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形見のつぼに彫り込んだ昇り竜が泣いている！
女の血潮を炎と燃やし、賭場から賭場への鉄火場修行！

十三年ぶりの父親辰吉との対面に胸ふくらませて上京した大滝銀子であったが、辰吉の一番弟子と名乗る鉄五郎とお茶漬屋のお女将志乃に案内された一室で彼女を迎えたのは変わり果てた父辰吉の遺体であった…。
辰吉の性分からして、自殺とは思われないと鉄五郎は言う。
父の死への疑問を抱きつつも、父から受け継いだ賭博師の血と形見の木ツボを携え、賭場から賭場への鉄火場修行がはじまった。

銀子は鉄五郎の指導のもと、たちまち一流の女賭博師に育ち、鮮やかなつぼ捌きと天性の美貌で昇り竜のお銀の名前はまたたくまに広まった。
東京に戻った銀子と鉄五郎は全国の親分衆が集まる金張り盆で、辰吉の敵を知ることとなる。

父の仇！必勝の決意を胸に秘め形見の木ツボを手にした昇り竜は名人戦会場へ向った…。