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どん底はそれ以上、堕ちない。殴られろ、騙されろ、最後に笑え。


「破門（疫病神シリーズ）」で二蝶会を破門になった桑原保彦。
舞台は1年後の賭場のシーンから始まる。大阪は西心斎橋に事務所を構える建設コンサルタント・二宮啓之。相変わらずサバキで生計を立ててはいるものの、「フリーズムーン」の一件以降、元通りの“ちんまり”した生活に戻っていた。そんな二宮の目の前に突如現れた桑原。復縁して組に戻ったらしい。嫌な予感しかしない二宮。お構い無しの桑原は、五百万の信者を擁する伝法宗慧教寺派の宗宝『懐海聖人絵伝』をめぐるスキャンダルを嗅ぎつけた、と言う。またしても桑原のペースに完全に引きずり込まれる二宮。絵伝を金にしようと画策する二人を待ち受けるのは、巨大宗派の蜜に群がる悪党たち。
相性最悪の“疫病神コンビ”、自称建設コンサルタントの二宮とイケイケヤクザの桑原。腐敗刑事、東京ヤクザ、怪しい美人画廊経営者、金満坊主。
様々な欲望がうごめく中、最後に笑うのは果たして誰なのか！
大阪・京都・名古屋・東京と駆け回る“疫病神コンビ”の命運は！？