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掲載開始日 2021年03月25日

「SDLアプリコンテスト 2020」受賞作品を発表、グランプリは安全運転支援&コロナ3密回避 遠隔同乗システム『ドライブ気分』

自動車・バイクメーカーが推進する、クルマとスマホを連携させる国際規格「SDL」対応アプリコンテストの、グランプリ1作品、特別賞5作品、入賞5作品を紹介

 SDLコンソーシアム日本分科会、及び SDLアプリコンテスト実行委員会は、『クルマとスマホをなかよくする SDLアプリコンテスト2020』の最終審査会・表彰式を2021年3月8日にオンラインにて開催し、グランプリ1作品、特別賞5作品、入賞5作品を決定しました。つきましては各受賞作品と審査員総評コメントについてご紹介します。



 当コンテストは、スマホでカーナビ(車載機)を連携・操作できる国際標準規格『SDL(スマートデバイスリンク)』対応アプリの開発に、多くの設計者に接してもらうことを目的とし、3回目の開催となる今回は、運転中の“ながらスマホ”が2019年12月1日から厳罰化されたことから、新たな車室環境を作る安全・快適なアプリの可能性を広げることも狙いとしています。

■グランプリ:
安全運転支援&コロナ3密回避 遠隔同乗システム『ドライブ気分』
【応募者】九州産業大学 理工学部 合志研究室

 遠隔で同乗した気分を味わうことのできるシステムをメインとしたもの。ドライブ状況をネットで公開、あらかじめ設定した人だけでなく、一般閲覧者が匿名で行なう運転評価を随時反映させ、運転中の孤独感をやわらげるほか、法規走行などへのモチベーションを高める工夫がなされている。

審査員長コメント:
「まさにコロナ禍の三密回避。遠隔だけど一緒に乗車することが、SDLがなければ実現しない新しいアイデアだと思い満場一致で選んだ。UIなどにキャラクターが付いたりするとさらに良い、発展性もあると思う」


■特別賞:
キッチンカー支援アプリ『Kitchen Meets』
【応募者】Kitchen Meets Project

新型コロナウイルスの影響で苦境にたつ飲食店をSDLで解決したいということから考え出され、移動販売のキッチンカーを支援するためのアプリ。出店場所の提案、仕込み場所の提案、売上管理、SNSによる出店場所やメニューなどのアピールなどの機能を持つ。



『しおわんのきりばん!』
【応募者】rino products

クルマの走行距離メーターの数値でゾロ目やちょうど良い数値のキリ番を予告するアプリで、キリ番に近づくとキャラクターの「しおわん」が段階的に予告、キリ番を得た際の場所や時刻などを記録する。キリ番が現れる走行中の撮影はとても危険なため、アプリを使って安心して楽しむことを狙い、LINEとの連携で賞状が届く機能も備えている。



『TAXI風燃費レシート』
【応募者】市川雅明

クルマの走行開始から終了までをシフトレバー位置で判断、燃料使用量や燃費を自動計算し、小型プリンターでタクシーのレシートのように印字するアプリ。「タクシーのように印刷されるとおもしろい」ということから開発。



『バイクは楽器』
【応募者】TigerBrown

エンジン音はまるで楽器のようということから発想し、新たなバイクの楽しみ方を追加するというもの。エンジン回転数に応じた音階を表示して発音、その音を楽しむ。音階は記録してあとで楽しむこともできる。音楽として聞こえるように楽器もピアノやシンセサイザーを設定、実際に再生されたシミュレーターや実車でのデモでは元がエンジン回転数とは想像できない音を発した。




『もこもこドライブ』
【応募者】ちーむパンサル

走行距離でキャラクターが成長する育成アプリで、世界中のドライブを活性化し経済も活性化、自動車事故も抑制するという狙い。エンジンオイルの汚れやガソリン残量はキャラクターの表情で伝えることでクルマのメンテナンスを促し、特定のエリアに入ると背景が変化する。エリアや車両デザインのカスタマイズで収益化を視野に入れている。



■入賞:
『AIBO』
【応募者】AIBO
クルマをアバター化し、ドライブなどミッションをクリアしてくと着せ替えギアを獲得、運転中は音声で対話ができ、運転終了後にスコアが表示されるなど運転状態を可視化。

『横断歩行者通知システム』
【応募者】文教大学情報学部櫻井研究室
カメラで横断歩行者を検知して通知。スマートフォンのカメラやGPSを使い、車種などにとらわれず搭載できることが特徴。

