◆2004年４月にイギリスで公開されて大ヒット（製作費500万ドルに対し最終的にワールドワイドで3000万ドルの興収）、9月公開のアメリカでも評判を呼んだ作品だが、日本では同年12月にDVDを出してしまったため劇場未公開となってしまい、ファンを嘆かせた本格的ゾンビ・パロディ映画。

◆ロンドンの家電量販店の店員で29歳のショーンは、親友のエドとパブに入り浸るだらしない毎日を送っていた。長年の恋人リズにも愛想を尽かされたショーンは、このままではいけないと生活を変える決意をするが、その時、街にはゾンビが溢れ、人々を襲い始める。ショーンは母親とリズを守るため、エドと協力して行動を起こす。

◆監督のエドガー・ライトと主演のサイモン・ペッグは、TVシリーズ「SPACED-俺たちルームシェアリング-」（99～2001、日本では2008年にDVD発売）で意気投合し、２人で本作の脚本を書き。それぞれ監督・主演した。「SPACED」の主人公の親友役だったニック・フロストが本作でも主人公の親友役を演じている。

◆本作がオマージュを捧げる『ゾンビ』（78）の監督ジョージ・A・ロメロは、本作を見て喜び、監督のライトと主演のペッグを『ランド・オブ・ザ・デッド』（2005）にカメオ出演させた。しかしゾンビ・メイクのため画面で2人を識別するのは困難。

◆本作で劇場映画の監督デビューを果たしたエドガー・ライト監督は、この後、『ホットファズ　俺たちスーパーポリスメン！』（2007）、　『スコット・ピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団』（2010）、『ワールズ・エンド　酔っぱらいが世界を救う！』（2013）を監督するが、『スコット・ピルグリム』を除く３作は、"爆笑三部作"と呼ばれる。