太平洋戦争 日本の敗因6 外交なき戦争の終末

太平洋戦争 日本の敗因6 外交なき戦争の終末

  • 定価: (本体円+税)
発売日:
1995年08月08日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
272
ISBN:
9784041954171
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太平洋戦争 日本の敗因6 外交なき戦争の終末

  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
1995年08月08日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
272
ISBN:
9784041954171
絶対国防圏の戦略拠点は次々に陥落。日本上空が米軍機に完全に支配され、敗戦は必至とみえた昭和二十年一月、大本営は本土決戦計画を決めた。本土での地上戦ならば一度は勝てる。一矢報いれば、無条件降伏だけは――沖縄が本土決戦の捨て石とされ、焦土と化していた時、日本が和平工作の全てを託そうとしたソ連は「ヤルタの密約」通りに、米ソ共同の軍事訓練を行っていた。軍と国家は何を考え、何をしていたのかを検証する。 絶対国防圏の戦略拠点は次々に陥落。日本上空が米軍機に完全に支配され、敗戦は必至とみえた昭和二十年一月、大本営は本土決戦計画を決めた。本土での地上戦ならば一度は勝てる。一矢報いれば、無条件降伏だけは――沖縄が本土決戦の捨て石とされ、焦土と化していた時、日本が和平工作の全てを託そうとしたソ連は「ヤルタの密約」通りに、米ソ共同の軍事訓練を行っていた。軍と国家は何を考え、何をしていたのかを検証する。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

もくじ

プロローグ

1 対ソ外交への甘い期待
「本土決戦」と「日ソ中立条約」
ヤルタの密約に至るソビエ卜の対日政策
軍部が歪めた日本外交
駐ソ大使館をとりまく「現実」と「幻想」
「日ソ中立条約」の不延長通告

2 参戦防止のための対ソ交渉
本土決戦論と早期和平論
捨て石にされた沖縄
危ぶまれるソビエトの参戦
沖縄玉砕

3 一億玉砕ヘ
本土決戦態勢の強化
「国体護持」とは何か
本土決戦計画の現実

4 戦争終結のための対ソ交渉
方針転換
ソビエトの対日参戦準備

5 ソビエトヘの和平仲介依頼
近衛特使派造の申し人れ
無視された和平仲介の申し入れ

エピローグ

参考文献
あとがき

「太平洋戦争 日本の敗因6 外交なき戦争の終末」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • ”如何にして戦争を終わらせるか”が本書のテーマ。”負けは決まっているが、その前に一花咲かせよう”と本土決戦を目論む軍部。一刻も早く戦争終結を画策する政府の一派。事実上陸軍が政府を牛耳ってたので主論はあくま ”如何にして戦争を終わらせるか”が本書のテーマ。”負けは決まっているが、その前に一花咲かせよう”と本土決戦を目論む軍部。一刻も早く戦争終結を画策する政府の一派。事実上陸軍が政府を牛耳ってたので主論はあくまでも本土決戦に拘る。ある一派はソ連の介入で和平交渉を夢見ていたが、既にソ連はヤルタ会談で日本参戦が密約されていた。とどのつまり日本は国家として機能していなかったのではないだろうか。本土決戦を主張する陸軍に対抗する勢力が弱く、一類の望みをかけた対ソ工作も水泡と帰し、最後は”天皇の大権”によって敗戦を迎える。 …続きを読む
    ヴェルナーの日記
    2016年08月27日
    110人がナイス!しています
  • 敗戦確実の中、ソ連に終戦の仲介を目論む日本。希望的観測にすがり、それが幻想に過ぎないとしても本土決戦で一撃を加えて和平に持ち込もうとする軍部。最前線で奮戦する外交官達は現実と本国の幻想の間で苦悩する。 敗戦確実の中、ソ連に終戦の仲介を目論む日本。希望的観測にすがり、それが幻想に過ぎないとしても本土決戦で一撃を加えて和平に持ち込もうとする軍部。最前線で奮戦する外交官達は現実と本国の幻想の間で苦悩する。和平工作に奔走する人達はクーデターを最も恐れていたというのは興味深い。アメリカは日本の終戦工作について「軍人の職業的プライドを満たすためにポツダム宣言を拒否し続け、戦争終結の責任を負うことから逃げていた」と総括している。全編を通して言えるは責任の所在の曖昧さと、反対意見を封殺する場の「空気」が支配すること。 …続きを読む
    p-man
    2020年04月03日
    10人がナイス!しています
  • 終巻は対ソ終戦工作を通し“日本の敗因”の根の深さを語る。 当シリーズでは屢々言及されるが、日本の終戦構想は独伊による英の屈服、が大きな要件だった。独ソの和平は開戦当初より希求されたが、43年9月政府は特使 終巻は対ソ終戦工作を通し“日本の敗因”の根の深さを語る。 当シリーズでは屢々言及されるが、日本の終戦構想は独伊による英の屈服、が大きな要件だった。独ソの和平は開戦当初より希求されたが、43年9月政府は特使派遣をソに申し入れる。前年3月から駐ソ大使だった佐藤尚武は、日ソ中立条約の維持延長やこれらの工作にも努めたが、政府の対ソ外交を「せせら笑った」と述べている。戦前の外務大臣時代に平和外交路線を“軟弱”と議会で右翼に叩かれ、軍部の強い非難を浴びた佐藤は、軍部と右翼の不定見を嗤って当然だったろう。 …続きを読む
    CTC
    2016年07月13日
    10人がナイス!しています

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