昭和短歌の精神史

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2012年03月24日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
544
ISBN:
9784044054045
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昭和短歌の精神史

  • 著者 三枝 昂之
  • カバーデザイン 芦澤 泰偉
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2012年03月24日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
544
ISBN:
9784044054045

強靱な短歌的抒情の力を激賞された画期的論考!

国民歌を作詞せざるを得なかった斎藤茂吉、愛息を失った悲しみを日本最長の長歌に込めた窪田空穂。歌人たちのありのままの生活や想いを、新聞や雑誌、個々の歌集に戻りながら再現。一首一首を丹念に読み解くことで、彼らの内面と戦争から敗戦を経て占領期へと変遷する、時代の空気や閉塞感を浮かび上がらせる。既存の短歌史には収まらない、著者渾身の新しい試み。第56回芸術選奨文部科学大臣賞(評論その他部門)ほか受賞作。 国民歌を作詞せざるを得なかった斎藤茂吉、愛息を失った悲しみを日本最長の長歌に込めた窪田空穂。歌人たちのありのままの生活や想いを、新聞や雑誌、個々の歌集に戻りながら再現。一首一首を丹念に読み解くことで、彼らの内面と戦争から敗戦を経て占領期へと変遷する、時代の空気や閉塞感を浮かび上がらせる。既存の短歌史には収まらない、著者渾身の新しい試み。第56回芸術選奨文部科学大臣賞(評論その他部門)ほか受賞作。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

もくじ

第1部
一 花ひらく自由律
二 発端──老父は門べに旗ふりてをり
三 歌人たちの国民歌
四 分水嶺1紀元二千六百年奉祝歌集
五 分水嶺2大日本歌人協会解散事件
六 分水嶺3『新風十人』
七 戦時下の青春
八 満洲という幻想

第2部
一 国難来る、国難は来る──歌人たちの大東亜戦争
二 還るうつつは想はねど──学徒たちの戦争
三 幾世し積まば国は栄えむ──歌人たちの敗戦
四 草よ繁るな──短歌の中の沖縄戦
五 海山の嘆き──歌人たちの八月十五日
六 彼等皆死せるにあらず──悲歌と慟哭
七 斎藤茂吉日記「八月十四日ヲ忘ルヽナカレ」考

第3部
一 歌誌の戦後史
二 検閲、もう一つの戦争──占領期文化1
三 戦犯、短歌の昭和二十一年──占領期文化2
四 第二芸術論──占領期文化3
五 傍観という良心──戦後短歌1近藤芳美
六 生れたければ生れてみよ──戦後短歌2宮柊二
七 液化するピアノ──前衛短歌・塚本邦雄
八 占領が終わった日
九 終わりなき八月──竹山広の戦後六十年

あとがき
文庫版あとがき
人名・書名・雑誌名一覧
初句一覧

「昭和短歌の精神史」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 500頁以上ある労作。戦前・戦中・戦後の短歌をありのままに示し、当時の人々の心性に迫らうといふもの。斎藤茂吉、窪田空穂、近藤芳美、そして塚本邦雄等の軸になる代表的歌人らを追ひながら、満州・学徒出陣・沖縄戦・ 500頁以上ある労作。戦前・戦中・戦後の短歌をありのままに示し、当時の人々の心性に迫らうといふもの。斎藤茂吉、窪田空穂、近藤芳美、そして塚本邦雄等の軸になる代表的歌人らを追ひながら、満州・学徒出陣・沖縄戦・長崎原爆といふ事と場に纏はる「無名」の人々の歌をも取り上げてゐるのがよい。 残念な点。戦後の戦争協力者を糾弾する人々の矛盾を批判するのは良いとしても、戦中の時局迎合的な歌を「只只其儘当時としては当たり前だつた」以上の意味付けをしないと、皮相な批判になつてしまふ気がした。位置づけてはあるのだらうが、 …続きを読む
    浅香山三郎
    2018年01月03日
    13人がナイス!しています
  • まず、本書は昭和短歌と銘打ってはいるが、その記述が取り扱うのは占領期の終わりまでである。最近読んだ大澤真幸の昭和というのは30年代くらいまでしか昭和と記載されなくて、あとは大体西暦を使って論じられるとい まず、本書は昭和短歌と銘打ってはいるが、その記述が取り扱うのは占領期の終わりまでである。最近読んだ大澤真幸の昭和というのは30年代くらいまでしか昭和と記載されなくて、あとは大体西暦を使って論じられるという記述を思い出す。 かねてより名作と言われるだけある。虚心坦懐に戦前戦後双方のイデオロギーを排して「精神史」の記述に徹するのは、出版当時最も求められていた戦時中の作品を批評する態度なのだろう(当時知らんけど)。 …続きを読む
    すずき
    2019年05月12日
    3人がナイス!しています
  • 読み応えがあった。大著という言葉が相応しい、ボリュームも内容も重い本。昭和と一口で言っても戦前、戦中、戦後はまったく違うと改めて思った。感想は簡単に書けるようなものではないが、難しい時代に文学者がどう 読み応えがあった。大著という言葉が相応しい、ボリュームも内容も重い本。昭和と一口で言っても戦前、戦中、戦後はまったく違うと改めて思った。感想は簡単に書けるようなものではないが、難しい時代に文学者がどう生きるべきなのか考えさせられた。 …続きを読む
    のりたま
    2024年09月01日
    1人がナイス!しています

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