●ゲーテの戯曲「ファウスト」をシュヴァンクマイエルが翻案し映画化した怪作！

「アリス」に続く長編第2作目となる本作は、小説家であり詩人のゲーテが、15～16世紀に実在したヨハン・ファウスト博士の伝説を元に書き上げた戯曲をもとに映画化。「ファウスト」はチェコの人形劇をはじめ、永遠なるテーマとして、現在でもさまざまな形で取り扱われており、シュヴァンクマイエル自身、プラハ芸術アカデミー在学中、すでにファウストの伝説を扱った舞台上演に関わっているほど思い入れ深い題材でもある。奇妙な地図に導かれ男がやってきたのは旧く不気味な建物。男の意思とは裏腹に何かに操られるように彼を待っていたのは、あらゆる快楽と知識とを引き換えに、魔王に魂を売り渡す悪魔との契約だった・・・。奇才ヤン・シュヴァンクマイエルが、実写、粘土細工、ストップモーションアニメ等を駆使し、独自の映像と解釈でファウスト伝説を描く。

●ヤン＆エヴァ、二人の天才が放つ独特の世界を美麗画質で！

ヤン・シュヴァンクマイエル作品に欠かせないもうひとりの人物、長年のパートナーでもあり、自身も世界的に活躍した芸術家エヴァ・シュワンクマイエロヴァー。シュヴァンクマイエルという人物を世界で一番理解する彼女は、彼の数々の作品で美術を担当し、あの独特な世界観を一緒に作り出してきた。そしてシュールレアリストとして活躍する彼女の感性が、シュヴァンクマイエル作品に多大なる影響を与えたことはいうまでもない。今回の初Blu-ray化により、粘土細工・骨・貝殻・陶器・布などからなる彼らが創り出す世にも奇妙な生き物たちや人形たち、そして物が朽ちていく様や独特な描写で描かれる食事のシーンなど、あらゆる映像表現がより鮮明に蘇り、さらに観るものの深層心理に強く突き刺さる！！



ストーリー
奇妙な地図に導かれ男がやってきたのは旧く不気味な建物。そこは地下には劇場があり、錬金術の実験室や食堂にもつながる奇妙な場所だった。そこに現れた悪魔に誘惑された男は、メフィストフェレスを呼び出し、挙げ句あらゆる快楽と知識とを引き換えに、悪魔の王ルシファーに自分の魂を売り渡す契約をとりかわしてしまう・・・。