掲載開始日 2020年03月13日
第11回〈小説 野性時代 新人賞〉 選考結果のお知らせ
本日3月13日(金)午後4時より、第11回〈小説 野性時代 新人賞〉(主催=株式会社KADOKAWA)の選考会が行われました。応募総数440作品の中から最終選考に残った4作品のうち、選考委員の審査により、蝉谷魚ト(せみたに・とと)さんの「化け者心中」が受賞いたしました。また、受賞に準じる賞として、吾野 廉(あがの・れん) さんの「嘘のくに」が奨励賞に選出されました。
賞の贈呈式および祝賀パーティーは、2020年11月に東京會舘(東京都千代田区丸の内3丁目2−1)にて、〈山田風太郎賞〉〈横溝正史ミステリ&ホラー大賞〉と合同で開催予定です。
今後ともKADOKAWAの新人文学賞にご注目のほどお願い申し上げます。
■公式サイト https://awards.kadobun.jp/yaseijidai/
賞の贈呈式および祝賀パーティーは、2020年11月に東京會舘(東京都千代田区丸の内3丁目2−1)にて、〈山田風太郎賞〉〈横溝正史ミステリ&ホラー大賞〉と合同で開催予定です。
今後ともKADOKAWAの新人文学賞にご注目のほどお願い申し上げます。
■公式サイト https://awards.kadobun.jp/yaseijidai/
【第11回〈小説 野性時代 新人賞〉 受賞作】(賞金100万円)
「化け者心中」蝉谷魚ト(せみたに・とと)
※受賞作は単行本として、2020年夏に株式会社KADOKAWAより刊行する予定です。
【第11回〈小説 野性時代 新人賞〉 奨励賞受賞作】
「嘘のくに」吾野 廉(あがの・れん)
※受賞作に準じる奨励賞の作品には、賞金および刊行の予定はございません。
選考委員は、冲方丁・辻村深月・森見登美彦の三氏。(50音順)
なお、選評は2020年4月11日(土)発売の「小説 野性時代」5月号に掲載予定です。
受賞作品の梗概と著者略歴、奨励者の著者略歴はページ下部の通りです。
◆〈小説 野性時代 新人賞〉について
〈小説 野性時代 新人賞〉は、2009年より創設された、文学新人賞です。これまでにない新ジャンルを築きあげるエンターテインメント作品を広く募集し、読む者の心を揺さぶる、将来性豊かな稀代のストーリーテラーを選出します。
・原稿枚数:400字詰め原稿用紙換算200枚から400枚(長編1作品)。
・対象作品:広義のエンターテインメント小説。恋愛、ミステリ、冒険、青春、歴史、時代、ファンタジーなど、ジャンルは問いません(ノンフィクション・論文・詩歌・絵本は除く)。
・公式サイト:https://awards.kadobun.jp/yaseijidai/
※今回より〈野性時代フロンティア文学賞〉を、〈小説 野性時代 新人賞〉と改称いたしました。
<受賞作品概要>
【第11回〈小説 野性時代 新人賞〉 受賞作】
作品名:「化け者心中」
あらすじ:時は文政、所は江戸、藤九郎は、中村座の立女形であった魚之助にいつもの如く呼び出され、中村座をまとめる座元の元へと向かう。魚之助は大坂生まれの女形だが、芝居中、熱狂的な贔屓に足を切られ、その傷が元で膝から下の両足を失っている。芝居小屋で座元から頼まれたのは鬼探しだ。数日前、『堂島連理柵』という曾根崎心中を踏襲した新作台本の前読みが行われた。六人の役者が車座となって台本を読んでいたが、輪の真ん中に誰かの頭が転げ落ち、そこで部屋は暗転してしまう。再び灯りをつけると、頭が落ちた場所には血だまりが残り、誰かが死んだことがわかる。しかし役者の数は六人のままで、誰もいなくなっていない。鬼が誰かを食い殺し、その一人に成り代わっているのだ。
藤九郎は「人間とは思えないほどの残虐非道な心を持っているものこそ鬼」との仮説をたて、役者の本性を暴くことで鬼を見つけ出すことにしたが、魚之助とともに調べを進めると相次いで事件が起こり……。
〈著者略歴〉
蝉谷魚ト(せみたに・とと)※ペンネーム
1992年[平成4年]7月23日生まれ(満27歳)。女性。大阪府豊中市宮山町出身、東京都中野区在住。早稲田大学文学部卒業。現在、会社員。
【第11回〈小説 野性時代 新人賞〉 奨励賞受賞作】
作品名:「嘘のくに」
あらすじ:天保十一年、南部藩は今年も飢饉におそわれた。組付足軽の藩士の娘であるせんは、九歳で吉原へ売られることになる。せんは吉原について、己の才覚次第で身分を上げることができる夢のような場所だと聞いていたが、その解釈が正しくないことを知る。器量が良いことを買われ、吉原の大見世である玉屋に売られたせんは、あやのと名付けられ、楼主の一番のお気に入りである春野のもとで禿として奉公することになる。禿のふじのに出会い、吉原のしきたりを教わるのだが、あやのは納得のいかないことが多く衝突を繰り返す。
あやのは十歳で引込み禿に抜擢され、十五歳で振袖新造の綾乃となるが、過去のトラウマから性行為に恐怖を抱いており、水揚げの際は客を振って見世を飛び出した。それではだめだと自分を奮い立たせ、最初に来た客に抱いてもらおうと決心するが、その相手は、十歳のときに出会った、医者の息子で五つ年上の杉村瑛介だった。やがて綾乃は花魁へと出世するが……。
〈著者略歴〉
吾野 廉(あがの・れん)※ペンネーム
2000年[平成12年]5月18日生まれ(満19歳)。女性。広島県呉市出身、三原市在住。県立広島大学に在学中。