仏像の秘密を読む

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2020年06月12日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
272
ISBN:
9784044005702
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仏像の秘密を読む

  • 著者 山崎 隆之
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2020年06月12日
判型:
文庫判
商品形態:
文庫
ページ数:
272
ISBN:
9784044005702

微笑・憤怒・憂い……その表情に隠された工夫とは?

人間とは異なり奇妙な形をした爪、前方向に引っ張られた耳、顔の各部にいくつも開けられた穴……仏師が密かに仕掛けた「秘策」は、まさに仏像の細部に宿っていた。願主の畏れや人々の祈りを、彼らはいかにして具現化しようとしたのか。さまざまな仏像の修復作業にも携わる著者が、造形と技法の両面から、その緻密な工夫と計算に迫る。仏像写真家・小川光三による写真を多数収録した、仏像散策のお供にも最適の一冊。 人間とは異なり奇妙な形をした爪、前方向に引っ張られた耳、顔の各部にいくつも開けられた穴……仏師が密かに仕掛けた「秘策」は、まさに仏像の細部に宿っていた。願主の畏れや人々の祈りを、彼らはいかにして具現化しようとしたのか。さまざまな仏像の修復作業にも携わる著者が、造形と技法の両面から、その緻密な工夫と計算に迫る。仏像写真家・小川光三による写真を多数収録した、仏像散策のお供にも最適の一冊。

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

もくじ

〇造形の秘密
1 右手の指三本、その爪が語る止利仏師の惑い
 ●飛鳥寺釈迦如来坐像(飛鳥大仏)
2 飛鳥仏の源流
 ●中国化した異国の仏
3 台座に仕掛けた「往登浄土」の構想
 ●法隆寺釈迦三尊像
4 放電する天衣――先端に忍ばせた刃物の形
 ●法隆寺夢殿救世観音立像
5 伸び上がる若竹のイメージ――衣文でさらなる上昇性
 ●法隆寺百済観音立像
6 微笑みの弥勒
 ●広隆寺弥勒菩薩半跏像
7 壁から外へ、踏み出す異人
 ●薬師寺本尊台座
8 三面六臂の自然な異形――その融合の秘策・耳
 ●興福寺阿修羅立像
9 飛び出す金剛杵、風をはらむ天衣
 ●東大寺法華堂執金剛神立像
10 凹ませて出す、逆転の量感表現
 ●東大寺法華堂不空羂索観音立像
11 特異な体型――巨像ゆえの計算
 ●東大寺廬舎那仏坐像(大仏)
12 宇宙に広がる仏のイメージ
 ●唐招提寺廬舎那仏坐像
13 見え隠れする原木の残影――樹勢に委ねた薬師の威力
 ●神護寺薬師如来立像
14 縦木を束ねた腕と両脚――全身を覆う巨樹の姿
 ●新薬師寺薬師如来坐像
15 人体への接近または同化――即身成仏の造形化
 ●東寺講堂不動明王坐像
16 幼女性にくるまれた母なる観音――その二重性が醸し出す至高の境地
 ●観心寺如意輪観音坐像
17 球面上のレリーフ――円満具足の完成形
 ●平等院阿弥陀如来坐像
18 板の中、躍動する武神たち――別製弓矢で高まる臨場感
 ●興福寺板彫十二神将立像
19 西方浄土のバーチャル・リアリティー
 ●浄土寺浄土堂
20 隠された運慶――東大寺南大門金剛力士立像の作者
 ●阿吽両像の造形と構造
 ●足裏に運慶を見た

〇技法の秘密
21 塑像の中で造形を支える心木
 ●新薬師寺十二神将立像と東大寺戒壇堂四天王立像
22 麻布の像とそれを支える特殊な心木
 ●興福寺十大弟子立像に見る脱活乾漆の技法
23 脱活乾漆の新たな試み――原型封入の土心乾漆像の可能性
 ●秋篠寺伎芸天立像
24 一木造りと寄木造りの境界――越えがたいその一線
 ●同聚院不動明王坐像
25 像内に籠めた生命の根源――太子のしるし
 ●広隆寺聖徳太子立像
26 彫眼から玉眼へ――進化する眼の表現
 ●興福寺世親立像
27 仏像の地震対策――建築構法の仏像への応用
 ●浄土寺阿弥陀三尊立像
28 寸法直しからパッチワークまで――寄木造りの裏技
 ●興福寺仁王立像を中心に
29 小穴から明かされた仏師の秘伝――錐点
 ●広隆寺五髻文殊菩薩坐像を中心に
30 仏像雛形――その使用法を探る
 ●興福寺仁王頭部像を中心に

「仏像の秘密を読む」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 仏像の外面的な造形、内部の構造に凝らされた工夫、どれも各時代の息吹を伝えてくれることを本書は力強い筆致で訴える。飛鳥大仏の爪の奇妙な形から、「仏本」を写すことが求められ、自分の勝手な解釈を加える余地な 仏像の外面的な造形、内部の構造に凝らされた工夫、どれも各時代の息吹を伝えてくれることを本書は力強い筆致で訴える。飛鳥大仏の爪の奇妙な形から、「仏本」を写すことが求められ、自分の勝手な解釈を加える余地などなかったとの推論は、造仏の核心に迫る言説であろう。と同時に、その後の造仏を考える上でも示唆的な見解である。このような優れた概説書を読むと、すぐにでもお寺へ向かいたくなる衝動に駆られる。紹介された仏像のうち、一度も行ったことのない浄土寺へ、是非足を運んでみたいと思った。 …続きを読む
    Takashi 
    2020年12月06日
    0人がナイス!しています

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