故郷はなぜ兵士を殺したか

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2010年08月25日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
288
ISBN:
9784047034723
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故郷はなぜ兵士を殺したか

  • 著者 一ノ瀬 俊也
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2010年08月25日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
288
ISBN:
9784047034723

近代以降の日本の戦争観はどう形成されたか?

市井の人々は戦死者にどのような感情を抱き、「聖戦」に組み込まれていったのか。戦争を生きのびた者は、戦死者とどのように向き合ったのか。兵士を送り出した故郷と戦争のかかわりに鋭く迫る画期的考察。

〈目次〉
はじめに

第一章 戦死者を忘れ、また思い出す〈郷土〉──日露戦後~昭和初期
    一 記念誌のなかで忘れられる戦死者
    二 平和に抗議してよみがえる戦死者
    三 満州事変の正しさを語る戦死者・老兵・帰還者たち

第二章 兵士の死を意味付ける〈郷土〉──昭和の戦争1
    一 兵士の苦難を意味付ける地域の体制
    二 慰問という監視装置
    三 銃後社会のゆがみ

第三章 兵士に死を強いる〈郷土〉──昭和の戦争2
    一 慰問文に見る戦死の慫慂
    二 戦死者と〈郷土〉はどう向かい合ったか
    三 銃後奉公会のその後

第四章 戦死者は「平和の礎」なのかと自問する〈郷土〉──戦後
    一 追討は生者たちのために──一九五〇年代
    二 戦死者遺児たちの戦後──靖国神社集団参拝をめぐって
    三 戦争は〈正義〉だったのか?──一九七〇・八〇年代
    四 戦死者を忘れ、豊かさにひたる──「戦後五〇年」をめぐって

おわりに

参考文献一覧
市井の人々は戦死者にどのような感情を抱き、「聖戦」に組み込まれていったのか。戦争を生きのびた者は、戦死者とどのように向き合ったのか。兵士を送り出した故郷と戦争のかかわりに鋭く迫る画期的考察。

〈目次〉
はじめに

第一章 戦死者を忘れ、また思い出す〈郷土〉──日露戦後~昭和初期
    一 記念誌のなかで忘れられる戦死者
    二 平和に抗議してよみがえる戦死者
    三 満州事変の正しさを語る戦死者・老兵・帰還者たち

第二章 兵士の死を意味付ける〈郷土〉──昭和の戦争1
    一 兵士の苦難を意味付ける地域の体制
    二 慰問という監視装置
    三 銃後社会のゆがみ

第三章 兵士に死を強いる〈郷土〉──昭和の戦争2
    一 慰問文に見る戦死の慫慂
    二 戦死者と〈郷土〉はどう向かい合ったか
    三 銃後奉公会のその後

第四章 戦死者は「平和の礎」なのかと自問する〈郷土〉──戦後
    一 追討は生者たちのために──一九五〇年代
    二 戦死者遺児たちの戦後──靖国神社集団参拝をめぐって
    三 戦争は〈正義〉だったのか?──一九七〇・八〇年代
    四 戦死者を忘れ、豊かさにひたる──「戦後五〇年」をめぐって

おわりに

参考文献一覧

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

「故郷はなぜ兵士を殺したか」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 電子版で読了。戦前、戦後の郷土の兵士に対する慰霊を分析している。忠魂碑建立や、追悼録、回想録などを読み解いた結果として、戦前も戦後も慰霊に対する確固たる軸を持たない状態であったと著者は総括する。論文を 電子版で読了。戦前、戦後の郷土の兵士に対する慰霊を分析している。忠魂碑建立や、追悼録、回想録などを読み解いた結果として、戦前も戦後も慰霊に対する確固たる軸を持たない状態であったと著者は総括する。論文を纏めた内容ゆえやや締まりに欠く。しかし、戦前の慰霊が、大正デモンストレーションによる日露戦争の忘却に対するアンチテーゼであることや、戦後の回想録に過酷な戦場の実態が見て取れる物もあることがわかった。戦後における遺児の靖国参拝の感想文も多様である。 …続きを読む
    nnpusnsn1945
    2022年02月28日
    49人がナイス!しています
  • エグい表題のままエグ味たっぷりの作品。命がけで戦う戦場の兵士と安心安全な後方で慰問顕彰に励む故郷の人々との断絶を、慰問誌で戦死者を称揚し家族を人質にし兵達を栄えある死へ押しやる郷土の無意識な冷酷を、無 エグい表題のままエグ味たっぷりの作品。命がけで戦う戦場の兵士と安心安全な後方で慰問顕彰に励む故郷の人々との断絶を、慰問誌で戦死者を称揚し家族を人質にし兵達を栄えある死へ押しやる郷土の無意識な冷酷を、無邪気な子供の お父ちゃんの代わりに死んでくれてありがとう 的な慰問文の残酷を、発掘した資料を提示し淡々と著述する冷徹。読むほどに苦しくなる。敗戦による戦前戦後の価値の転倒が戦没者遺族と故郷の人々とを引き裂き、戦後社会の歪みの淵源となるに至り著者の鋭鋒は今のボク等に向く。無知と忘却に逃げる事など許されはしない。 …続きを読む
    さすらいの雑魚
    2021年08月22日
    45人がナイス!しています
  • 大岡昇平曰く、戦陣訓で最も悪質なのは「死して虜囚の…」ではなく、寧ろ「常に郷党家門の面目を思ひ」の一節であるという。そのことの意味がよく理解できた。故郷は戦地に赴く兵士たちを励まし、同時に(少しも悪意 大岡昇平曰く、戦陣訓で最も悪質なのは「死して虜囚の…」ではなく、寧ろ「常に郷党家門の面目を思ひ」の一節であるという。そのことの意味がよく理解できた。故郷は戦地に赴く兵士たちを励まし、同時に(少しも悪意なく)彼らを死に追いやり、残された遺家族の不満を抑えつけた。美しくも残酷なドラマ。一方、戦没者遺児の靖国集団参拝など戦後の描写を通じて、故郷の側もまた深い傷と葛藤に苦しんだことが分かる。 …続きを読む
    Toska
    2023年07月14日
    11人がナイス!しています

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