源義経の合戦と戦略 -その伝説と実像-

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2005年04月25日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
224
ISBN:
9784047033740
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源義経の合戦と戦略 -その伝説と実像-

  • 著者 菱沼 一憲
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2005年04月25日
判型:
四六判
商品形態:
単行本
ページ数:
224
ISBN:
9784047033740

伝説によってさまざまに彩られてきた源義経の実像に迫る。

〈目次〉
はじめに─組み立て方─
第一章 義経の時代と生い立ち
一 義経の時代
  義経の生きた時代/『平家物語』について/『吾妻鏡』について/古文書・日記類他について
二 義経の生い立ち
  武家の棟梁/義経の生い立ち
第二章 挙兵から一ノ谷の合戦まで
一 頼朝の挙兵と義経
  頼朝の挙兵/黄瀬川での再会
二 京・鎌倉政権の交渉
  木曾義仲の挙兵/義仲軍の上洛と平家の都落ち/義仲の上洛と洛中狼藉/後白河院と頼朝の交渉─さぐり合い─/後白河院と頼朝の交渉─威嚇─
三 義経上洛
  義経の最初の仕事/上洛前夜/攻撃の開始/頼朝軍入洛の戦略
四 一ノ谷の合戦
  平家追討と安徳天皇の安全/一ノ谷の合戦への途/一ノ谷の合戦への視角/『玉葉』二月八日条の語る合戦/なぜ「一ノ谷」の合戦か/戦争劇/「一ノ谷の合戦/「鵯越の逆落とし」の罪/再考「一ノ谷の合戦」/湊川の合戦の場合/「鵯越の逆落とし」の解明/山の手を攻略したのは誰か/平家の人々の退路の不審/平家と摂津・播磨/搦手義経軍の進軍ルート
第三章 在京期
一 頼朝在京代官として
  在京期の活動の評価/在京頼朝代官の課題/武士狼藉について
二 頼朝在京代官の職務
  一ノ谷の合戦後の配置/守護人・惣追補使の展開/在京代官義経と平家追討/洛中守護/大義と現実/武士狼藉停止問題/義経の武士狼藉停止作業─摂津国垂水牧─/義経の武士狼藉停止作業─紀伊守護人豊島有経─/頼朝の政治方針と義経の命題/畿内近国以西への守護人の配置/義経の直轄国
三 自由任官問題
  没落への布石/従来の説/『吾妻鏡』の説/自由任官問題への疑問/検非違使任官の真実/後白河院陰謀説について
第四章 西海の戦陣
一 屋島の合戦
  屋島の合戦の概観/範頼主力部隊の出陣/範頼軍の九州上陸/義経再出陣の事情/義経の再出陣と朝廷側の対応/義経の出陣準備/義経の阿波渡海について/阿波の反平家勢力/阿波国津田島と海運/阿波民部大夫成良/住吉神社の鏑鳴り/逆櫓談義/梶原景時の動向/屋島の合戦の総括
二 壇ノ浦の合戦
  壇ノ浦の合戦への準備/義経軍と範頼軍/熊野水軍の動向/義経の熊野勢力の取り込み/弁慶と伝承世界/熊野と弁慶/壇ノ浦の合戦の概要/『平家物語』の壇ノ浦の合戦/周防国大島津から壇ノ浦へ/長門国の動向/潮流の問題/義経軍勝利の要因
三 論功行賞をめぐる義経の蹉跌
戦後処理/京都と鎌倉の評価の違い/義経の自尊/頼朝軍の事情/腰越状的理解への疑問/論功行賞をめぐって/鎌倉幕府成立史における義経の位置づけ
結びにかえて
あとがき
〈目次〉
はじめに─組み立て方─
第一章 義経の時代と生い立ち
一 義経の時代
  義経の生きた時代/『平家物語』について/『吾妻鏡』について/古文書・日記類他について
二 義経の生い立ち
  武家の棟梁/義経の生い立ち
第二章 挙兵から一ノ谷の合戦まで
一 頼朝の挙兵と義経
  頼朝の挙兵/黄瀬川での再会
二 京・鎌倉政権の交渉
  木曾義仲の挙兵/義仲軍の上洛と平家の都落ち/義仲の上洛と洛中狼藉/後白河院と頼朝の交渉─さぐり合い─/後白河院と頼朝の交渉─威嚇─
三 義経上洛
  義経の最初の仕事/上洛前夜/攻撃の開始/頼朝軍入洛の戦略
四 一ノ谷の合戦
  平家追討と安徳天皇の安全/一ノ谷の合戦への途/一ノ谷の合戦への視角/『玉葉』二月八日条の語る合戦/なぜ「一ノ谷」の合戦か/戦争劇/「一ノ谷の合戦/「鵯越の逆落とし」の罪/再考「一ノ谷の合戦」/湊川の合戦の場合/「鵯越の逆落とし」の解明/山の手を攻略したのは誰か/平家の人々の退路の不審/平家と摂津・播磨/搦手義経軍の進軍ルート
第三章 在京期
一 頼朝在京代官として
  在京期の活動の評価/在京頼朝代官の課題/武士狼藉について
二 頼朝在京代官の職務
  一ノ谷の合戦後の配置/守護人・惣追補使の展開/在京代官義経と平家追討/洛中守護/大義と現実/武士狼藉停止問題/義経の武士狼藉停止作業─摂津国垂水牧─/義経の武士狼藉停止作業─紀伊守護人豊島有経─/頼朝の政治方針と義経の命題/畿内近国以西への守護人の配置/義経の直轄国
三 自由任官問題
  没落への布石/従来の説/『吾妻鏡』の説/自由任官問題への疑問/検非違使任官の真実/後白河院陰謀説について
第四章 西海の戦陣
一 屋島の合戦
  屋島の合戦の概観/範頼主力部隊の出陣/範頼軍の九州上陸/義経再出陣の事情/義経の再出陣と朝廷側の対応/義経の出陣準備/義経の阿波渡海について/阿波の反平家勢力/阿波国津田島と海運/阿波民部大夫成良/住吉神社の鏑鳴り/逆櫓談義/梶原景時の動向/屋島の合戦の総括
二 壇ノ浦の合戦
  壇ノ浦の合戦への準備/義経軍と範頼軍/熊野水軍の動向/義経の熊野勢力の取り込み/弁慶と伝承世界/熊野と弁慶/壇ノ浦の合戦の概要/『平家物語』の壇ノ浦の合戦/周防国大島津から壇ノ浦へ/長門国の動向/潮流の問題/義経軍勝利の要因
三 論功行賞をめぐる義経の蹉跌
戦後処理/京都と鎌倉の評価の違い/義経の自尊/頼朝軍の事情/腰越状的理解への疑問/論功行賞をめぐって/鎌倉幕府成立史における義経の位置づけ
結びにかえて
あとがき

