• 西村賢太が師とあおぐ、大正期の私小説作家・藤澤清造。かつて新潮社の短編集を読んで全然ハマらなかったが、今回あえて挑戦。これが、超絶面白くてびっくり。会話文がとにかくうまく、100年前の作品とは信じられな 西村賢太が師とあおぐ、大正期の私小説作家・藤澤清造。かつて新潮社の短編集を読んで全然ハマらなかったが、今回あえて挑戦。これが、超絶面白くてびっくり。会話文がとにかくうまく、100年前の作品とは信じられないくらい読みやすい。貧困にあえぐ主人公が、親友の自殺を知るところから始まる物語。とにかく貧しく、そこから全ての不幸が起こる。安らかに逝った、というのは、困窮によって死の苦しみに抵抗する力さえ失くしたからだ、という言葉が重い。時に笑える、味わい深い文体は「これもう西村賢太の文章じゃん！」としか思えない。 …続きを読む
  こうすけ

  2022年09月24日
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• 藤澤清造の長編。西村賢太絡みで読了。私小説では車谷長吉の長編の方が面白かったね。 漢字が難しくて難儀をしました。 藤澤清造の長編。西村賢太絡みで読了。私小説では車谷長吉の長編の方が面白かったね。 漢字が難しくて難儀をしました。
  かんたろー

  2022年08月24日
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• 友人の岡部が自殺した、という。彼の最期の姿を眼にとどめるため、下宿へと向かった「私」は、そこで岡部の兄と会い、彼が狂死に至った所以を語り始める。 岡部の死の一因となった事件について、「私」がとある人物 友人の岡部が自殺した、という。彼の最期の姿を眼にとどめるため、下宿へと向かった「私」は、そこで岡部の兄と会い、彼が狂死に至った所以を語り始める。 岡部の死の一因となった事件について、「私」がとある人物を糾弾する場面は、戯作らしいといえばらしいが、いくぶん冗長にも感じられた。けれども、それが語られた作中の時間、そして文章の圧力が丸ごと「私」に返っていく、つまり岡部を狂気に追い立てたのは己だ、という自覚に至る結末部分は凄絶である。 …続きを読む
  sputnik｜jiu

  2022年02月17日
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