『SpiCar v2』
【応募者】PatchWorks
安全運転評価と、その評価値を使いユーザー同士の対戦をする。対戦結果によってクーポンを発行するなど、観光地でのクーポン利用まで想定したアプリ。

『DriDri Streamer』
【応募者】Drive Drive
ドライブ映像のコンテンツ化を目指したもの。SDL上で画面表示しながらYouTube Liveで生配信し、視聴者のコメントを音声読み上げる機能もある。運転に飽きてしまった場合の気分転換も狙っている。

『CarPairLinks』
【応募者】株式会社アジャイルジェイピー
2台以上でドライブする場合に相手に位置情報を共有して相手に伝えることが容易になるアプリ。ルームを作成し、マップ上にメンバーの場所をSDLで表示し共有できる。


■総評:
審査員長 暦本純一氏(東京大学大学院情報学環教授)
3年目だがアイデアが膨らんできていて、自動走行の時代にクルマってどうやってうんだろう? というところのアイデアもあって素晴らしいと思った。楽器やキリ番など自分の趣味を交えるというのも良かったし、コロナ禍で開発が難しいなか、仕上げてくださったのも良かった。こういう楽しい活動をこれからも是非続けていってほしい。

審査員 岩貞るみこ氏(モータージャーナリスト 、ノンフィクション作家)
とても楽しく拝見した、車は閉鎖空間で孤独な空間でもあるが、こうした取り組みで夢が広がれば良いと思う。先週、自動運転レベル3の自動車が発売され、この車で自動運転中はスマホの画面を見ても良いとなっている。今後みなさんのアイデアがもっと必要とされると思う。

審査員 川田十夢氏(AR三兄弟長男)
アイデアを実装する、SDLは命を預かるものだから大変だったと思うけどみんな良かった。年を重ねるごとに自動運転との区別、やがて人はハンドルを手放すが、孤独などをコミュニケーションがどう解決していくか課題があると思う。いろんなヒントを皆さんからいただいた。

審査員 久米智氏(トヨタ自動車e-TOYOTA部)
コロナ時代にあってもこうしてオンラインでアイデアを持ち寄ってハッキングし、ひとつのものを作り上げることができるんだと改めて感じた。新しいものを作り出すことに喜びを感じる人達の集い、新しい一歩になった。みなさんのアイデアはこういう時代だからか、課題解決のためのテーマもあったが、肩の力を抜いて楽しみや嬉しさ、面白さを求めているものが増えてきたのがうれしい。楽しみがあるとより豊かなカーライフが生まれる。今日のアイデアを実際に世の中へ出すまで突き詰めてほしい、我々も一緒にやっていきたい。

開催概要
【名  称】クルマとスマホをなかよくする SDLアプリコンテスト2020
【主  催】SDLコンソーシアム日本分科会、
SDLアプリコンテスト実行委員会(事務局 角川アスキー総合研究所)
【募集期間】2020年4月1日~2021年2月21日(日)
【募集内容】エミュレーターか開発キット上で開発したSDL対応アプリ(既存アプリの移植、新規開発)
【募集対象】年齢、性別、国籍等不問。個人・チームどちらでも応募可
【応募方法】プレゼンシートと動作解説動画をWebフォームで応募
【審  査】審査員が新規性、UX・デザイン、実装の巧みさ等で評価
【審査委員長】暦本純一氏(東京大学大学院情報学環教授)
【審査委員】岩貞るみこ氏(モータージャーナリスト、ノンフィクション作家)、川田十夢氏(AR三兄弟長男)、久米智氏(トヨタ自動車e-TOYOTA部) ※五十音順
【最終審査】2021年3月8日(月)
【グランプリ】賞金50万円+副賞
【特別賞】賞金各10万円(最大5作品)
【公式サイト】http://sdl-contest.com/

■オンライン開催の最終審査会の最後に、参加者全員で記念撮影




■SDLコンソーシアム日本分科会について
SDL(スマートデバイスリンク)の普及を目的に、自動車・バイクメーカー9社(トヨタ自動車、マツダ、SUBARU、ダイハツ工業、三菱自動車工業、スズキ、ヤマハ発動機、川崎重工業、いすゞ自動車)で構成しています。

■株式会社角川アスキー総合研究所について
角川アスキー総合研究所は、KADOKAWA グループに属する法人向けのシンクタンク、リサーチ、メディア企業です。KADOKAWAグループの持つコンテンツ力、メディア力、リサーチ力に関する技術力を活かし、日本のメディア・コンテンツ産業に貢献すべく、課題となる重要テーマに日々取り組んでいます。

公式サイト:https://www.lab-kadokawa.com/