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

「源義経の合戦と戦略 -その伝説と実像-」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • 源義経とは戦の天才か、それとも政治の分からない猪武者か。近年では否定されつつある鵯越から、舟の漕ぎ手を射るなどの戦法を踏まえて、義経がどのような武将だったかを探る。戦いの実像を見ていくと、平家物語にお 源義経とは戦の天才か、それとも政治の分からない猪武者か。近年では否定されつつある鵯越から、舟の漕ぎ手を射るなどの戦法を踏まえて、義経がどのような武将だったかを探る。戦いの実像を見ていくと、平家物語における義経の活躍は鮮烈ながら虚飾に満ちたものであることがわかる。多田行綱の活躍も実際はどうだったか気になる所。義経の合理性や京の治安維持における有能さ。それが御家人たちの不満を生じさせ、彼ら望んでいた鎌倉幕府の在り方との齟齬を生じさせた。堅実で合理的な武将の姿を感じさせつつ、孤立した男の背を見た。 …続きを読む
    サケ太
    2022年01月05日
    19人がナイス!しています
  • 一の谷や屋島、壇ノ浦の戦況に関する事実関係の整理や、史料相互の比較検討の作業における綿密さもさることながら、従来のいわゆる「義経もの」のなかでも意外に乏しかった、戦略面での分析を徹底させた本書の議論は 一の谷や屋島、壇ノ浦の戦況に関する事実関係の整理や、史料相互の比較検討の作業における綿密さもさることながら、従来のいわゆる「義経もの」のなかでも意外に乏しかった、戦略面での分析を徹底させた本書の議論は読みごたえ十分。義経が持ち合わせた「合理性」(これを軍人の素質として安易に一般化せず、政治的力量にも通じるものと評価する点、著者の慧眼だと思う)を強調する理解は、戦場の義経のリアリティに密着してきた著者だからこそ語りうる説得力をもつ。その意味で、私的には第3章「在京代官として」の論述を、本書の白眉に推したい。 …続きを読む
    mk
    2018年10月29日
    2人がナイス!しています
  • 九条兼実『玉葉』の記述から、いわゆる「鵯越えの逆落とし」は義経の戦略ではなく、多田行綱が行ったものであることを初めて指摘した書籍。今ではこの著者の新説が、研究者の中で市民権を得ており、逆に通説となって 九条兼実『玉葉』の記述から、いわゆる「鵯越えの逆落とし」は義経の戦略ではなく、多田行綱が行ったものであることを初めて指摘した書籍。今ではこの著者の新説が、研究者の中で市民権を得ており、逆に通説となっているように思う。これだけではなく、義経上洛の目的・自由任官問題・屋島合戦時における上陸場所など、通説とは異なる独自の解釈を、『平家物語』や『吾妻鏡』の史料批判を加えた上で展開している。注目すべき書籍である。 …続きを読む
    うしうし
    2015年06月22日
    1人がナイス!しています

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