたし」という主語で語る術を私たちは失ってきたのだろうか?

【目次】
プロローグ――「わたし」を探す
第一部 日本の女性たち
第一章 糸と饅頭――ある紡績女工のライフヒストリー
第二章 焼き芋と胃袋――女工たちの身体と人格
第三章 米と潮騒――100年前の米騒動と女性の自治
第四章 月とクリームパン――近代の夜明けと新しき女たち
第二部 アメリカの女性たち
第五章 野ぶどうとペン――女性作家の誕生
第六章 パンと綿布――ローウェルの女工たち
第七章 キルトと蜂蜜――針と糸で発言する女性たち
第八章 ドーナツと胃袋――台所と学びとシスターフッド
エピローグ――「わたしたち」を生きる
あとがき――「わたし」の中に灯る火
主要参考文献

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

もくじ

プロローグ――「わたし」を探す
 もうひとつの『女工哀史』 
 食と食の「あいだ」には光が当てられてこなかった
 日米女性の思想の交流史を紐解く etc.

第一部 日本の女性たち
第一章 糸と饅頭――ある紡績女工のライフヒストリー
 産業革命と帝都拡大のフロンティアで『女工哀史』は生まれた
 違和感の吐露は「愚痴」ではなく「抗いのかたち」
 「わたし」の歴史と言えるまで etc.

第二章 焼き芋と胃袋――女工たちの身体と人格
 女性労働者の誕生と日常生活世界――自分のお金で自分のもんを買う
 「工場食」と「共同炊事」は「産業福利」でもあった
 集会と焼き芋は喜びとささやかな抵抗 etc.

第三章 米と潮騒――一〇〇年前の米騒動と女性の自治
 騒動ではなかった魚津の潮騒
 共同の「困窮」から個別の「貧困」へ近代は転換した
 女の自治圏と男の自治圏 etc.

第四章 月とクリームパン――近代の夜明けと新しき女たち
 アメリカを起点にした女性労働者へのまなざし
 黒光の「大志(アンビシャス)」を受けとめた明治女学校
 津田梅子とアリス・ベーコンが見た日本近代 etc.

第二部 アメリカの女性たち
第五章 野ぶどうとペン――女性作家の誕生
 一七世紀、新しい女性は追放され、魔女にされた
 野ぶどうとペンがバーネットを作家に導いた
 哲学は台所から生まれる etc.

第六章 パンと綿布――ローウェルの女工たち
 「織機の間の知性(マインド)」
 織機と紡錘車、窓の宝石――ハリエット・H・ロビンソンのライフヒストリー
 『ローウェル・オファリング』の源流――ルーシー・ラーコムのライフヒストリー etc.

第七章 キルトと蜂蜜――針と糸で発言する女性たち
 アメリカン・パッチワークキルトは生きる尊厳を表現するメディア
 女性たちの西部開拓と生活記録――『パイオニア・ウーマン』
 西部開拓と女性教師――学校で読まれていたオールコットの小説 etc.

第八章 ドーナツと胃袋――台所と学びとシスターフッド
 家事と化学をつなげる――家政学への萌芽
 台所から社会を変える――ニューイングランド・キッチンの誕生
 ボストンで全米初の学校給食が始まる
 アメリカ女性労働運動とシスターフッドーー「最低賃金」ではなく「生きるための賃金」を etc.

エピローグ ――「わたしたち」を生きる
 現代の起点としての「新しい女性教育」の挫折
 「厚い記述」による日常茶飯の叙事史(サーガ)――対岸の歴史学
 女性たちの対岸 etc.

あとがき――「わたし」の中に灯る火
主要参考文献

「焼き芋とドーナツ 日米シスターフッド交流秘史」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 焼き芋とドーナツは日米の産業革命期を生きた女性たちの胃袋を満たした食べ物。本書の内容では比喩でしかない。高井としを、津田梅子、相馬黒光、伊藤野枝、ルイーザ・オールコット、エレン・リチャーズなど女性解放 焼き芋とドーナツは日米の産業革命期を生きた女性たちの胃袋を満たした食べ物。本書の内容では比喩でしかない。高井としを、津田梅子、相馬黒光、伊藤野枝、ルイーザ・オールコット、エレン・リチャーズなど女性解放運動の旗手となったファーストペンギンたちを取り上げているが、彼女たちに共通しているのは、食べ物や賃金、長時間労働、教育といった目に見える身近な女性差別から、不条理に対する疑問や憤懣を当たり前の要求にして風穴を開けたことにある。黎明期の日本では、労働環境の改善を進め、女工を人間として扱った大原孫三郎のような⇒ …続きを読む
    つちのこ
    2023年11月20日
    37人がナイス!しています
  • 新聞の書評から。日米両国の女性労働史。ジェンダーの歴史として読むと確かに興味深く読める。ハードカバーなんだけど新書のような内容だったかな。 新聞の書評から。日米両国の女性労働史。ジェンダーの歴史として読むと確かに興味深く読める。ハードカバーなんだけど新書のような内容だったかな。
    TATA
    2024年01月27日
    29人がナイス!しています
  • 2024-4:紡績工場で働く女性労働者の日米の比較。それぞれを象徴する労働者の食べ物が焼き芋とドーナツ。日常茶飯の歴史を探究する視点は素晴らしいと思った。 2024-4:紡績工場で働く女性労働者の日米の比較。それぞれを象徴する労働者の食べ物が焼き芋とドーナツ。日常茶飯の歴史を探究する視点は素晴らしいと思った。
    ミキ
    2024年02月29日
    8人がナイス!しています

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