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掲載開始日 2017年04月26日

決定!第37回横溝正史ミステリ大賞 選考結果のお知らせ

本日4月26日(水)、第37回横溝正史ミステリ大賞(主催=株式会社KADOKAWA)の選考会が行われ、選考委員の審査により、今回は、大賞は該当作なし、これに準ずる優秀賞として、染井為人(そめい・ためひと)さんの『悪い夏』(わるいなつ)が選出され、副賞として賞金30万円が贈られる。また、奨励賞として長谷川也(はせがわ・なりや)さんの『pH』(ぺーはー)が選出された。

【大賞】(金田一耕助像、賞金400万円)
該当作なし

【優秀賞】(賞金30万円)
『悪い夏』 染井 為人(そめい・ためひと)

【奨励賞】
『pH』(ぺーはー) 長谷川 也(はせがわ・なりや)



横溝正史ミステリ大賞は、50余年に渡り探偵小説を精力的に執筆し続けた横溝正史氏にちなみ、昭和55年、未来のミステリ作家を広く募集、発掘するために設けられた。400字詰め原稿用紙350枚?800枚の作品を対象とし、今回は194作品の応募があった。第37回の選考委員は、有栖川有栖、恩田陸、黒川博行、道尾秀介(五十音順、敬称略)が務め、選評は2017年6月12日(月)発売の「小説 野性時代7月号」に掲載予定。
受賞作は、株式会社KADOKAWAより刊行を予定している。
■横溝正史ミステリ大賞公式サイト  http://www.kadokawa.co.jp/contest/yokomizo/

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◆第37回 横溝正史ミステリ大賞

【優秀賞の梗概】
『悪い夏』
 26歳の佐々木守は社会福祉事務所の生活福祉課・保護担当課に在籍し、ケースワーカーとして勤務している。曲者ぞろいの生活保護受給者(ケース)を相手に、毎日忙しい日々を送っていた。ある日、守は同僚の高野が生活保護の打ち切りをちらつかせ、ケースを脅迫していることに気づく。脅迫を受けていたのは、22歳の林野愛美。高野の卑劣な行為の真相を掴むため、守は愛美のもとへ向かう。
 そこに、守が担当するケースの山田吉男が居合わせた。生活保護を不正に受けながら麻薬の売人をする吉男は、愛美を脅す高野を強請ろうとしていたのだ。クローゼットに隠れ、愛美と守のやりとりを盗み見た吉男は、守からも金を脅し取ろうと計画を練りはじめ??。

<受賞者の略歴> 染井 為人(そめい・ためひと)※ペンネーム
1983年7月21日生まれ。33歳。男性。千葉県印西市出身、東京都葛飾区在住。現在、演劇・ミュージカルのプロデューサー。

【奨励賞の梗概】
『pH』(ぺーはー)
 19才の青年・吉永千尋は大学へも通わず、新潟市の一人暮らしのマンションで自堕落な生活を送っていた。憧れの女性が殺されたことが、そんな生活に陥ることになった理由だった。殺された女性の名前は『レオナ』。しかし、千尋はその悲しみを周囲へ打ち明けられず、孤独に抱え込んでいた。なぜなら、『レオナ』は、架空のキャラクターだったからだ。絵の中にしか存在しない美少女を、千尋は本気で愛していた。『レオナ』を蘇らせたい千尋は、ある計画を実行に移すことに。しかし、計画にはどうしても生身の女性を自分の部屋へと連れてくる必要があった。
 女性の協力を得るために千尋が自殺掲示板で相談相手を募集すると、ラピスというハンドルネームの人物から返事がある。水戸駅でラピスと落ち合った千尋は、『レオナ』のコスプレをして一緒に新潟まで旅行をして欲しいと頼み込んだ。それで思い残すことなく死ねる、という言葉を聞いたラピスは、逆に提案を持ちかける。2人でデートをして、その間に死ぬのを諦めたら自分の勝ち。死ぬ気が変わらなかったら自分の負け。
 かくして、ゲームが始まった。ラピスは千尋に自殺を思い止まらせるため、千尋はラピスを家に連れ帰るため。お互いに違う思惑を秘めながら、ふたりは二泊三日の旅に出るのだが??。

<受賞者の略歴> 長谷川 也(はせがわ・なりや)※ペンネーム
本名・長谷川哲也(はせがわ・てつや)。1982年12月21日生まれ。34歳。男性。新潟県新潟市出身、新潟県新潟市在住。